BLACK SWAN

白鳥のブログ - 日々の世界を徒然と

五等分の花嫁 第117話 感想3:118話で風太郎は四葉の口からなにを聞いて驚愕するのか?

2020-01-17 12:25:07 | 五等分の花嫁
(付記:最初にアップした記事では、武田と前田を取り違えていたのだけど、直しました。ゴメンナサイ)

117話を読んでから、無性に気になってきたのが、113話で、前田と武田から風太郎に投げかけられた次の問い。

武田  「誰から見分けられるようになったのか?」
前田  「誰が好きなのか?」

気になったのは、ここで、風太郎が困った顔をしているのは何故か?

想像するに、それぞれの問いに対する答えとなる相手が、違ったから。

もちろん、前田の「誰が好きか?」という問いに対する答えは、113話のその後の展開を考えれば四葉だったと思うのだけれど。

でも、武田の「誰から見分けられた?」という問いに対しては、あれ?、誰だっけ?って素で思ったんじゃないかな。

今思うと、ここがうまいのは、前田を出すことで、風太郎の中で、林間学校の頃まで思い出させるようにさせたこと。

実際、風太郎は、武田の問いに答える前に、過去五つ子に変装して騙された場面を思い出していた。そして、マンガのコマでは、その想起の中心に据えられたのが、林間学校のときに、一花のふりをした五月。

もちろん、彼女が真ん中なのは前田がここにいるからなのだけど。

でも、そうすると、どうしてこんな「風太郎が誰を選ぶのか?」という天下分け目の戦い回で、その直前に、前田と武田が出てくるんだよ?と疑問に思ったことも理解できる。

それは、前田を置くことで、林間学校の出来事まで思い出させることだった。

なにしろ、風太郎が前田と知り合ったのは林間学校のときだし。

しかも、今回、前田は、なぜか一花は遠目でも見分けができる、といって「一花」に話の焦点を当てさせたし。

前田と一花とくれば、風太郎にとっては、林間学校であった「五月による一花のなりすまし」がとっさに思い浮かぶ。

なにしろ、あれに関わったことで風太郎は風邪をこじらせて、その後、入院までしてしまうのだから。

でも、あの時、風太郎は、一花に変装した五月に気がついた。

となると、あれ、俺が最初に見分けられるようになったのって、五月じゃなかったか? でも、これから告白しようと思っているのは四葉だよな?

・・・ってことで、この時、風太郎は、実はちょっと、自分の気持ちに迷ったんじゃないかな。

その場は、なんとなく前田の「覚悟を決めろ!」って威勢のいい言葉をかけられて、有耶無耶になってしまったけど。。。

でも、この時、風太郎の中ですでに、五月か? 四葉か? って迷いが生じたんじゃないのかな?

であれば、その後の四葉とのやり取りで、風太郎の口から「好きだ」という言葉が四葉に対して掛けられなかったのも、理解できる。

とにかく風太郎としては、四葉に「隣りにいてくれ」って伝えるだけで、もういっぱいいっぱいだった、ってことだよね。

まぁ、気分的には、えーい、ままよ!、って感じ。

勢いに任せて四葉に向かった。


でもね、この五つ子がそれぞれ待つ部屋に赴き「ひとりだけ選ぶ」という、なんだか置屋で今宵の相手を選ぶようなシチュエーション自体、風太郎の望んだものではなく、五つ子が申し入れたものだった。

この112話から114話あたりを読んだときは、この「部屋を訪ねる」という方法は、てっきり、「誰も選ばないなんて言わないで」と言っていた一花の発案だと思っていたのだけど、今回の117話を見ると、これ、五月の発案だったのかもしれないとも思えてきた。

となると、徹頭徹尾、五月が風太郎を四葉に向かうよう誘導していたことになるのだけど。

実際には一花のアシストもあるように思うけどね。

でも、物語当初から、一花は、他の姉妹に対するのとは違って、五月にだけは、終始、風太郎と仲良くなりな、と勧めていたので、仮に、この「部屋を訪ねる」方式が一花の発案だったとすれば、一花は、風太郎が五月を訪ねる可能性もあると思っていたのではないかな。

いや、もちろん、これは117話を読んでから思ったことだけどね。

それに、これもまた117話を読んでから113話を見直すと、風太郎が扉を開いた直後のコマは、「・・・上杉くん」と口にする五月なんだよね。

だから、まぁ、これは十中八九ありえない話だとは思うのだけれど、113話で、風太郎が最初に訪れた部屋は、五月の部屋だったのかもしれないなぁ、と。

いや、その後、一花や二乃、三玖については、それぞれ「選ばれなかった」ことを示す描写が明確に加えられているのだけれど、五月だけ、これからですよ、というコメントが示されるのみだから。

