福岡発 コリアフリークなBlog

韓国や韓国語に関するオタクの雑学メモ。韓国映画はネタバレあり。 Since 2005/9.14

韓映画と脱北ボクサー

2021年05月10日 |  〇映画・映画音楽
파이터  「ファイター」 〇〇〇〇-
(1419)



2021年に公開されたインディーズ系の青春映画。

主人公は韓国に来て半年の若い脱北女性。偶然、
ボクシングジムでの雑用仕事を始めるが、ジムの
会長にボクシングの素質を見出され、トレーナーにも
励まされながら、プロボクサーになる決心をする。

決して楽な道ではないが、努力すれば支援企業も
付き、お金も稼げる・・・。

何より、彼女に好意を抱くトレーナーの若い男が言う
ように、どんな過去を持つ人間にも、ボクシングは
新しく生き直す意欲を与えてくれる、と信じた。



一方、10数年前に1人脱北し、今はソウルで新しい家族と
暮らす母親と再会した彼女だったが、昔の母娘には決して
戻れない現実に孤独感を深める。

しかし、ある事件を通じ、母親の自分に対する愛情が
消えていないことを知り、母親に対する反発やわだかまりも
熱い涙とともに流れ去って行く。

やがて、彼女がプロのデビュー戦を迎えた日、会場には
母親と韓国生まれの異父妹の姿があった。



映画は試合が始まる直前で終わってしまうが、彼女の
闘いは、もはや孤独な闘いではない。

静かな展開ながらも、心にジーンと来る温かい余韻を
残して終わる、なかなかいい映画だった。


(終わり)