まるでサスペンス映画やノワール映画を想起させるような大袈裟な
BGM。
会話はほぼゼロで、セリフと言えば、登場人物である女性と男性に
よる私小説風の独白があるのみ。
全編のほぼ9割は、濃厚ながらも単調なベッドシーン。
△先生の「불기둥(火柱)」が女性の中に<映画より>
それもそのはず、この映画は、成人指定された韓国式ロマンポルノ。
「일본식 아내 길들이기(日本式、妻の飼いならし方)」なる題名に
興味を引かれ、ついつい見てしまったのだ。
しかし、物語の展開が支離滅裂な上、日本との関連性も全くなかった。
とんでもない肩透かしである。
△まさか、場所を選ばないのが日本式?<映画より>
一体、何が「日本式」だと言うのか?もしかして、主人公女性に
女性の喜びを教えた中高年の「先生」が、日本人男性という設定
だったのか?
もし、そうだとしても、「先生」は不倫相手のはずである。
いずれにしろ、実に不可解で期待外れのコリアンエロスだった。
正直、ブログに記録するつもりはなかったのだが、結局、こうして
公開することになった。
これも、「ヲタク」特有の好奇心と実直さのなせるわざである。
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■일본식 아내 길들이기 「日本式 妻の飼いならし方」
2018年 ----- (767)
(終わり)
■5백만불의 사나이「500万ドルの男」 2012年 〇〇---
(766)
2012年に公開された犯罪コメディ映画。
ある財閥グループで政界工作を担当していた主人公の男が、
口封じのため命を狙われるハメとなる。
運よく身の危険を察知した彼は、手持ちの政界工作資金、500万
ドルを持ち逃げし、プサンへと向かう。
△サジク球場は、ロッテ・ジャイアンツの本拠地(映画より)
そして、サジク球場に財閥の常務と政治家をおびき出し、彼ら
との会話を、電波ジャックした野球放送に乗せ生中継し、不正を
暴露する。
そこそこ見ごたえのある映画だった。
特に、プサンのサジク球場は、この夏、実際に見学したばかりで
記憶も鮮明に残っていた分、ゾクゾクするような臨場感を感じた。
(終わり)
■무법자 「無法者」 2010年 〇〇---
(765)
2010年に公開された復讐サスペンス。
主人公は、麻薬常習者の韓国系アメリカ人ら2人に妻と娘を
殺された刑事。
△高層ビル屋上の塀の上から街を眺める主人公(映画より)
彼は、証拠不十分で無罪となった2人と、2人を無罪にした裁判官や
検察官、弁護士、大使館関係者らに復讐を遂げ、姿を消す。
非常に手の込んだ頭脳的な復讐劇だった。
ところで、この映画で、強く「ヲタク」の印象に残ったのは、主人公が
高層ビル屋上の塀の上から妻子の遺灰をまくシーン。
△妻子の遺灰をまく主人公(映画より)
高所恐怖症の気のある「ヲタク」にとっては、ちょっとした緊張を
強いられたシーンであった。
(終わり)
■나랏말싸미 「くにのことば・王の文字」 2019年 〇〇〇〇-
(764)
2019年に公開され、90万を超える観客を動員した異色の時代劇。
ハングル創製にまつわる秘められた歴史を、民族主義を排した、
より広がりのある観点から描いた空想科学時代劇だ。
△諺文(ハングル)を創出することになる僧侶たち(映画より)
この映画では、世宗王の命を受け、真にハングル創製を担った
知識人集団を、歴史に名を残した儒学者たちではなく、当時、迫害
されていた僧侶たちだったとしている。
△ハングル創製の際、参考にされたパスパ文字(映画より)
彼らは、釈迦の教えを深く学び取る過程で、漢字のみならず、表音
文字であるサンスクリット文字やチベット文字、パスパ文字を
習得していた。
世宗は、表音文字に関する彼らの該博な知識に着目し、朝鮮語の
音を表すに適した、より単純な表音文字を創出させる。
△パスパ文字などを参考に創出された画期的な新文字(映画より)
現在、韓国社会で一般に信じられている民族主義的な定説、つまり
朝鮮民族による純粋発明品としてのハングル創造の歴史とは、全く
異なる観点から描かれた、冒険的で刺激的な映画であった。
この映画は決して史実を描いた映画ではないが、ハングル創製の
歴史やハングルの原理に関心のある人には、頭の体操にもなる、
お勧めの娯楽作品と言えよう。
(終わり)
■대가리 「番長」 2019年 〇----
(763)
2019年に公開された勧善懲悪型の学園暴力物。例によって成人指定
