詩はどこにあるか(谷内修三の読書日記)

日々、読んだ本の感想。ときには映画の感想も。

比喩は

2014-10-02 00:54:58 | 
比喩は

比喩は矛盾した絵画である。
描かれるものと描かれたものは同一ではない。
しかも同一ではないことによって真実になる。
という論理には欠伸が出てしまった。

私はそこからひとつのことばを差し引きたい。
比喩は絵画である。
つまり時間を超越している。
もし比喩が永遠であるとするなら、理由はそこにある。

たとえば、その寝台に横たわる薔薇という古くさい比喩。
絵画ならば陰部のような開いた花びらと
皺のないシーツを同時に描くことができる。

ことばは、どちらかを先に言ってしまわなければならない。
鼓膜の闇に落ちていく音楽のように、
消えながら、まだ来ない時間を夢みる。



*



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です。

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