だから、もはや、困った時の(まさに117話のような)便利な相談相手としての五月として、あのときも風太郎は、まず五月の部屋を訪れたのではないかな、と。

で、そこで、ひとしきりやりとりがあってから、四葉のところに向かったのではないか。

多分、五月とのやりとりの内容は、零奈まわりのことだと思うのだけど。

でも、それも含めて、まず向かうべきは四葉のところ、と応じたようにも思えるのだよね。

まぁ、これは117話がなければ思いつかない、ある意味で重箱の隅をつつくような解釈なんだけどw


でも、そう思うと、もう一つ、零奈まわりで気になるのは、86話の最後で、京都の修学旅行を終えて、風太郎が零奈にフォトブックを渡した時のことで、あの時、風太郎は、どうやって零奈に連絡をとって呼び出したのだろう?

となると、やっぱりあの時点ですでに風太郎は、零奈が五月の変装であると気づいていたのかな?

というか、五月に直接連絡して呼び出したのかな?

その場合、零奈コスが、五月の意志なのか、風太郎の要望なのか、はちょっとわからないけどw

ともあれ、だとすると、あの時点で風太郎は、五月が京都の女の子と思っていたわけで、しかも、それ以降、風太郎の中ではずっと、五月が京都で誓いを交わした子だった、ってことになっていることになる。

なぜなら、風太郎から零奈の姿でフォトブックを手渡された後に、五月は、近づいてきた四葉に対して、「五年前に本当に会ったのはあなただった」と風太郎に打ち明けるべきだと伝えているのだから。

でも、117話の時点で、いまだに四葉は風太郎にその事実を明かしてはいない。

となると、問題は、

この「京都の女の子は四葉だった」という事実の秘匿が、四葉の行動をどう縛っているのか?

ということと、

この事実を風太郎が聞いた時、どう反応するのか?

ということ。

で、そのいずれにも、五月の存在が絡んでくる。

だから、このあたりが、118話の肝になるのかな。


でもこう見てくると、最終コーナーで物語の核心にくるのは、

五つ子ゆえ可能になったミステリーの王道たる「なりすまし」「入れ替わり」

になるわけだね。

犯人だと思っていた人物が、実は別人だった、という展開。

そして、『五等分の花嫁』の場合、その結果、四葉と五月の立ち位置をどのように変えてしまうのか?

風太郎は、真犯人を見つけた時、どう思うのか?


素直に考えれば、今まで誤解していた「京都の子=零奈=五月」から、いきなり「京都の子=四葉」となるわけで、それだけなら風太郎の心境に大きな影響を与えることはなくて、むしろ、四葉エンドのアシストになるようにも思えるのだけど。

でも、その一方で、その事実の発覚から、風太郎の五月に対する印象も書き換えられてしまい、新たな感情が生まれるのかもしれない。

なにしろ、風太郎は、縁の下の力持ちを応援する側の人間だから。

五月が、自分のことをアシストしてきた四葉をさらにアシストしてきた存在だとわかった時、そして、その五月が示してくれた(四葉だけでなく自分も含めた)好意が、もともと京都で知り合った幼馴染であったからではなく、高2で出会ってから発したのであったkとを風太郎が知ったら。

その裏側で、四葉の風太郎に対するアシストが、もとを辿れば、6年前の京都での出会いにまで遡るとしたら。

この逆転した事実を知った時、風太郎の二人に対する理解もまた、ガラッとひっくり変えるように思える。


しかし、こうなると、一花が一歩引いた立場を取るようになったのも納得。

この五月と四葉の間にたって、二人の仲裁をしつつ風太郎に助言をできるのは、「京都の子」事件wも知っている、そして、なぜか風太郎の持っていた「写真の子」が映っていた写真を五月が持っていたことも知っている一花、しかいないから。

なんと、最終コーナーで、一花が、風太郎ホームズをアシストするワトソンになるとはw

そして、三玖があっさり敗退を認め、二乃が連載初期の嫌味な姉キャラに戻ったのも理解できる。

全ては、最終決戦を、四葉vs五月にし、審判役を一花にするためだったw

いやー、やっぱりこの作品は、ラブコメではなく、恋愛ミステリーだったんだね。

四葉と五月のどちらが花嫁になるにせよ、まだまだこの先、物語は二転三転しそう。

そこで大事なのは、風太郎がどのように応じるのか。

その風太郎の今後の決断/心変わりを担保するためにも、ここのところ、風太郎の内面は描かれず、たぬきに「好き」を連呼するおバカキャラにまで落としていたのか。

でもなぁ、風太郎も117話の最後で「雪の話」を出してしまうほど、テンパっているからなぁ。

恋愛初心者の風太郎が、この先、どれだけ七転八倒するかも楽しみだね。

いやー、ここからがホントの「最後の祭り」の始まりだったんだね。

ホントに、次回、118話が楽しみでならないよw

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