されているので、学園物でありながら、表向き、高校生以下は見ては
いけないことになっている。
△悪役高校生の必殺技は腕ひしぎ十字固め(映画より)
この種の映画が継続して作られているところを見ると、若者を中心に
それなりの需要があるのだろう。
△主人公高校生は、相手の脳天に肘落としをくらわせ勝利する(映画より)
「ヲタク」の趣向には全く合わない映画だったが、物語の展開には
そこそこ引き込まれた。
(終わり)
遅ればせながら、目下、韓国で「소확행(小確幸)」なる奇妙な
言葉が大流行していることを、つい最近知った。
(YouTube上に釜山市が提供しているプサン方言によるプサン関連
ニュースを見ていて出会った、というのが真相。)
調べてみると、この言葉は日本の小説家、村上春樹が作った造語で、
「小さいけど確かな幸福」の略語だった(日本語俗語辞書)。
ネイバーニュースで検索すると、この言葉の韓国での流行ぶりが
確認できる。
△ネイバーニュースで「小確幸」を検索
検索にかかった記事数(使用例)は、直近の1か月間だけで実に
1,400件を超えている。
さらに驚いたことには、「小確幸」から派生した「대확행(大確幸)」
なる造語まで誕生していた。
韓国で日本の現代小説が大きな人気を集めていることは、つとに
知っていた事実だ。
しかし、日本の現代小説が、現代韓国人の精神世界、あるいは
韓国語や韓国社会全般にまで、これほど深くて広い影響を与えて
いるとは知らなかった。
それにしても、考えてみれば、韓国語や日韓関係にまつわる
分野で、こうして小さな発見をしては一人、悦に入る「ヲタク」の
自己満足もまた、りっぱな「小確幸」と言えるに違いない。
(終わり)
■깡패들 「アウトローたち」 2019年 〇〇〇--
(762)
2019年に公開されたインディーズ系のノワール映画。
△1人のアウトローが女性に命がけの恋をする(映画より)
暴力組織に身を置く男が、一人の女性と出会い、彼女を本気で愛して
しまったことが原因となり、組織を敵に回してしまう。
女性は男の純情を知りながらも、最後に男を裏切り、男を組織に売る。
そして、まとまったお金を手にした女性は、新しい人生を生きるため、
一人、ソウルへと向かう。
男に凄惨なリンチを加え、再起不能にした組織ナンバー2の男は、
彼女について「인지상정(人之常情)」、つまり人情のかけらも
ない非情な女だと言って、あきれた。
見ごたえはあったが、何とも虚無的な結末の映画であった。
■공범자들 「共犯者たち」 2017年 〇〇〇〇-
(761)
2017年に公開されたドキュメンタリー映画。
KBSやMBCなどの大手テレビ局を政治権力に従順な組織に作り
替えるため、警察権力まで動員しながら、アメとムチを使った
強引な人事介入を推し進めて行った李政権。
この作品は、そうした李政権のメディア支配に抗(あらが)い
続けた、現場の記者やアナウンサーたちの闘いの記録だ。
「犠牲者が出たのはしかたがない。それよりも重要なことは、
私たちが沈黙していなかった、という事実だ」(会社から解雇
された1人の元アナウンサーの弁)。
(終わり)
こんなことまでブログネタにするのか?
正直、少しためらわないでもなかったが、かすかにではあれ、
韓国(語)が絡んでいるネタなので、結局、記録することにした。
最近、「ヲタク」は、ちょいエロのコメディドラマ「癒されたい男」に
ハマってしまい、全編(全12話)をネットで視聴してしまった。
その際、韓国の日本ドラマファンに大いにお世話になった。
おそらくは違法にアップロードされた動画なので、ここで具体的な
サイト名や視聴方法まで紹介することは差し控えるが、韓国の
日本ドラマファンの尽力(?)には、実に癒される。
「ブラボー!」韓国の日本ドラマ・オタクたち。
(終わり)
■기방도령 「妓生楼の若旦那」 2019年 〇---
(760)
2019年に公開された時代劇コメディ。
廃業の危機に陥った妓生楼の一人息子の奮闘と悲恋の物語。
彼は、家業を助けるため、朝鮮で初の男妓生となり、上流階級の
婦女子を相手に、今で言う「ホストクラブ」を開業する。
時代を先取りしたような彼の挑戦は、一旦は、大成功を収める
ものの、結局、長続きするはずもなく、最後は故郷を追われる身と
なってしまう。
そして、彼は、愛する女性の幸せを考え、彼女からは身を引き、
1人さびしく放浪の旅に出る。
「ヲタク」の趣向には合わない映画であった。
■한낮의 피크닉 「真昼のピクニック」 2019年 〇〇---
