■피해자들 「被害者たち」 〇〇---
(1021)
2014年に公開されたインディーズ系のサスペンス。
サイコパス(異常人格者)の男が、1人の女性を
邸宅の地下室に監禁するが、最終的には、女性に
ハメられ、女性の罪まで背負わされることになる。
△主人公は2人のサイコ(映画より)
2人のサイコを主人公にした、そこそこ見ごたえの
ある映画ではあったが、何とも殺伐とした結末で
あった。
(終わり)
■짝코 「曲がりっ鼻」 1983年 〇〇〇--
(1020)
1983年に公開された社会派ドラマ。
朝鮮戦争当時、智異山でパルチザン(北朝鮮支持の
ゲリラ)の部隊長として活動し、戦後、偽名を使い
ながら韓国で逃亡生活を続けてきた老人。
そして、彼を取り逃がしたばかりに、パルチザンの
一味と疑われ、警察官の職と妻を失い、戦後も、
自らの無実を晴らすため、彼を追い続けてきた老人。
その2人が、偶然、1980年代のソウルのホームレス
収容所(矯正院)で再開する。
△故郷を目指す2人の老人(映画より)
そして、その2人が恩讐を越え、ともに収容所を
脱走し、全羅南道の故郷をめざす。
死期が迫った2人の老人の姿を通じて、あらためて
朝鮮戦争が生んだ悲劇に光を当てた作品だ。
(終わり)
■치외법권 「治外法権」 2015年 〇〇---
(1019)
2015年に公開されたアクション映画。
プロファイラーと刑事の2人の男がタッグを組み、宗教を
隠れ蓑に様々な悪事を働いている巨大カルト教団の教祖を
逮捕するため奮闘する。
△幾度となく命の危険にさらされた2人(映画より)
政界、官界はもちろん、マスコミにまで大きな影響力を持つ
教団を敵に回し、孤立無援、命の危機に瀕した2人が、最後の
最後に教祖を仕留める。
単調な展開ではあったが、カルト教団のえげつなさや恐ろしさに
ついては、よく描かれていた。
(終わり)
■걷기왕 「ウォーキングの女王」 2016年 〇〇〇--
(1018)
2016年に公開されたインディーズ系の青春ドラマ。
△江華島でトレーニングに励む2人(映画より)
江華島の高校で競歩に青春を燃やす、ワケありな女子
高生2人の出会いと友情を描いた癒し系のドラマ。
2人とも競歩の全国大会は放棄せざるを得なかったが、
人生に必要な希望と勇気をつかむ。
△主演女優はシム・ウンギョン(映画より)
主演女優はシム・ウンギョン。(2020年、「新聞記者」で
第43回日本アカデミー賞最優秀女優賞を受賞した女優)
なかなか見ごたえのある映画だった。
ところで、この映画でも、例によって物語の本筋とは
全く無関係なシーンが印象に残ってしまった。
主人公が、ロシア旅行を夢に見るシーンだ。
△主人公が夢の中で歩いてロシアを訪れたシーン(映画より)
いきなりロシア語が耳に飛び込んできたことにも
驚いたが、2、3年前、プサンのとある飲食店で盗み聞き
した親子客の会話が、妙に鮮明に思い出されたのである。
△主人公女子高生が持っていたロシア本(映画より)
「ヲタク」の隣のテーブルに座った家族が、女子大生
(女子高生?)の娘さんの海外旅行先について、いろいろと
話し合っていたのだ。
娘さんは友だちと行く海外旅行について、福岡に行くか
ウラジオストクに行くかで、迷っていた。
両親は、事情がよくわからないロシアではなく、福岡の
方が安心だと語っていたが、娘さんは、航空券とホテルの
チケットをセットで購入しておけばウラジオストクも
安心だと反論していた。
気になって、2020年度の大学入学共通試験の統計を
確認してみたが、第2外国語の試験でロシア語を選択
(志願)した生徒が、例年通り1000人を超えていた。
