■지금 이 순간 「今、この瞬間」 2019年 〇〇〇--
(924)
2019年に公開されたインディーズ系のドラマ。
主人公は、無実の罪で投獄され、15年ぶりに刑期を
終え出所した男。
その男が、末期がんをわずらい、余命いくばくも
ない女性と出会う。
何のあてもなかった男は、女性に誘われるまま、2人で
江原道の海まで徒歩の旅に出る。
女性は、子どもの頃、家族で出かけた海を、生きて
いる間に、もう一度だけ訪れて見たかったのだ。
結局、女性は海を目にすることなく、カトリックの
教会で倒れてしまう。
△カトリック教会で意識を失った女性(映画より)
「生きていることは自由。その自由の中で美しい
ことにも出会える。生きてさえいれば、きっと
希望も見つかる。」
残酷な病魔に命を奪われようとしていた女性が、
社会の不条理に人生の希望を奪われた男に対し、
最後の思いを伝える。
映画は、男が1人、砂浜に立ち、しっかりと顔を
上げ、東海(日本海)を見つめるシーンで終わる。
設定も展開もかなり強引な物語ではあったが、
映画には、そこそこ引き込まれた。
なお、この映画で、もっとも強く「ヲタク」の印象に
残ったのが、主人公の男がチャジャン麺(韓国式
ジャージャー麺)を食べるシーンだった。
△街の中華料理店でチャジャン麺をズルズル食べる男(映画より)
映画の冒頭、男が15年ぶりに刑務所を出所した後、
最初に取った食事がチャジャン麺だった。
これまでも、韓国映画に登場するチャジャン麺を
頻繁に目にはしてきたが、この映画のチャジャン麺は、
また特別だった。
韓国社会とチャジャン麺の深くて強い関係が、映画に
反映している、と見るほかない。
韓国人にとってのチャジャン麺とは、日本人にとっての
「ラーメン」と「カレーライス」、それに「かつ丼」などを
合わせたよりも、さらに大きな存在感を持つ食べ物
なのかもしれない。
たかがチャジャン麺、されどチャジャン麺である。
■그림자 먹는 개 「影を食らう犬」 2018年 -----
(923)
2018年に公開されたインディーズ系の映画。
北京を拠点に活動している韓国人の空間芸術家が、
7年ぶりに済州島で展示会を開くことになった。
そして、済州島を舞台に、芸術家と美術商、村長らを
中心に物語が展開されていく。
物語の筋が理解しにくい、難解な映画だった。
(終わり)
■여중생A 「女子中学生A」 2018年 〇〇〇--
(922)
2018年に公開された思春期ドラマ。原作は人気ウェブ漫画。
父親からの虐待や学校でのいじめなど、困難な生活の中で、
死ぬことばかりを考えていた1人の女子中学生が、ネットの
ゲームサイトでアルバイト青年と出会い、同じチームを組む
ことになった。
2人は、現実世界でも交流するようになり、お互いに
支え合いながら、困難な現実を生き抜く勇気と未来への
希望を手にしていく、という物語。
少女は高校に進学し、青年は父親のいるアラスカに
渡り、アメリカでの大学進学を目指し、一歩を踏み出す。
なかなか見ごたえのある青春ドラマだった。
■투가이즈 「トゥー・ガイズ」 2004年 〇〇〇--
(921)
2004年に公開されたナンセンスコメディ。
闇金の取り立て屋の男と、彼から追われていた多重債務者の
男が、ひょんなことで半導体の先端技術をめぐる産業スパイ
事件に巻き込まれ、「三合会」(香港マフィア)から命を
狙われるハメに。
協力しあうことになった2人は、三合会と韓国の情報機関を
敵に回し、命がけのドタバタ劇を繰り広げる。
△悪役であるホンコン「三合会」の面々(映画より)
そして、先端技術の国外流出を阻止するとともに、
三合会からは大金をせしめることに成功。都合の良い
ハッピーエンドで終わる。
物語の展開には、そこそこ引き込まれてしまった。
■나와 봄날의 약속 「私と春の日との約束」 〇----
(920)
2018年に公開されたインディーズ系のミステリー。
売れないシナリオライター、学校でいじめにあって
いる孤独な女子高生、中高年の孤独な独身大学教授、
そして女性運動の経験を持つ孤独な専業主婦。
それぞれに心に満たされないものを抱えた4人の元に、
彼らの人生やがんばりを肯定し、誕生日を祝って
くれる謎の人物たちが訪れる、という物語。
「ヲタク」の趣向には合わない、わかりにくい
映画だった。
■튼튼이의 모험 「敗者の冒険(英題)」 2018年 〇----
(919)
2018年に公開されたスポーツコメディ。
廃部直前の高校レスリング部を舞台に、3人の
男子生徒が部を再建し、全国大会出場を目指す。
結果的に、予選で敗退してしまうが、3人は全国大会
出場にも引けを取らない、大事な宝物を手にする。
(終わり)
■헤로니모 「ヘロニモ・リム」 2019年 〇〇〇〇-
(918)
2019年公開のドキュメンタリー。
韓国系アメリカ人の若い弁護士がキューバを訪れ、
キューバ革命の闘士でチェ・ゲバラの同僚でもあった
韓国系(朝鮮系)キューバ人、ヘロニモ・リムの