(759)
2019年に公開されたインディーズ映画。3本の短編作品からなる
オムニバス作品だ。
△4人家族が訪れたキャンプ場(映画より)
キャンプに出かけた4人家族、鬱陵島を訪れた3人の青年、1人暮らしの
30代の独身女性が、それぞれの作品の主人公。
△鬱陵島を旅行した3人組の青年(映画より)
特に大きな事件や事故が起きるわけでもなく、主人公らの至極
ありふれた日常が描かれている。
△一人暮らしの女性が自分とオーバーラップさせた犬(映画より)
主人公らは、新しい世界、新しい自分、あるいは明日への希望に
通じる小さなドアを、それぞれのささやかな日常の暮らしの中から
見出していくことになる。
(終わり)
「ヲタク」の妻(プサン出身)と3人の子どもたちにとって、韓国の
インスタント・チャジャン麺(韓国式ジャージャー麺)は、一種の
ソウルフードである。
中でも、お気に入りはノンシムの「チャパゲッティ」。
△見た目はインスタントの焼きそばに似ている
最近では、「ヲタク」もたまに食べている。
(終わり)
先日、末っ子を連れ、福岡市の香椎に住む長女のアパートを訪れた折、
3人で焼肉を食べた。
長崎に本社を置く本格焼肉のチェーン店だ。
お肉は柔らかくて、実に美味。
期待通りの夕食となった。
ところで「ヲタク」は、その店で、初めてチョレギサラダなる韓国風
サラダを賞味した。
一皿560円と言う値段には、全く納得がいかなかったが、ブログの
ネタ用にあえて注文してみた。
甘酸っぱい風味のドレッシングをかけたサラダで、正確に言えば、
日本式の韓国風サラダということになるだろう。
「ヲタク」がプサンの焼肉店で食べている本場の「パジョレギ」
(ネギの甘酢和え)とは、ずいぶん異なっているが、味自体は、
なかなかの美味だった。
(終わり)
■진범 「真犯人」 2019年 〇〇〇--
(758)
2019年に公開されたサスペンス映画。
自分の妻を殺害された主人公の夫が、困難の末、事件の真相を
解き明かす。しかし、結局、追い詰められた真犯人の捨て身の
ワナにハメられ、妻殺しの濡れ衣を着せられ逮捕されてしまう。
△逮捕され、沈黙したままの主人公
強い衝撃と深い絶望に襲われた主人公は、心と口を閉ざす。
そして、主人公が沈黙したまま映画は終わる。
見ごたえのある映画ではあったが、これほどの不条理を描いた
映画も珍しい。
(終わり)
最近、中断していた韓国映画の鑑賞を、そろそろ再開しようと
考えている。
言うまでもなく、「ヲタク」にとって韓国映画とは、又とない
韓国語のリスニング教材であり、かつ、韓国社会を理解する
教材でもある。
できれば、いい映画に出会いたいとは思っているが、特にえり好みは
しないつもりだ。
これまで通り、観客動員数の多い映画、新作、ドキュメンタリー
映画などを手当たり次第に(?)見て行こうと考えている。
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■난폭한 기록 「乱暴な記録」 2019年 〇〇〇--
(757)
2019年公開のノワール風アクション映画。
麻薬組織と内通した同僚刑事の裏切りにより、後輩刑事の命と職を
失うことになった元刑事が、組織と裏切り者に復讐する物語。
なかなか見ごたえのあるアクション映画だった。
■발광하는 현대사 「発狂する現代史」 2019年 〇----
(756)
2019年に公開された、かなりエロい恋愛映画。
美術大学の教授を目指す主人公の男は、先輩教授が性的なおもちゃに
していた助手の女性を紹介され、結婚する。しかし、プレイボーイの
男には、肉体関係を持っている女性が他に3人もいた。
結局、不倫相手の1人である先輩教授の妻との関係がこじれ、2人の
関係を知り激怒した先輩教授から主人公は殴り殺されてしまう。
何とも虚無的な内容の映画であった。
(終わり)
2019年夏のプサン訪問にまつわる報告も、ついに今回で最後。
写真は、甘川文化マウルの148階段で撮影した1枚。階段の中腹に
設けられた休憩スペースから撮ったものだ。
住宅の壁や屋根に塗られたきれいなパステルカラーは癒し系。
こうした写真を見ていると、また、文化マウルの階段を上って
みたくなる。
(終わり)
△写真正面は南浦洞方面
2019年夏のプサン訪問では、渡航初日の午後6時前に釜山港に
着いた。
上記写真は、「ヲタク」の乗ったフェリーの横を並走するパイロット
(水先人)船。
(終わり)