福岡発 コリアフリークなBlog

韓国や韓国語に関するオタクの雑学メモ。韓国映画はネタバレあり。 Since 2005/9.14

韓国映画と再開発問題

2018年12月16日 |  〇映画・映画音楽

김광석  「(直)キム・グァンソク」 2017年 〇----
(534)



2017年に公開されたドキュメンタリー映画。


△ファンで賑わう大邱のキム・グァンソク通り(映画より)

伝説的フォーク歌手、キム・グァンソクの自殺(1996年)に疑問を
投げかけ、彼の死に妻や第3者の男が関与したことを強く匂わせる
内容となっている。

この作品だけを見れば、「99%」の確率で、巨額の遺産(著作権)を
ねらった妻が、キムの殺害に関与しているという印象を持ってしまう。
(それほどしっかり著作権が保護されているとは言い難い韓国で、
キムの残す
著作権料が、はたしてそれほど高額なのか、については
大きな疑問が残る。)

しかし、キムの日記(苦悩)の一部や警察の検死報告が公開され、
一人娘の病死の経緯なども明らかになった現在、妻や第3者への
疑いは、ほぼ消えたと言ってよい。

無名時代からキムを支えた女性は、確かに、高潔で品行方正な
女性ではなく、むしろ人格的に様々な問題を抱えた女性だったの
かもしれないが、キムや一人娘を手にかけるような人間では決して
なかった。

少なくとも「ヲタク」は、そう考えている。

공동정범  「(直)共同正犯」 2018年 〇〇〇〇-

(533)



2018年に公開されたドキュメンタリー映画。「二つのドア」(2012年)の
続編にあたる作品だ。


△警察と「用役」(民間実力部隊)が包囲したビル屋上の籠城小屋に猛烈な放水(映画より)

2009年1月、ソウル都心部の大規模再開発の補償内容に反発し、
廃ビル屋上の監視小屋に籠城した撤去民に対し、警察が大々的な強制
排除に乗り出し、住民側5人、警察側1人、合計6人の死者を出す
大惨事が発生した。


△小屋の内部に催涙弾を撃ち込んだ後、クレーンのコンテナから特殊部隊が突入(映画より)

この作品は、その龍山事件の責任を一方的に負わされ、共同正犯の
罪で服役した5人の撤去民らの出所後の生活や活動を記録している。


△撤去民が準備していた大量のシンナーが発火し、小屋は一転、火の海に(映画より)

当時、作戦を指揮したソウル市警の本部長は、何らの責任を問われる
ことなく、逆に、2018年現在、国会議員(慶尚北道、保守系)に
大出世している。

また、当時のソウル市長(保守系)や李明博大統領が、この作戦に
全く関与していないことになっているが、にわかには信じがたい。

なお、皮肉なことに、6人の死者まで出して強引に先を急いだ龍山
地区の再開発だったが、世界金融危機の影響で推進力を失い、一旦、
頓挫してしまう。そして、その後、再び事業が動き出すまでには
かなりの年月を要した。

야경:죽음의 택시 「(直)夜驚 : 死のタクシー」 2017年 -----

(532)



2017年公開のインディーズ映画。海外の複数の映画祭に参加した
作品だ。

連続殺人の容疑者を追いつめながらも失踪したフリーランスの
記者が残した動画記録を紹介する内容。

それ自体は臨場感のあるサスペンスホラーだったが、映画製作者
(日本人女性)に記者の失踪の顛末(動画)を紹介した妹が、最後の
最後で、作品の理解を混乱させる。

「記者の残した動画記録」自体が、「妹」が自分を売り込むために
作った「作品」だった可能性を匂わせるからだ。

いずれにしろ、難解、つまり、観る者に対し非常に不親切な映画で
あった。



(終わり)

 

