メディアで使われる近現代の言葉に限って言えば、韓国語の漢字語や
漢字使用法の95%以上は日本語と共通している。(中国語の場合は
30%以下?)
これは長年、韓国語を学んできた「ヲタク」の印象だ。(中国語に
ついては中国語検定3級の実力での印象)
だから、日本語の漢字語や漢字使用法と異なる韓国語の漢字語に
出くわしたりすると、ついつい気になってこだわってしまう。
場合によっては、漢字自体は理解できても、その漢字が意味する
ところがよく理解できず、インターネットで調べて確認すること
にもなる。
たとえば、第19代大統領選挙をめぐる韓国メディアの報道で、次の
ようなフォトニュースに出くわした。
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■구룡마을 상황실에 마련된 투표소
九龍マウル、状況室に設置された投票所
(連合ニュース 5月9日)
9일 서울 강남구 구룡마을 상황실에 마련된 개포1동 제5투표소에서
유권자들이 투표를 하고 있다.
9日、ソウル市江南区九龍マウルの状況室に設置された開浦1洞
第5投票所で有権者らが投票している。
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問題は、このニュースに登場した「상황실(状況室)」なる施設。
日本語に直訳しても、漢字を元に狭い意味での理解は可能かもしれ
ないが、「状況室」が具体的にどんな施設なのかまでは伝わらない。
「ヲタク」自身、韓国の「状況室」については何も知らなかった。
そこで、調べてみた。
△九龍マウル「状況室」(Daum地図 2012年5月撮影)
どうやら、韓国語の漢字語で言う「状況室」とは、主に災害地域などに
臨時的に置かれる施設で、現場において正確な状況(情報)を迅速に把握し
的確な支援を実施するための「支援センター」くらいを意味するらしい。
「緊急対応センター」、「危機管理センター」などと訳すことも可能だろう。
△九龍マウル「状況室」(Daum地図 2012年5月撮影)
韓国でも最大規模のスラムである九龍マウルの場合、毎年のように
大小の火災事故が発生しているので、有事に備え、こうした「状況室」
(支援センター)が常設されているのだ。
△「状況室」前から眺めるマウルの様子(Daum地図 2012年5月撮影)
だから、結論的に書けば、上記のニュースなどの場合は、「状況室」を
「支援センター」くらいに訳しておくのが妥当だろう。
(終わり)