人生と足跡をたどる。
そして、現地社会・国家への同化と韓国系移民と
してのアイデンティティーの問題について考えを
めぐらす。
△カストロとは大学同期、革命政府の次官補も務めたヘロニモ・リム
なかなか見ごたえのある作品だった。
■대통령의 7시간 「大統領の7時間」 2019年 〇〇〇〇〇
(917)
2019年公開のドキュメンタリー。
パク・クネ元大統領と霊能者親子、崔太敏・順実の
特殊な癒着関係について早くから注目し、その
問題性を指摘し続けてきたジャーナリストの手に
よる作品。
ジャーナリストは、保守政権の圧力により放送局を
解雇された過去を持つ人物だ。
彼の、粘り強い取材や調査が、皮肉なことに、
セウォル号惨事をきっかけに日の目を見、パク政権
(大統領と崔順実)を追い詰めて行った展開には、
あらためて心を動かされた。
まさに、事実は小説(この場合は映画)より奇なり、
と言ったところか。
■졸업 「卒業」 2019年 〇〇〇〇-
(916)
2019年公開のドキュメンタリー。
公金横領や裏口入学の問題で某私立大学の理事長職を
解任された元国会議員(保守系)が、時の保守政権の
威光をバックに学長として復帰する。
そして、反対派の教職員らを解雇し、反対する自治会の
学生らには大量無期停学の処分を下す。
この作品は、自治会の学生らが、学長の退任と
学園の正常化を勝ち取り、真の意味で大学を
卒業するまでの軌跡を記録している。
学生らの運動は、パク・クネ政権打倒の運動とも
連動していくのだが、そのダイナミックな展開は、
実に見ごたえがあった。
■은지 : 돌이킬수 없는 그녀 「ウンジ」 2019年 〇〇〇--
(915)
2019年12月に公開された復讐ドラマ。
全羅南道のある小島を舞台に、一人の女性が、島を
裏で牛耳る悪辣な男たちに対し、15年越しの復讐を
果たす。
(終わり)
■감쪽같은 그녀 「本物みたいな彼女」 2019年 〇〇---
(914)
2019年12月に公開された異色の家族ドラマ。1人の老婆と血のつながらない
孫2人が繰り広げる笑いと涙の人情ドラマ。物語の舞台はプサン。
主人公ら小学生たちまでもが、まるで老人のような、誇張されたプサン方言を
話しているのが、かなり不自然(漫画的)ではあったが、それはそれで
「ヲタク」的には勉強になった。
また、新年早々、ネット地図のストリートビューで映画のロケ地探しに熱中
してしまうなど、陰気ではあるが、実に「ヲタク」らしい新年のスタートが
切れた。
以下、ロケ地探しの成果を4か所だけ紹介しておく。
①祖母の家は、プサン市西区草場洞
▲映画より ▼カカオ地図ストリートビューより
②南富民洞と南港大橋
▲映画より ▼カカオ地図ストリートビューより
③プサン市西区草場洞の小型スーパー
▲映画より ▼カカオ地図ストリートビューより
④プサン市西区草場洞の街角で
▲映画より ▼カカオ地図ストリートビューより
■어제 일은 모두 괜찮아 「君のせいじゃない」 2019年
(913) 〇〇---
2019年11月に公開されたインディーズ系の社会派ドラマ。
学校にも家庭にも居場所がなく、つまずいてばかりの少年少女に、最後まで
寄り添い続けようとする高校教師の物語。
この映画では、映画の本筋とは無関係ながら、日本語で言う「退学願」を
韓国語では「자퇴원서」(自退願書)と言うことを、初めて知った。
(終わり)
■행동하는 양심 김대중 「行動する良心 金大中」 2019年
(912) 〇〇〇〇〇
金大中元大統領の没後10年を迎えた2019年、
氏の功績を偲び、称えるために制作された
ドキュメンタリー作品。
△軍事独裁政権に抗(あらが)い続けた不屈の精神
5度に及ぶ命の危機に見舞われ、謎の交通事故では
片足に障害を抱えた。独裁政権の僕(しもべ)と
化した司法エリートたちは氏を守るどころか、逆に
死刑囚の烙印を押した。6年半に及んだ刑務所生活に
加え、自宅軟禁や亡命生活が続く。
全ては氏が、真っ向から軍事独裁政権に抗い、
民主主義を追い求めた結果であった。
しかし、闇が深ければ深いほど光は輝きを増す。
やがて氏は大統領となり、氏の放つ光は韓国を
照らすことになった。
△大統領就任演説を行う氏
生活保護制度や障がい者福祉の基礎を整える
一方、IT産業の育成や文化事業を積極的に
推し進め、民主国家としての韓国が進むべき
未来像を明確に提示した。
さらに、日本の大衆文化の開放に踏み切るなど、
日本との対等な関係作りに向けても、画期的な
一歩を踏み出した。
この作品を見ながら、あらためて、氏の偉大さに
感服させられた。
(終わり)
2019年冬の釜山訪問にまつわる投稿も、ついにこれで
最後。
△写真は出港時のもの
釜山から福岡に戻った「ヲタク」は、ターミナルの
駐車場に停めておいた愛車に乗り、自宅(今回は
まず歯医者)に向かった。
駐車料金は4泊5日(丸4日間)で4000円。
いつも思うことながら、駐車料金は高い。
もう少し安くならないものだろうか?