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韓国映画とホストと幽霊

2018年12月15日 |  〇映画・映画音楽

귀신과 함께 춤을「(直)ダンス・ウィズ・ゴースト」 2018年
(531) 〇〇〇--



2018年11月に公開(有料ダウンロード開始)された、
ちょいエロのロマンティック・ラブコメディ。

性的サービスを専門とする高級ホストの男(プサン出身)と
幽霊の女の恋を描いている。


△2人はある霊能者(ムダン)の媒酌で結婚する(映画より)

ただ、幽霊の女は、いわゆる「処女霊」で、男とセックスを
すれば、あの世に行ってしまうので、2人は、いっしょに
いようとする限り、プラトニックな関係を貫(つらぬ)か
なければならない。

ナンセンスではあるが、ちょっと切なく、けっこう笑える
映画であった。

特に、ホストの主人公が、日ごろはキザっぽい標準語を
話しているくせに、追い詰められた時に、「オレのダチの
ダチの知り合いにはの~、七星派(釜山の有名暴力組織)の
組員がおるったい!」などと、プサン方言で強がる場面は、
「ヲタク」の笑いのツボを強く刺激した。



(終わり)


ハリウッド風の韓国映画

2018年12月14日 |  〇映画・映画音楽

성난 황소  「(直)怒れる赤牛」 〇〇〇--
(530)



2018年11月公開のアクション映画(現在上映中)。現時点で観客
動員数が150万を突破しているヒット作だ。

人身売買を行う犯罪組織に妻を拉致された水産業者の男が、封印して
いた暴力性を全開し、組織を壊滅させるとともに妻を救出する、
勧善懲悪型の映画だ。


△主役を演じたのは韓国系米国人のマ・ドンソク(映画より)

物語の展開に深みはないが、まるでハリウッド映画を思わせる
ような痛快なアクション劇が繰り広げられる。

単純に楽しい映画だった。



(終わり)

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仁川の旧日本人租界

2018年12月13日 |   〇街・田園景観

現在の仁川市中区、仁川駅前の中華街に隣接して、旧日本人租界が
存在していたことを、最近、初めて知った。


△仁川中華街の南東部(コネスト韓国地図より)

考えてみれば当然のことながら、1910年の日韓併合以前から、
日本と朝鮮の
関係はあったわけだから、併合以前の日朝関係
関連の史跡が仁川港に残っていても全く不思議なではない。


△清日租界地境界階段。左が旧清国人租界、右が旧日本人租界(ネイバー地図2017年11月撮影)

とは言え、「仁川港レトロ」地区の歴史は、そのまま朝鮮民族の
屈辱の歴史、つまり、日本の侵略の歴史と重なっている。


△清日租界地境界階段(ネイバー地図より)

日本人が単なる懐古趣味で訪れることは厳に慎むべき性質の
街なのだろうが、歴史の現場に立ち、歴史に思いを馳せることは
大事なことである。

いつの日にか、ぜひ、訪れてみたい街である。


(終わり)



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韓国映画と療養施設

2018年12月13日 |  〇映画・映画音楽

행복   「(直)幸福」 2007年  〇〇---
(529)



2007年、120万(公式統計)を超える観客を動員したメロドラマ。

肝硬変を患う男と肺病を患う女が、民間の療養施設で出会い、恋に
落ちる。

お互い、どちらかが死ぬまでいっしょにいようと誓い合いながら、
病状が回復に向かった男は、その存在の大切さに気付かないまま、
女を捨てる。

そして、男が自分の過ちを悔い、再び、女を訪ねた時、女は病床で
死を迎える直前だった。

失ったものの大きさを、後になって思い知らされる男の、何とも
やるせない悲恋の物語であった。

ところで、この映画で「ヲタク」が気になったのは、2人が出会った
民間の療養施設。


△療養施設の菜園で作業する主人公ら(映画より)

豊かな自然に囲まれた中、酒、たばこを絶ち、食餌療法を中心に
健康の回復をめざす施設。

病(死)に至るとわかっている生活習慣を、なかなか改善できないで
いる中高年「ヲタク」としては、大きな魅力を感じた。

そういう施設が実際にあるのなら、まずは1~2週間くらい、体験
入所でもしたいくらいである。


(終わり)

