福岡発 コリアフリークなBlog

韓国や韓国語に関するオタクの雑学メモ。韓国映画はネタバレあり。 Since 2005/9.14

韓国映画とお札文化

2020年03月07日 |  〇映画・映画音楽

클로젯   「クローゼット」 〇〇〇--
(1007)



2020年2月に公開され、120万を超える観客を動員した
ホラーサスペンス。

父親と男性のムダン(霊能者)が力を合わせ、悪霊に
誘拐された一人娘をこの世に連れ戻す物語。

なかなか見ごたえのある映画だった。



ちなみに、この映画でも、ムダンが使用する重要な
アイテムとして、「부적」(お札)が登場していた。



このお札も、りっぱな韓国文化である。

プサン訪問の折にでも、何枚か購入してみるのも
悪くはないだろう。


(終わり)


韓国では給食道を直訳

2020年03月07日 | 【日常の韓国】

最近、「ヲタク」がハマった日本ドラマの「おいしい給食」。


△某動画投稿サイトより

基本的に学園ドラマが好きではない「ヲタク」だが、
中学校を舞台にしたこのコメディは違った。

実に上手に「ヲタク」の笑いのツボを突いてくる
ではないか。


△給食時間にアルコールランプでチーズフォンデュを作る生徒(ドラマより)

例によって、ネット上でハングル字幕(非公式)の
付いた動画を見つけ、全編(全10話)を見た。


△「給食道」は「급식도(給食道)」

韓国オタクとしてのたしなみだ。



(終わり)


韓国映画と半地下の恋

2020年03月06日 |  〇映画・映画音楽

더티 로맨스  「ダーティーロマンス」 〇〇〇--
(1006)



2017年に公開されたインディーズ系の青春ドラマ。

舞台はソウル市中浪区の下町。

障がい者(脳性麻痺)の妹と2人暮らしをする
青年を主人公にした、非常にエグイ映画だった。

あるいは、これまで「ヲタク」が見てきた全ての
映画・ドラマの類の中で、最もエグイ作品だったと
言えるかもしれない。


△親友の母親(認知症)の紙おむつを替えてあげる主人公<映画より>

例えば、妹が片思いしている自分の親友に対して、
貸したお金の返済を引き延ばしてやる代わりに、
妹への性的奉仕(セックス)を強要したシーン。

さらに、青年が女子大生を強姦しようとして失敗し、
彼女の父親から事件をもみ消してもらう代わりに、
逆に旅館で強姦されてしまうシーン。

極めつけは、妹を強姦する性悪(しょうわる)な
青年の先輩を、中華料理店の息子(軽い知的障がいを
持つ青年)が包丁で刺殺するシーン。


△中華料理店の息子と主人公の妹<映画より>

中華料理店の息子は、青年の妹のことが大好きで、
食事から下の世話まで、いろいろと妹の世話を
してくれる関係になっていた。


△主人公の青年(左)と中華料理店の息子<映画より>

そして何より、妹も中華料理店の息子といっしょに
過ごすことに大きな喜びを感じるようになっていた。


△中華料理店の息子に妹を託す青年<映画より>

妹の幸せを考えた青年は、中華料理店の息子の罪を
肩代わりし、自分が刑務所に入ることを決心する。

残酷でエグイ世界の中で、主人公と中華料理店の
息子の、妹に対する不自然なほど純粋な愛が
際立(きわだ)つ映画であった。


(終わり)


韓国映画と伝統的葬儀

2020年03月06日 |  〇映画・映画音楽

학생부군신위 「学生府君神位」  〇〇〇〇〇
(1005)



1996年に公開された異色の社会派コメディ。題名の
「学生府君神位」とは、儒教的な「院号戒名」のような
ものと理解しておけばいいだろう。



舞台は慶尚南道ハプチョン(陜川)郡



1人の老人の葬儀が、伝統的な慣習に則り、5日間に
わたって執り行われる。

その、村を挙げての葬儀の様子が、厳(おごそ)かな
雰囲気の中にもコミカルに描かれている。



非常に見ごたえのある映画だった。



ちなみに、使われている言葉は9割以上が慶尚道方言。



ハングル字幕付き(韓国映像資料院)で鑑賞すれば、
慶尚道方言のいい教材にもなるだろう。



(終わり)


80年代の韓国映画から

2020年03月05日 |  〇映画・映画音楽

고래사냥 「クジラ捕り」 〇〇〇--
(1004)



1984年に公開されたヒット作。



ソウルの大学で哲学を学んでいる、さえない大学生の
主人公がルンペンの男と出会い、さらに、不憫な
風俗嬢の娘と出会う。

大学生とルンペンの男は、娘を店から救い出し、
彼女の故郷である慶尚道の小島まで送り届ける。


△1980年代の韓国(映画より)

この映画では、「ヲタク」が韓国語を学び始めた
80年代初頭の韓国のことがなつかしく思い出された。


△1980年代の韓国(映画より)