どうやら、韓国の若者の方が、日本の若者より、ロシアに
ついて、より強い関心と親近感を持っているのは間違い
なさそうだ。
(終わり)
■꼬방동네 사람들 「コバン村の人々」 〇〇〇--
(1017)
1980年代の韓国映画を代表する作品の一つ。公開は
1982年。
△プサンで出会った2人(映画より)
プサンからソウルに上京した父親と母子が、一旦、
離れ離れになりながらも、あるスラム街で再会を
果たし、絆を回復する物語。
△ソウルのスラム街(映画より)
この映画では、主人公の父親がプサンに暮らして
いた折、バスに乗って「水晶洞」(東区)を通った
シーンが印象に残った。
△プサンで男がバスに乗ったシーン(映画より)
「水晶洞」は、「ヲタク」にもなじみの深い街である。
なお、細かいことを言えば、この映画でプサン出身の
男を演じた主演のアン・ソンギが、終始一貫、まったく
クセのない標準語を話していたことが不自然に見えた。
(終わり)
■장미빛 인생 「バラ色の人生」 1994年 〇〇〇〇-
(1016)
1994年に公開された社会派の恋愛ドラマ。
1980年代の中盤、軍事独裁政権時代のソウルの下町
(カリボン洞)を舞台に、雑居ビルの地下で漫画喫茶を
経営する女主人とヤクザな男が出会い、恋をする。
労働者が多く集まる下町の漫画喫茶では、組織に
追われるヤクザな男の他、女主人の弟で指名手配中の
労働運動家や、作品が利敵表現物(国家保安法違反)の
レッテルを貼られたノンポリの青年漫画家らが、客に
紛れて潜伏生活を送っていた。
△漫画喫茶の女主人と弟(映画より)
そんなある日、ヤクザな男は、官憲から取引を
持ち掛けられ、女主人の弟の情報提供を求められたが、
結局、弟と漫画家を逃すため、自らの命を犠牲に
してしまう。
△主人公女性は熟女の設定(映画より)
ラストシーンでは、独裁政治の終焉後、女と幼児
(男との子)が、2人のサムチョン(弟と漫画家)と
共に、新しい時代を生きる姿が紹介されていた。
結末は切なかったが、なかなか見ごたえのある
映画だった。
△主演女優はチェ・ミョンギル(映画より)
それにしても、主人公の女主人は色っぽかった。
(終わり)
■애비 「オヤジ」 〇----
(1015)
2016年に公開されたインディーズ系の家族ドラマ。
息子を検事にすることに強烈な執着を持った父親が
引き起こす悲劇を描いた物語。
△父親は、料亭を裏で支える「部長」(映画より)
この映画で「ヲタク」の印象に残ったのは、父親の
仕事。
△料亭では性的サービスを提供(映画より)
前科者の父親は、性的サービスも提供する高級料亭
(キーセンハウス)で、オーナーの会長と料亭の
社長を裏で支える「部長」を務めていた。
△検事を女体盛りで接待する父親(映画より)
料亭関係の汚れ仕事を一手に引き受ける用心棒と
いったところか。
フィクションドラマとは言え、妙に現実味が
あった。
(終わり)
■덫 「トラップ」 〇〇---
(1014)
2017年に公開されたインディーズ系のサスペンス。
検事の不当捜査と証拠捏造により夫の会社が
倒産するなど、人生を狂わされた女性が、検事を
ワナにはめ、残虐な報復を加える物語。
この映画では、物語の本筋とは無関係ながら、
漢字で書かれた検事の名前を読めなかったことが、
ちょっと心にひっかかった。
△主人公の検事/검사 김●석(映画より)
「ヲタク」には「旻」の字が読めなかったのである。
「ヲタク」を自称している者としては、はずかしい
話である。
△ネイバー漢字辞典より
ネイバー漢字辞典によれば、「旻」の漢字は、
訓音の順に「하늘 민/そらのミン」。
難易度は「読み2級、書き特急」の人名用漢字とある。