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仁川中華街の「韓中門」

2018年12月13日 |   〇街・田園景観


△仁川中華街のメインストリート(ネイバー地図2017年11月撮影、以下全て同じ)

陰気な趣味ではあるが、最近、ネット地図のストリートビューで
仁川の中華街を観察していて、新しいことに気が付いた。


△仁川駅(ネイバー地図より)

それは、仁川駅前の大通りの北側に、新たに大型の中華門(牌楼)が
登場したことだ。


△コネスト韓国地図より

新しく登場した中華門は、上記地図で⑤の位置にある。


△2016年2月撮影のネイバー地図より

ストリートビューの過去画像(上の画像)で確認すると、少なくとも
2016年2月には完成していたことがわかる。


△上記地図中の⑤(ネイバー地図より)

門の扁額には「韓中門」とある。


△上記地図中①「中華街」門(ネイバー地図より)

仁川中華街のメインストリート入口(仁川駅前)にある「中華街」門にも
ひけを取らない豪華さだ。どうやら、「中華街」門がリニューアル
された同じ時期に、「韓中門」が新たに建設されたようだ。

この2つの中華門を見ただけでも、仁川中華街の勢いが感じ取れる。


△東側山手の門、上記地図中②(ネイバー地図より)

ここでは、ついでに、仁川中華街に立つ、その他3つの門についても
記録しておく。


△南側の門、上記地図中③(ネイバー地図より)

仁川の中華街と言えば、釜山の中華街同様、清国の租界時代からの
歴史を持つ中華街だ。


△北側の門、上記地図中④(ネイバー地図より)

機会をつくり、ぜひ、一度は訪れてみたい街である。


(終わり)

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韓映画と工作員の包摂

2018年12月12日 |  〇映画・映画音楽

출국  「(直)出国」 2018年  〇〇〇--
(528)



2018年11月に公開された実録風の異色スパイ映画(現在上映中)。

国際情勢や国家の都合に翻弄される個人、そして家族の悲劇を描いた
秀作だ。

舞台は1970年代から80年代にかけての西ベルリン。


△映画の舞台は冷戦時代の西ベルリン(映画より)

留学先の西ドイツで韓国の民主化運動にかかわり、韓国に帰れなく
なってしまった(入国拒否)一人の若手経済学者が、母国に絶望し、
西ドイツに亡命する。

その後、「北朝鮮で彼の論文が高い評価を受け、大学や国家経済
研究所での高い地位が保障される」という誘いかけが決定打となり、
彼は北朝鮮の工作員に包摂され、家族と共に北に入国する。

しかし、実際に北の当局が彼に与えた任務は、西ドイツで韓国人を
包摂する工作(スパイ)活動。

騙されたことに気付いた彼は、工作員をやめようとするが、家族を
北から連れ出すことには失敗し、結局、家族は離れ離れになって
しまう。

2018年現在、彼は韓国に、そして彼と同じく韓国出身の妻と娘2人は
北朝鮮で暮らしている。

大幅な脚色が加えられている映画だが、実話を元に作られた映画だけ
あって、緊迫感のある物語の展開に、すっかり引き込まれてしまった。




(終わり)


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韓国映画と済州島方言

2018年12月11日 |  〇映画・映画音楽

인어전설  「(直)人魚伝説」 2018年 〇〇---
(528)



2018年11月、制作から2年ぶりに一般公開されたコミックタッチの
インディーズ映画(現在、上映中)。

済州島の美しい自然を背景に、シンクロナイズドスイミングに挑戦
する海女さんと元国家代表選手だった指導者の女性の、心温まる
交流を描いた人間ドラマだ。


△「감수광」をBGMにシンクロを披露する海女たち(映画より)

