そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

天皇の戦争責任を空洞化する映画

2013-03-10 | マスコミ報道

逃亡者で、ジェラード刑事を好演し、オスカー助演男優賞を受賞、最近ではコーヒー缶のコマーシャルで知られるトミリー・ジョーンズが、ダグラ・スマッカーサーを演じることで話題になっている、映画「終戦のエンペラー」が近日公開される。Photo
原題は[EMPEROR](天皇)で、岡本嗣郎の「陛下をお救いなさえまし」である。クリスチャン河井道とボナ・フェラーズの交流を描いたものである。つまり、この映画は天皇の処分を思いとどませるように、マッカーサーに進言した男、ボナ・フェラーズのお話である。

終戦直後から国内では、国体護持(天皇制の維持)を最大の命題として、旧軍部や政府が奔走していた。天皇の戦争責任が問われないための理由付けを探していた。こうした国内の国体護持を至上命題とする一派を、彼は取り込むことになった。

確かに昭和天皇は、第一次世界大戦のヨーロッパを最もつぶさに見た日本人である。戦争の恐ろしさを見ることで、彼自身が反戦思想を持っていた事実はある。

しかし、軍部は天皇制を最大に利用した。天皇の国家、天皇の軍隊、天皇を中心といた神の国と教育も社会体制も全てが天皇の国家へ動き、軍国主義の頂点に天皇を頂いた。

「天皇万歳」と散華を称賛し、戦陣訓で徹底した軍国主義の集約の頂点に天皇は存在していた。その中で戦争責任がないはずがない。天皇自身も終戦直後は、自らの戦争責任を語っている。

天皇の戦争責任を刑罰としてどのようにするか、皇族の存廃はどうするかは、別の問題である。天皇の戦争責任を全く問わなかったことが、あらゆる面で戦後この国の弊害として、官僚体制の中に国家の中枢に残ってしまっている。

天皇を神聖にして侵すべからざるものと、たとえクリスチャンでも反戦主義者であっても、彼を擁護に回るのはおかしい。個人的な親近感や、人間性に依拠する論議は軽薄である。道とフェラーズの視点である。

かつて軍国少年であって、鬼畜米英に立ち向かった先輩の話であるが、友人の債務を請け負って印鑑を押したばっかりに多額の金額を返済することになった。こうしたことを引き合いにして、天皇の戦争責任逃れを厳しく追及していた。

私の父は南方で散華した。お国のために志願して、戦陣訓に従い自害したのである。父は天皇を中心とした神の国の存続の礎になったと思って、自害した。戦後彼が人間天皇になるなど思ってもみなかったであろう。

今回の映画は、原作に忠実であるとすれば、国体を守ってもらいたかった、国粋主義者や右翼に賞賛されることになるであろう。それは同時に無責任にこの国を統治してきた歴史でもあるのだ。

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亡くなられた方には申し訳ないが、そりゃおかしいゼ

2013-03-08 | マスコミ報道

3月2日の当地の猛吹雪は、甚大な被害をもたらした。中標津町では、5名の方が亡くなられた。とても痛ましい事故である。とりわけ、母親と3名の子供が亡くなった事故は、胸が締め付けられる悲しい出来事である。この地の方ではない。移住家族の方たちである。

どうしてそうなったかと、先日北見工大の教授が現場を見て、防雪柵が低いとか、風の向きが斜めでは機能しなかったとか、述べている。道路に直角に風が吹くとは限らない。Photo
20年ほどになるだろうか、写真のような防雪柵が主要幹線道路に設けられている。吹きつけてきた風を、下に向けて叩きつけて雪を掃うのが目的である。しかし、そんな状況を吹雪の後に見たことはない。極めて飛ぶ雪が少ない時には、確かに掃かれた用にはなっているが、そんな時には防雪柵など必要ない。

この無粋な建造物は、時として10キロも続き山や牧草地や海辺の、北海道の綺麗な風景を旅行者から遮断している。北海道に馴染まない、土建屋さんのメシの種である。

今回の吹雪で学者さんが、もっと大きなものがいるなどと述べると、土建屋や開建や土木現業所は大喜びであろう。こうした類似の構図は、ごたまんとある。あるいは作られている。今回の学者さんは、お抱えではない方だと願いたいものである。

道路の閉鎖や、住民の教育の方がよっぽど効果的で、本質的である。道路が良くなり、車が良くなり、住宅が立派になって、若い人たちはフ吹雪を実感しなくなっている。

風が強く吹き付け、雪を風力が落ちたところに、貯めていくのであるが、若い方々や外来者はそのことを実感しないまま、高級で高能力の車で走り抜けるのである。こうした不遜の輩を教育する方が先である。もっと大きな構造物を造るなど、もってのほかである。土建屋が喜ぶばかりである