(終わり)
△民主公園から草梁洞界隈を望む
「ヲタク」が長年、通い続けてきたプサンの下町、
草梁洞界隈も、最近では無機質の高層マンションが
林立するようになり、街の形や個性が失われつつある。
韓国では、政府の規制はあるにしろ、依然、マンションの
所有や転売、賃貸が富裕層による主要な財テクや資産
形成の手段であり続けている、という事情がある。
マンションバブル的な危険要素もはらみつつ、住む人の
ためではなく、より多くのお金をより効率的に儲けたい
人たちの思惑により、これからも高層マンションが
立ち続けて行くしかないのだろう。
△山腹道路から草梁洞界隈を望む
とは言え、今後、仮に草梁洞界隈が林立する
マンションの影になったとしても、草梁洞界隈から
人間生活の営みや暮らしの風情までが消えてなくなる
わけでもない。
ちょっと見えにくくなるだけだ。
「ヲタク」の健康と経済状況が許す限り、これからも
草梁洞界隈にこだわりを持ち、訪れ続けていきたい
ものだ。
(終わり)
2019年冬のプサン草梁洞で印象的な光景を目にした。
(遠くから順に)数学塾、銀行、不動産、美容室、
「哲学」院の看板が並んだ様子だ。
ここで言う「哲学」とは、四柱推命や風水のことで、
いわゆる占いのことだ。
草梁洞では、数多くの占い所が、当たり前のように
街の風景の中に溶け込んでいる。それだけ、占いの
需要が多いということだろう。
中には、「幸運」なる平易でわかりやすい名を持つ
哲学館もあった。
「幸運の哲学」などと言えば、日本にも似たような
団体があるにはあるが・・・。
この占い所の場合は、「幸運」を呼ぶ命名や日取り、
異性(相性)を中心に、運勢全般にわたり占って
くれるとのこと。
(終わり)
2019年冬のプサンでは、中華門越しに釜山駅を撮影して
みた。
△写真中央に釜山駅
釜山の中華街(ロシアタウン)は、ほんとうに釜山駅の
真ん前にある。
(終わり)
△日韓フェリー、カメリア号のデッキから南浦洞方面を見る
2019年冬のプサン訪問では、出港前の帰国便フェリーの
デッキからも、港や街の夜景を撮影した。
△釜山港国際ターミナル
フェリーに乗船してから、フェリーが実際に出港する
までには、けっこう時間がある。
△船尾から眺める釜山港大橋
名残を惜しみつつ夜景を撮影した。
(終わり)
△草梁山腹道路のバス停
2019年冬のプサン訪問では、おもしろいバス停を
見かけた。記憶はあいまいになっているが、相当数、
同じようなバス停を目にした。
△バス番号と到着までの時間を知らせるバス停内の電光掲示板
それは、防風・防寒用の厚手のビニールで覆われた、
利用者に優しいバス停だ。
人間、その気にさえなれば、いろんな工夫ができる
ものである。
釜山のバス停に教えてもらった。
(終わり)
△水晶洞の山腹道路を走るバスの中で
2019年冬のプサン訪問でも、かなりのシーンで
スマホの無音カメラを使った。
△水晶洞(バスの車窓から)
目にする光景や景色をさりげなく切り取るには、
スマホの無音カメラが、実に便利だ。
△水晶洞(バスの車窓から)
まわりの人に警戒感や不快感を与えずにすむ。
(終わり)
2019年冬のプサン訪問では、初めてキャリーバッグを
使った。
△釜山港国際ターミナルへと向かうシャトルバスの中で
自慢にもならないが、妻のお下がりである。
キャリーバッグなら鍵もつけられるので安心だ。
(終わり)
2019年冬のプサン港国際ターミナルでも、トイレの
使用法に関する注意書きを目にした。
どうやら、一過性の取り組みではなく、本気で
トイレの使用法の変更を考えているようだ。
応援したい。
(終わり)