家族と別居し、アルコール依存症を患っていた指導者は、海女さん
たちとの交流を通じ、依存症を克服するばかりか、結局、海女に
なってしまう。

そして、別居していた夫と娘も済州島に移住し、再び、家族の絆を
回復するという展開だ。

また、この映画では、監督を始め、主要な登場人物が済州島出身者や
島民ということもあり、より実際に近い済州島方言が使われていた。

そのため、済州島方言に疎い「ヲタク」などは、大意はつかめても、
正確に聞き取れない会話が多かった分、若干のストレスを感じさせ
られた。

逆に、済州島方言に興味や愛着のある韓国語学習者には、またとない
映画だろう。

ある関連記事によれば、韓国映画史上、この映画ほど済州島方言が
多用された映画は、過去に例がない、とのこと。



(終わり)



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日本AVが韓流を駆逐か?

2018年12月11日 |   〇メディア・IT
韓国映画の視聴で、ここ1年間ほど「ヲタク」がお世話になってきた
中国語系の動画共有サイトが、なぜか、エロ動画専門(日本のAV
主体)のサイトになってしまった。

画像削除
△中国系某動画共有サイトで韓流映画を駆逐した日本のAV?

そこで、最近、「ヲタク」が利用しているのは、もっぱら韓国系の
動画共有サイトだ。


△韓国系の某動画共有サイ

最新作の映画でも、公開から1か月ほど経てば、大概、見れる。

「ヲタク」の妻の実家がある釜山の草梁洞はもちろん、韓国全土の
街角から、レンタルDVD店が姿を消してしまった背景に、この種の
サイトの林立があることは、ほぼ間違いない。


(終わり)

韓国映画と脱北女性

2018年12月10日 |  ┗注目女優

뷰티풀데이즈  「(直)ビューティフル・デイズ」 2018年 〇〇〇〇-
(527)



2018年、釜山国際映画祭のオープニング作品として上映された
インディーズ映画(現在、上映中)。

女優イ・ナヨンがノーギャラで主人公を演じたことも注目を集めた。

北朝鮮で身寄りを失った10代の少女が中国に脱北し、朝鮮族の
農家に嫁ぐ。そこで、誠実な夫に愛されながら、小さな幸せを手に
入れるかに見えた。

しかし、朝鮮族の悪徳ブローカーは、農家が払った紹介料
とは別に、
ありもしない彼女の前借金を口実に、彼女にまとわりつき、食い物に
しようとする。

ブローカーは、幼い子どもをネタに彼女を脅迫し、彼女は子どもを
守るため男についていく。


△子どもを売って借金を返せと迫るブローカーに抵抗する主人公(映画より)

彼女を連れ戻しに行った夫は、ブローカーを襲い、ブローカーは
意識を失う。意識を回復しかけたブローカーを、思わず手にかけて
しまった彼女は、夫と息子を中国に残したまま、逃げるように
韓国に渡った。

そして、韓国の夜の街で働きながら、中国の家族に仕送りを続ける。

彼女の渡韓から14年後、病魔に犯された夫は、大学生になった一人
息子(夫との血のつながりはない)を彼女の元に送り、最初で最後と
なる中国への里帰りを要請する。

中国への里帰りから数年。
彼女は韓国で出会った誠実な男(慶尚道
方言を話す)と新しい家庭を持ち、中国の息子とも連絡を取り合い
ながら、やっと、穏やかな日常を手に入れる。


△彼女が20数年かけ、やっと手に入れた平凡で穏やかな日常(映画より)

映画は、中国の貿易会社で働く息子が、夫と下の息子と3人で暮らす
母親を韓国に訪ね、いっしょに食卓を囲むシーンで終わる。

なお、息子は、当初、母親の過去を全く知らず、母親に対して
怨みに近い感情しか持っていなかったが、母親の歩んできた過酷な
過去や自分への愛情を知り、心から母親を受け入れた。

見る者の心に深い余韻を残す、なかなか見ごたえのある映画で
あった。



(終わり)