どうやら、そこそこ難しい漢字ではあるようだ。
△MSの日本語IMEパッドより
ちなみにこの「旻」。日本語でも訓は「そら」、音は
「ミン」と読んでいる。
(終わり)
■공수도 「空手道」 〇〇---
(1013)
2019年に制作されたインディーズ系の学園アクション。
空手道場の師範を父に持ち、幼い頃から空手を学んで
いる女子高生が主人公。
△空手の練習風景(映画より)
彼女の空手の実力は達人並み。
彼女のファンになった男子高生2人と力を合わせ、
学園のいじめっ子たちを成敗(せいばい)する。
△甘い黒味噌ソースを麺にかける(映画より)
この映画では、道場で出前のチャジャン麺(韓国式
ジャージャー麺を食べるシーンが何度も登場した。
△タクアンを食べる師範(映画より)
中華風のチャジャン麺は別としても、タクアンを
食べるシーンも含め、その和風の空気感に、一種の
郷愁まで感じさせられた。
柔道2段の「ヲタク」ではあるが、その昔、ごく
短期間ながら、通信教育で剛柔流空手を学んだ経験も
あるのだ。
(終わり)
■원컷 - 어느 친절한 살인자의 기록
「ある優しき殺人者の記録」 2014年 〇〇〇--
(1012)
2014年に公開された異色の日韓合作ホラー映画。
主役の韓国人男女2人に加え、カメラマンと旅行者の
役で3人の日本人が登場する。(カメラマン役の
日本人男優はこの作品の監督でもある)
△連続殺人犯を取材するため指定の廃アパートを訪ねた記者(映画より)
韓国首都圏内の某廃マンションを舞台に、悪魔的な
連続殺人犯が引き起こす、愛と救済の大逆転劇。
△連続殺人犯は記者の幼なじみだった(映画より)
加害者も被害者も、全ての関係者が皆救われるという、
想像もできなかったハッピーエンドで終わる、何とも
珍しいホラー映画だった。
見ごたえはあった。
(終わり)
■콩나물 「豆もやし」 〇〇〇--
(1011)
2013年に制作されたインディーズ系の短編映画。
顔も知らない祖父の法事のため、父親の実家を訪れた
少女が主人公。
彼女は、法事の料理作りのお手伝いがやりたくて、
商店街まで豆もやしを買いに出かけることにした。
途中、工事や犬、そしていじめっ子らの妨害を
受けながらも、めげずに商店街を目指していた。
そんな少女が不思議な老人と出会う。
その老人は、少女の父親の帽子と全く同じ帽子を
かぶっていた。そして、少女に親切にしてくれ、
商店街の場所も教えてくれた。
後でわかったことだが、その老人は、法事の祭壇に
飾られている写真の人物だった。
少女は、祭壇のお祖父さんにヒマワリを供えた後、
大人たちに促され、何事もなかったかのように、
跪いて礼拝した。
大人たちは、故人と一面識もない少女が祭壇に
ヒマワリの花を供えたことを不思議がった。
ヒマワリは、故人が大好きだった花なのだ。
目には見えない生者と死者の不思議なつながりを
描いた、心温まる作品だった。
(終わり)
■뻐꾸기도 밤에 우는가 「カッコウも夜に啼くのか」
(1010) 〇〇〇〇〇
1980年代の韓国映画を代表する名作の一つ。公開は1981年。
△子どもの頃、山の民に拾われ、山の中で育った娘(映画より)
時代背景は日本統治時代。舞台は奥深い山の中。
炭焼きを生業(なりわい)にしている山の民に生まれた
男と、子どもの頃、旅芸人に捨てられ山の民に育てられた
女の純愛物語。
△彼女は力持ちで優しい炭焼きの男と所帯を持つ(映画より)
最後は残酷な悲劇で終わってしまう2人の純愛では
あったが、実に見ごたえのある映画だった。
△彼女の美しさが悲劇を呼ぶ(映画より)
物語の性格もあってか、80年代の映画でありながら、全く