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野党を学んだ自民党、与党を学ばなかった民主党

2013-03-07 | 政治と金

安倍政権が追い風を受けて、嬉々とした首相の顔が連日報道されている。色々なタイミングもあり、ぶれないことやアベノミックスなる言葉が、期待感で市場を動かしているカラである。安倍政権を支えるもう一つの大きな要因は、民主党の体たらくである。

予算委員会の質問では、かつての民主党時代の政権の中枢にいた議員が、信じられないような情けない質問をして、安倍に一蹴されている。TPPは我々が進めたのだと息巻いた、玄葉などいい例である。なら文書化しておけばよかったのでないか。政治は結果であると諭され、何も言えないかつての外務大臣の玄葉である。

お腹を壊して(重病説も流れるが真相は詐病である)首相を退いて、5年3カ月の間安倍は、人脈の再構築と選挙区に改めて時間を費やした。

他の自民党議員たちも、似たようなことをやっていた。石破などは徹底して地方回りを繰り返していた。政権の座にいない自民党のみじめさを、落選議員と臥薪嘗胆していたのである。

そうした前々回の落選議員たちの返り咲きは、野党転落による雌伏の時間でもあった。野党のみじめさを実感する日々であった。

その間与党になって、なにかにつけ官僚と軋轢を繰り返し、民主党は何度も政策転換を繰り返すことになる。自らの政策転換ではなく、等距離外交は外務省に、コンクリートから人へは経済産業省に、行政改革は総務省や大蔵省などに、徹底的に反論され自壊して行くことになる。

再び野党に転落した、民主党は、与党時代の経験を生かすことができない。その大きな要因は、官僚に壊されたマニフェストを検証もせず見直してしまったことである。そのため、民主党は与党時代の経験を活かす場面がないのである。

野党経験を生かし、ことあるごとに3年のブランクを口にする安倍首相である。ここには再び、野党に戻らないという気概が感じられる。

与党時代に民主党は、政局に明け暮れた。政策の行き詰まりをお互いのせいにした。足の引っ張り合いである。政策論争ではない。

古くから自民党は内部的に異論があっても、政権与党という縛りがまとまらせてきたのとは好対照である。

自民党の政策は明らかに、かつて破たんした先祖帰りである。公共事業の大盤振る舞いは、一時支持者たちを喜ばせるが、財政悪化や格差の拡大、地方の疲弊などにつながる。自民党にとっては、支持基盤もあるが、やはり手慣れた政策であるからである。

アベノミックスは税収につながり、この国を支えることを期待するのは、明らかな間違いである。民主党はそうした、自民党の遺物と思えるような政策すら批判できないのである。与党になて何も学ばなかったのである。

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軍事拡大で乗り切ろうとする中国

2013-03-06 | 中国

現在中国では、第11期全人代が開催されている。退任する温家宝首相は、これまでの経済成長の成果を高く評価した。演説の70%はPhotoそれらに使われたが、さすがに来年の経済成長は抑えて、7.5%とした。残りの時間は、申し訳程度に治安と環境と国民生活に充てられた。

然し、経済成長を大きく上回るのが、軍事予算の伸びである。実質25年間は、毎年10%以上の伸び、今や世界第2位の軍事大国となっている。その予算も不透明で公表されている数字でこの程度である。経済の伸びが鈍化するため、国民の不South_china_sea_dispute_2満を軍事拡大で補おうとする腹づもりである。とりわけ海軍力の拡大は、驚異的でもある。

中国の抱える問題は、いずれも深刻で幅広く、根本的な問題が多い。簡単に列挙しててみるだけで以下のようである。

●環境問題 PM2.5が騒がれている。国境を越えて周辺国家に影響を及ぼしている。がん村という、公害をまともに受けている村が数百か所あることを、政府は先ごろ認めた。住民の半数がガンになるというのである。

●人権問題 チベットでは今でも宗教弾圧に対する抗議の焼身自殺が絶えない。ウイグルなどの独立運動は、言論統制と武力弾圧で抑え込まれている。以前にも書いたが、司法を通さない投獄する労働矯正制度は、言論弾圧と人権蹂躙である。

●汚職問題 一党独裁がもたらす利権の構図は、汚職の根源である。汚職者と摘
発者が同一であるため、内部改革は不可能である。日本の原子力ムラの国家版である。

●格差問題 経済成長は都市周辺と巨大産業だけの問題である。富めるものから富むとする、権力者の勝手な論理は、自ら標榜する社会主義国家とは無関係である。数億円の収入があるものから、その日暮らしのものまで、天文学的格差問題は、農村問題や人権問題と合わせて深刻である。Chinas_censorship_fixation