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韓国映画と恋とラテン語

2018年12月09日 |  ┗注目女優

■신부수업  「恋する神父」 2004年   〇〇〇--
(526)



2004年、120万(公式統計)を超える観客を動員したラブコメディ。


△映画のロケ地は大邱近郊の佳室聖堂(映画より)

人気俳優のクォン・サンウとハ・ジウォンが共演した。


△神学生と教会神父の姪が主人公(映画より)

田舎のカトリック教会を舞台に、1か月後に神父になる予定の
神学生の男と、アメリカで結婚する予定の女が出会い、お互いに
引かれ合う。


△アメリカから叔父(神父)の元を訪れた姪を演じたハ・ジウォン

そして、実るはずのなかった恋が、最後に成就するという物語。


△男は神父になることをやめ、姪はアメリカに帰ることをやめた(映画より)

この映画では、二人の秘められた思いを結び付けるキーワードとして、
ラテン語のDeo gratias(神のおかげで)が登場していた。

映画の設定と言い、このキーワードと言い、カトリック教徒の多い
人口の約11%)韓国ならではの映画と言えるだろう。

■미스터 소크라테스 
Mr.ソクラテス2005年  〇〇---

(525)



2005年、120万(公式統計)を超える観客を動員した映画。

1人の不良青年が、ある犯罪組織から特別な猛勉強を強制され、高卒
認定試験に合格し、さらに警察官の採用試験にも合格する。

しかし、刑事になった青年は、組織のために働くことをやめ、逆に
組織に戦いを挑み、最後に勝利する。

なお、主人公のモットーである「악법도 법이다/悪法も法なり」
(ソクラテス)は、この映画では、「法律違反を犯してでも正義を
実践する」くらいの意味(主人公的解釈)で使われていた。

正直、「ヲタク」の頭を混乱させた主人公のモットーであった。



(終わり)


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韓国映画と大学歌謡祭

2018年12月07日 |  〇映画・映画音楽

■즐거운 인생 楽しき人生」 2007年  〇〇〇--
(524)



2007年、120万を超える観客を動員した映画。

学生時代、大学歌謡祭出場をめざし熱心にバンド活動をしたものの、
3回とも予選で脱落し、その後、バンドを休眠させ、社会に出た
4人の男たち。

その内、唯一、大学卒業後も音楽活動を続け、クラブ歌手などを
しながら生計を立てていた一人の中年男が、酔っぱらったあげく
階段から転落して死んでしまう。


△復活したバンド「活火山」(映画より)

その男の葬儀に集まった3人の元バンドメンバーと、男の息子の
4人が、20年ぶりにバンド「活火山」を復活させることになった。


△仁川の海沿いの倉庫でライブ「貝焼き」店をオープンさせたバンド(映画より)

失職や離婚、非正規雇用など、それぞれに困難な現実を生きる
男たちによるバンドの再結成は、徐々に人生の再起という、もっと
大きな意味を帯びて行く。

主人公たちを応援しているつもりが、いつの間にか、彼らが見せる
友情やがんばりに、見る者も励まされるような映画であった。




(終わり)



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韓国映画と女子高

2018年12月06日 |  〇映画・映画音楽

■죄 많은 소녀  「(直)罪多き少女」 〇〇〇--
(523)



2018年公開のインディーズ映画(現在上映中)。今年のプサン国際
映画祭を始め、海外の複数の国際映画祭で上映され、高い評価を
受けた作品だ。

ある女子高を舞台に、1人の少女の自死をきっかけに、その原因や
責任をめぐり、周囲の友人や家族、教員に悪意の連鎖が起き、波紋の
ように悲劇が拡大していく様を、緻密な心理描写で描いている。


△友人を自死に追い込んだと疑われ、自らも自殺未遂した主人公(映画より)

女子生徒間のいじめや同性愛的感情のもつれなども描きこまれて
おり、非常に緊張感のある心理劇になっていた。

希望が見出しにくい陰惨な内容の映画ではあったが、物語の展開には
すっかり引き込まれてしまった。


△動揺せず受験勉強に集中するよう説教する数学教師(映画より)

