ロンドン留学を終え、しばらく地元のスーパーなどでアルバイトを
しながら就活していた長女が、この4月、福岡市の会社に就職する
ことができた。
就職先は、博多港を代表する地場大手の港運会社。古くから博多港を
拠点に国内・国際物流を手掛けている伝統ある会社だ。
おそらく済州島の観光ホテルの一室で受精卵となって以来、母親
(釜山出身の韓国人)のお腹にいる時から博多港のお世話になり
(日韓高速船などで50回ほど博多港-釜山港を往復)、大学では
イギリス文学を専攻し(TOEIC800点以上)、韓国語(韓検3級)や
中国語(単位取得)、さらにはフランス語(第2外国語)まで勉強した
長女にとっては、まさに打ってつけの職場だ。
あくまでネット情報だが、会社には外部団体に加盟した労働組合も
あり、オープンで公正さを重んじる社風やサービス残業ゼロなどを
ウリにしている点も、親として安心できた。
△長女が働く博多港内の某ふ頭(グーグルマップより)
見る(読む)からに親バカの「ヲタク」は、この週末、さっそく娘が
配属された支店の入るビル付近を車で見学することにした。
△グーグルストリートビューより
グーグルマップでも普通に公開されているふ頭だ。
△グーグルストリートビューより
もちろん、密航や密輸を防ぐため、関係者以外の立入禁止区域が厳重な
フェンスで仕切られているのは、当然のこと。
さて、実際に自家用車の窓越しに見学してみると、グーグルマップの
ストリートビューでは不鮮明だった看板の文字などが読み取れた。
△写真中央付近に長女が働くビルが見える(「ヲタク」撮影)
例によって日英中韓の4か国語表記もあった。
△長女が働くビルも写っている(「ヲタク」撮影)
条件反射的に車を止め、ケータイ(iPhone7plus)のカメラで撮影した。
写真を撮り終え、車に戻ろうとしたその時だった。
「ヲタク」のささやかではあるが大切な自己満足のひと時をぶち壊す
ような出来事が起きた。
自転車に乗った警備員が、何やら大声で怒鳴りながら、「ヲタク」に
近付いて来るではないか。
聞くと「この一帯は撮影禁止だ」と、物凄い剣幕でまくし立ててくる。
不愉快の限界を通り越した「ヲタク」は、一気に口論モードに突入。
撮影場所は、高性能のドライブレコーダーを搭載した自家用車や
タクシー、トラックなども通行しているであろう天下の公道である。
上記のようにストリートビューでも、当たり前に公開されている
風景である。
立入禁止区域に入ったわけでもないのに、一般市民に対し、いきなりの
喧嘩腰の物言いは何なのだ。
「あなたは、中国で、写真を撮ったために日本に帰れなくなっている
人が何人もいるのを知らないのか!」
などと、がなり立てる。
「はあ?ここは共産国か?独裁国家なのか?」
細かいやり取りの記録は省くが、法律や条例でもあるのなら、せめて
目につく場所に「撮影禁止」の看板くらいは立てて置くべきでは
ないのか。
予期せぬ(?)「ヲタク」の逆襲に、警備員は苦々しい表情を浮かべ
ながら、その点に関しては「国交省に伝えておく」と返答した。
なお、最後に、この一連のやりとり(口論)に関し、車に同乗して
いた(長女を含む)家族が、誰一人、「ヲタク」に共感してくれ
なかったばかりか、露骨に迷惑がっていたことを書き添えておく。
いや、正確に書けば、1人が車から降りて来て、「ヲタク」を責め
ながら、車に押し込もうとさえした。
恥を忍んでさらに書けば、ふり払った手が家族の顔に触れたのだが、
家族間の「内紛」を目ざとく察した警備員が、今度は、大きな声で
「暴力はやめなさい!」と来た。
もしかすると、この年配の警備員の前職は、機動隊員だったのかも
しれない。
まさに映画のような実話である。
(終わり)
■깡철이「カンチョリ オカンがくれた明日」2013年 〇〇〇--
(222)
2013年、120万を超える観客を動員した映画(年間28位)。
釜山を舞台にしたソフトなノワール映画だ。
△影島区青鶴1洞
主人公が面倒を見ていた痴ほう症の母親は、結局、病死してしまうが、
母親からの肝移植により九死に一生を得た主人公は、ソウルから来た
女性と結ばれる。
△国際水産物卸売市場(釜山甘川湾)
一方、主人公を利用し在日韓国人ヤクザを始末しようとした
プサンの暴力組織の会長兄弟は、返り討ちに会い、逆に命を落とす。
「ヲタク」的に印象深かったのは、在日ヤクザが、自分を襲った
ヒットマンの主人公を撃ち殺そうとした際、そばにいたヤクザの
老母がそれを止めたシーンだ。
単純な悪役が登場しない、なかなか見ごたえのある映画だった。
(終わり)