当時の韓国では、一歩、都市部を出れば、幹線道路
以外は、舗装されていない道路が一般的だった。

もっとも、日本(福岡)でも、1970年代初頭までは
同じような状況だったが。


(終わり)


韓国映画とソウル五輪

2020年03月04日 |  〇映画・映画音楽

성공시대    「成功時代」 〇〇〇--
(1003)



ソウル五輪が開催された1988年に公開され大ヒットした
社会派コメディ。


△1980年代末のソウルのビジネス街(映画より)

ソウルの大手食品メーカーを舞台に、新入社員の
「金販促」が持ち前の話術とハッタリで超スピード
出世を遂げるが、その後、一気に転落していく
物語がコミカルに描かれている。


△1980年代末のソウルの繁華街(映画より)

今にして思えば、高度経済成長とオリンピック開催
という成功に浮かれていた韓国社会に対して、警鐘を
鳴らす意味もあったのかもしれない。

実際、韓国が通貨危機に見舞われるのは、この
映画公開からおよそ10年後のことだった。

約30年前の映画ではあるが、なかなか見ごたえの
ある作品だった。


(終わり)


韓映画で美女がスケート

2020年03月03日 |  ┗注目女優

소녀 「少女」 〇〇---
(1002)



2013年に公開されたサスペンス映画。

ソウルで問題を起こした男子高生が、転校先の安東市
(慶尚北道)近郊の高校で、氷のように心を閉ざした
美少女と出会う。


△美形の女子高生を演じたのはキム・ユンヘ(映画より)

そして、いつしか、心を通わせるようになる。


△凍結した湖でスケートする女子高生(映画より)

しかし、彼女の秘密を知った時、彼は彼女を苦しめて
来た醜い大人たちに制裁の刃(やいば)を向ける。

逃げ場を失った2人を待っていたのは破滅。

全く救いのない映画だったが、女子高生を始め、
土地の人々が話す慶尚道方言には関心を引かれた。


▲映画でのワンシーン▼カカオ地図ストリートビューより


なお、映画の舞台設定は安東市の近郊になっていたが、
凍結した湖を始め、ロケ地の多くは江原道だった
とのこと。


▲映画のワンシーン▼カカオ地図より


実際、むきになってロケ地をネット地図で探してみたが、
確認できた3シーンは全て江原道(寧越郡)だった。


▲映画のワンシーン▼カカオ地図より


相変わらず陰気な時間を過ごしている「ヲタク」である。


(終わり)


韓映画と元アメリカ移民

2020年03月02日 |  ┗注目女優

밤의 여왕 「夜の女王」 〇〇〇--
(1001)



2013年に公開された大人向けのラブコメディ。

結婚して3年、妻の過去に関心を持った夫が、妻の
「黒歴史」(夫に隠したい過去)に対する疑心暗鬼を
膨らませるが、最後は絆を深めハッピーエンドで
終わる物語。


△妻には夫に隠していた過去があった(映画より)

ところで、この映画に登場した妻は、元「在美僑胞」
(アメリカ移民)。

子どもの頃、母親に連れられ嫌々アメリカに移民し、
アメリカの大学まで出たものの、結局、母親を
アメリカに残したまま単身、韓国への帰国を選択した。


△アメリカでは英語ともう一つの言語<スペイン語?>を取得して帰国(映画より)

帰国後は、アルバイトや翻訳、英語講師などの仕事を
掛け持ちしながら暮らしてきた。


△主演女優のキム・ミンジョン(映画より)

夫にディスコクイーンだった過去を隠していた、
キュートな元アメリカ移民を演じたのは、童顔
美女のキム・ミンジョン


(終わり)


韓国映画鑑賞千本達成

2020年03月01日 |  〇映画・映画音楽

붉은 가족 「レッドファミリー」 〇〇〇〇〇
(1000)



2013年に公開されたインディーズ系の社会派映画。


△韓国での功績を認められ勲章を授与される4人(映画より)

主人公は、4人家族を偽装して韓国に潜伏中の
優秀な北朝鮮工作員グループ。隊長は女性(妻)
だが、彼女も部下や上部機関に監視されている。

それぞれ北にいる家族の安寧だけを願いながら、
まるで機械の部品と化し、祖国のために働いている。


△工作員と隣人たち(映画より)

そんな彼らが利己的で人間臭い隣人家族との
交流を通じて、徐々に生身の人間性を回復させて
いく。

そして、そのことが彼らを、残酷な破滅へと
追いやっていく。

おかしくて悲しくて、それでいて強く心を打たれる、
実に見ごたえのあるヒューマンな映画であった。

「ヲタク」の韓国映画鑑賞通算1000本達成(当ブログ
記録分)を飾るにふさわしい名作だったと言える。


△Nikonのカメラで軍事境界線付近の写真を撮る工作員(映画より)

なお、例によって映画の本筋とは無関係ながら、
この映画にはNikonのカメラが登場していた。


△工作員の肩にはNikonのカメラ(映画より)

Nikonファンの「ヲタク」としては、ちょっと
うれしくなるシーンだった。


(終わり)