古さを感じさせなかった。
△山と1人の男を愛した女(映画より)
主演女優チョン・ユニの瑞々(みずみず)しい美しさも
印象的だった。
(終わり)
■콩쥐 팥쥐 「コンジとパッチ」 〇〇〇--
(1009)
1978年に公開された子ども向け人形劇映画。
原作は、韓国版シンデレラとも言える昔話。
△コンジをいじめる継母と連れ子のパッチ(映画より)
現在まで伝わっている「コンジとパッチ」の物語には、
いくつかのバージョンがあるそうだが、ここでは、
この映画の内容に限って解説しておく。
△靴の持ち主はコンジだった(映画より)
主人公の娘、コンジが継母とその連れ子にいじわるを
されるが、最後に、コンジの脱げた片方の靴のおかげで
サット(現在の県知事、市長のような存在)とめぐり合い、
結ばれるという物語の展開には、確かにシンデレラとの
共通性がある。
△コンジとサットは結ばれる(映画より)
ただし、この劇場版では、コンジとサットが結婚した
後、それをねたんだパッチがコンジを池に突き落とし、
悪徳ムダン(霊能者)の力を借りてコンジになりすます
など、犯罪映画的な一捻りも加わっている。
△サット夫人となったコンジを池に突き落とし殺すパッチ(映画より)
人形劇ながら、何とも残忍なシーンだった。
△パッチの顔をコンジの顔に変える悪徳ムダン(映画より)
もちろん、最後は、お釈迦様の使いである菩薩の助力で
コンジは生き返る(眠りから覚める)。
そして、パッチと継母には天罰が下り、勧善懲悪の
物語が完成する。
子ども向けとは言え、なかなか見ごたえのある映画
であった。
(終わり)
韓国のネイバーショッピングで「부적」(お札、護符)
関連の商品を見ていて、実に興味深い一品を発見した。
△ネイバーショッピングより
それは、新型コロナウィルスから身を守るお守り!
価格は約300円。
△「新型コロナウィルス接近禁止!護符」
これなど、韓国のお札文化の真骨頂と言えるもの
なのかもしれない。
時節柄、誠に不謹慎ながら(?)、笑わせてもらった。
こと新型コロナウィルスへの対処については、検査
体制の整備など合理的な対処法の面のみならず、
非合理的な対処法の面においても、韓国が日本の
はるか先を進んでいるようだ。
(終わり)
■내 남자친구를 소개합니다 「私の彼氏を紹介します」
(1008) 〇〇〇--
2019年に制作されたインディーズ系の家族ドラマ。
CF監督をしているシングルファザーの父親と12歳の
娘、そして父親の若い恋人の3人が主人公。
父親と恋人は結婚を考えているが、娘の頑強な反対を
受け、身動きが取れないままでいた。
そんなある日、スタジオで起きた事故をきっかけに
娘と恋人の心が入れ替わってしまう。
その後、2人を元に戻すためにドタバタ劇が
繰り広げられるが、その過程で、2人はお互いへの
誤解と悪意を解き、完全に打ち解けあう。
△枕の中にお札(映画より)
そして、最後に2人の心が元の体に戻り、ハッピー
エンド。
△ベッドの布団にもお札(映画より)
ところで、この映画でも、2人の心を元の体に戻す
ため、ムダン(霊能者)が活躍し、例のお札(부적)も
登場した。
△スリッパの底にもお札(映画より)
おもしろかったのは、スリッパや靴の底にも
お札を張り付けていたことだ。
△靴底にもお札(映画より)
2人の心が元に戻る決定的な決め手は、落雷では
あったが、こうしたお札の効力も大きかった。
△父親の靴底のお札(映画より)
特に、2人のために自分の命を投げ出そうとした
父親の命を救ったのは、(物語りの展開上)間違い
なく、その靴底のお札であった。
ちなみに、このお札。
韓国ではネット上でも売買されている。
(終わり)