●情報開示 中国はネットからも情報を締め出している。中国独自のネット網をもち、強く情報管理をしている。更には、世界各国への国家的サイバー攻撃も行っている。情報管理は、”アラブの春”を教訓としてさらに深化している。

●民主主義問題 格差問題や人権問題と重複するが、国民に情報をPhoto_2制限し権利を奪う制度となっている、現行の共産党一党独裁は全ての悪弊の根源でもある。

その他高齢化問題や、知的財産権問題などもある。習近平・李克強体制がこれらのすべてが、深刻と思われる問題をどれほど解決へ向かわすことができるのであろうか。

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企業による世界統治を目論むTPP

2013-03-04 | 政治と金

ネット社会は時として驚くような情報を漏らしてくれる。アメリカの市民団体パブリック・シチズンが、TPPの草案を入手したのである。リークと表現しているから、内部からの告発かもしれない。

天木直人さんのブログの紹介でたどり着いた動画であるが、以下に要点を書きとめる。参考までに、下記にアドレス紹介していきます。

これまでTPPの草案が出てきないのは、1990年のFTAA(米州自由貿易協定)で事前に草案を公表してひどい目にあったことを教訓にした。リークした市民団体は、民主主義の下の説明責任を果たしてないと指摘する。TPPは陽に当てれば死ぬドラキュラのようなものである。

TPPは企業が国を訴えることができる。これまでISD条項のあることは知られていたが、あたかも特殊な場合という印象がある。が、草案では企業はそれぞれの国の国内法や権利などを越えて、TPP条約を盾に訴えることができることになっている。

全26章のうち貿易に関することは、僅か2章のみである。

地方の特性は壊されることになる。地方での生産されたものが地方で消費されることは、特例になり慣行的なものは許可されない。国産品が優先されることも許されない。

草案内容を知るために、国会議員などの責任者がアクセスを採れない。その一方で、企業の顧問は自由にアクセスし討論も可能である。行政の監督責任者である、上院のワイデン貿易委員長は草案を知ることもできない。リークした市民団体は、オバマも知らない可能性が高いと説明している。

ロビー活動が活発な大企業の利益、特権が際立って優先されている。例えば、後発医薬品は特許などを盾に、拒否することも訴えることもできる。種子の特許も高く独占されることになる。高金利の金融商品は、リスクを理由に拒否できるなど、大企業の特権が際立つ。

市民団体は、これでは1%の人々の権利が奪われてしまう。TPPは1%のための協約である。と説明している。更に密室で協議されたものであるから、過激になっているのであるとしている。

何処を突いても、TPPの全体が見えてこないのは、こうした内容が極秘に進められているからである。「まずは交渉に参加しろ」から始まるTPP条約である。極秘進行して草案作成するのは、民主的に討論されると、企業が困るからである。

TPP条約は、企業の企業による企業のための条約なのである。

http://www.youtube.com/watch?v=HLVKAalmD48

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風前の灯の武器輸出三原則

2013-03-01 | 政治と金

安倍晋三のおじい様(岸信介)の弟(佐藤栄作)が1967年に作った、武器輸出三原則というものがある。武器輸出三原則とは、〇共産圏には輸出しない 〇国連で禁止する国には輸出しない 〇国際紛争の当事国やその恐れのある国には武器を輸出しないというものである。

三木内閣ではさらに厳しい輸出制限を行ったが、その後の中曽根や小泉の時にF35
は、個別の事例としての緩和を行ってきた。野田政権では、原則の内容を理解しないまま、平和に使われるのならいいとか、無知による緩和は行われてきた。

今回のステルス戦闘機F35は、9カ国で共同開発してきた経緯がある。9カ国の国旗が操縦室の外に添付されている。日本がどの部門の技術を担当したか知らないが、共同開発である以上販売元になるアメリカが自由に紛争国に売却できるようになる。

菅官房長官は今回は共同開発であり、例外処置だと発言している。民主党政権の野田の、平和に使われる武器ならいいとする無知な発言に比べると、確信犯的内容である。

そもそも、平和に使われる武器など存在しない。殺傷力が大きいほど、抑止力が働くことを見ればわかるが、今回のF35まさしくその典型である。平和のための武器とは所有者の勝手な論理である。

今回のF35は、紛争国のイスラエルが購入を予定している。それを知った上での、菅官房長官の発言である。日本はいつでも戦争ができる国への道を歩み始めている。

http://okaiken.blog.ocn.ne.jp/060607/cat12019105/

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羅臼港

春誓い羅臼港