また、映画の本筋と関係のない部分では、非常に短いシーンでは
あったが、中国語の授業(音読)が印象に残った。


△担任が痴漢行為(でっち上げ)で逮捕された時の授業は中国語(映画より)

主人公らは、第2外国語では中国語を選択していたようだ。




(終わり)





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韓国映画と女子アナと僕

2018年12月05日 |  〇映画・映画音楽

■이장과 군수  「里長と郡守」 2007年    〇〇◎◎◎
(522)



2007年、120万(公式統計)を超える観客を動員したコメディ。

忠清南道のある山村を舞台に、放射性廃棄物処理場の誘致をめぐり、
幼なじみの「郡守」(日本の町長に近い)と「里長」(同:隣組長)が
繰り広げるドタバタ友情劇。

当初、推進派の郡守と対立していた反対派の里長が、反対派の
汚いやり方に嫌気がさし、途中から郡守側に付くが、結局は、
住民投票で反対派が勝利する、というわけのわからない展開。

映画自体にそれほど面白みは感じなかったが、劇中で流れた
テレビニュースに、昔、「ヲタク」が大好きだった女性アナが
登場した時には、まるで電気に打たれたような驚きを感じた。


△劇中、YTNの選挙報道に登場した鄭愛淑アナ(映画より)

しかも、3度も登場した。


△劇中、放射性廃棄物処理場誘致に反対するデモを伝える鄭アナ(映画より)

彼女の名前は鄭愛淑(チョン・エスク)


△劇中、処理場誘致をめぐる住民投票について報じる鄭アナ(映画より)

その昔、「ヲタク」が福岡の自宅で韓国の衛星放送(スカイライフ)を
見ていた時代、「ヲタク」は、YTNの看板アナだった彼女の大ファン
だった。

長年、韓国に粘着していると、いろいろなことが起きるものである。

「ヲタク」にとっては、非常に感慨深い再会であった。
(評価◎◎◎が追加された理由)




(終わり)


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韓映画と少年非行の闇

2018年12月04日 |  〇映画・映画音楽

박화영  「(直)パク・ファヨン」 2017年 〇〇〇--
(521)



2018年に公開された社会派のインディーズ映画。青少年の非行問題を
テーマに描いた作品だが、成人(19歳以上)指定された問題作である。

主人公は、一人親の母親から、アパートと不定期に振り込まれる
生活費だけを与えられ、一人暮らしする女子高生の「パク・ファヨン」。
ただし、高校は不登校中。

彼女のアパートには、同世代の非行少年や家出少女らが入りびたり、
いわゆる非行の巣窟と化している。



彼らはすでに、少女を使った美人局(つつもたせ)で客から金銭を
奪ったり、少女の使用済みパンティーをネット上で販売したりと、
犯罪にも手を染めている。

切ないのは、母親から育児放棄された主人公が、アパートに出入り
する少年少女らに、自分のことを「オンマ(お母さん)」と呼ばせて
いることだった。

それはまるで、母親の愛情が欠乏しているがゆえにできた心の空洞を、
自らが母親を演じ、他人に厚意を施すことで、埋めようとでもして
いるかのようだった。

そんな彼女の口癖が、「니들은 나 없으면 어쩔 뻔 봤나?

(お前たちは、私がいなかったら、どうなってたと思うの?)。

しかし、そんな主人公が、ついには、「子ども」である少年少女の
犯した殺人の罪まで一人で被ってしまうことになる・・・。

数年後、彼女は、同じアパートで別の少年少女たちを相手に、以前と
同じように「オンマ」の役を演じ続けていた。

この映画では、主人公の母親の無責任な姿のみならず、少女の性を
お金で買う父親世代の大人たちの醜悪な姿も描かれている。

青少年の非行は、大人社会の産物でもあるのだ。



(終わり)



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