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白鳥のブログ - 日々の世界を徒然と

ストライク・ザ・ブラッド 第21巻 「十二眷獣と血の従者たち」 感想: 女帝・浅葱が大活躍のヒロイン結集回!

2020-01-13 18:13:01 | ストブラ
前巻の最後で、アヴローラに十二の眷獣をすべて返し、自らは第四真祖の権能を失い、ただの人間に戻ってしまった古城。

そして、古城の「血の従者」による霊力の制御を失い、もはや剣巫として活躍することができなくなってしまった雪菜。

にもかかわらず、異境(ノド)に囚われてしまったアヴローラを、首魁である天部の末裔シャフリヤル・レンから奪い返そうというのだけど、それ、どう考えても無理ゲーでしょ?

・・・というところで終わった前巻からの続き。

いや、マジで無理ゲーだと思うのだけど・・・。

と、とりあえず、スペース、空けときます。







































うん、確かに無理ゲーだったんだけど、冒頭で、第一真祖のキイが、前回倒された吸血王(ザ・ブラッド)から奪った「十二眷獣のプロトタイプ」を古城に移植?して、異境に乗り込む際の「戦力」の問題はあっさり解決された。

で、あとは、その移植された十二眷獣の制御権を古城がどう握るのか、というのが、今回のお話の中心。

当初は、このシリーズのはじめのころに繰り広げられていたように、眷獣を調伏するために血の伴侶として十二人の女性に吸血行為をするとばかり、思われていたのだけど。

実際、今まで登場したヒロイン揃い踏み、という展開だったので、そのまま十二人から血を吸うのか?古城?と思っていたら、それを浅葱がまさかの拒絶。

かわりに、浅葱が、聖殲の力を使って、古城の身体を吸血鬼に変えて、かつ、そこに十分な魔力を得られるだけの措置(まぁ、ここは実際に読んで!)をして、なんとかなった、というのが今回の顛末。

まぁ、終わってみれば、とにかく浅葱の胆力、というか、漢っぷりが目立った回w

いや、浅葱の一人舞台だった、というのが正しいかな。

だって、結局、彼女が、古城・再吸血鬼化計画を練って、その実行にも全面的に関わるのだから。雪菜にしても雫梨にしても、今回に限れば、完全に浅葱の駒の一つでしかなかったら。

ましてや、煌坂なんて・・・w

それにしても、浅葱、化けたなぁ。

いくら絃神島限定にしても、聖殲の能力があまりにもチートすぎるからなのだけど。

なにしろ、古城の身体を作り変えてしまうくらいなのだから。

でも、浅葱が、カインの巫女であることを自覚してからの超人化は、ある意味で、雪菜の模造天使化を超えるレベルアップだと思うのだよね。

で、そのチート“聖殲”能力に加えて、もともとあった聡明さが加わるのだから、もはや最高司令官にして軍師、そして一騎当千の魔法師、みたいな立ち場なのだから。

確かに、これだけの知力・胆力・突破力をもつキャラは、ラ・フォリアぐらいしかいないよね。

雪菜では全然届かない。

まぁ、だからこそ、16巻からの第2部では、雪菜のカウンターパートとして雫梨を登場させるようになったのだろうな、と納得。

よく見たら、前巻も本巻も、カラーイラストで雪菜と雫梨が二人で登場しているしね。まさに、前衛のツートップ、という感じで。

その意味では、浅葱とラ・フォリアが後衛のツーマンセルって感じかな。

この4人に比べたら、あのヒロインズwは、もう、ホント、戦闘要員でしかない。

まぁ、夏音だけは、ちょっと別格という感じがしたけどね。

ともあれ、浅葱司令!指揮下でヒロインズがそれぞれ奮闘し暴れる眷獣たちを抑え込む力技で、なんとか古城を吸血鬼に戻して、そうして、次巻、どうやらノドに乗り込む、という展開だね。

まぁ、そこにも、ヒロインズはみなついてきそうだけどw

なんか、ひとりのヒーローにその取り巻きの複数のヒロインがつきしたがって、囚われの姫の救出に乗り出す、という展開は、まんま「ネギま!」の終盤そっくりなのだけどねw

ともあれ、次回、アヴローラ救出作戦が決行されるはず。


以上が、今回のながれ。

なのだけど、今回、一番びっくりしたのは、あれ、第一真祖も第二真祖も第三真祖もみんな、カインの友だちだったわけ?という設定の開示。

いやー、それ、さすがに世界が狭くないか?と思わないでいられないのだけど。

だって、今の古城たちの世界は、基本的にカインとその友だちの、都合4人で作られたことになるのだから。

それに、今回の設定バレでわかったのは、そもそも吸血鬼とその眷獣という主従の設定が、むしろ、初期においては逆だった、ということだよね。

要するに、眷獣として顕現してしまった魔力の塊を諌めるために、天部の三人(それが三人の真祖)が、いわば自分の身体を差し出して、おのが身体にそれら眷獣を取り込んだ。つまり、眷獣は天部の人間に寄生したわけで、眷獣からすれば宿主が死ねば自分たちも存在続けることができなくなるため、全力で宿主たる天部の人間の身体修復を行う。その結果、不死者としての吸血鬼が誕生した、というのだから。


つまり、もともとカインや第一から第三の真祖らは、人間の血を栄養補給源とする生命体であって、決して不死者ではなかった。ただ、バカバカしいほどまでテクノロジーを発達させていただけだった、ということで。

とりわけカインは超がつくほどの天才、というかタブーを気にしないという意味でマッドサイエンティストであって、その彼が、友人三人を吸血鬼にし、加えて、一番厄介な眷獣12体を抑え込むために「製作」したのがアヴローラたちだった、ということ。

そもそも、一種の禁じ手として天部でもその利用を禁じていた眷獣の暴走が始まったのは、アホな天部の貴族が、眷獣/魔力を召喚してしまったからであって、けっして、カインが引き起こしたものではなかった。

カインからすれば、地上の存在を守るために行ったのが、友人三人の吸血鬼真祖化と、第四真祖の創造だった。

となると、真祖たちが古城に関心を示すのはわかって、なぜなら、古城は、眷獣/魔力を従える真性の「人間」だったわけで、元天部でやむなく真祖になった三人からすれば、新たな希望となる存在だったのだろうね。

そして、天部以外の存在につなぐ、という点では、古城たち「暁の帝国」の誕生は、ようやく自分たちもお役御免となるときが近づいた、ということなのかもしれない。

で、そう思ってきたら、初見では超・ご都合主義にみえた第一真祖による古城への新たな眷獣の付与も、第一真祖からすれば、自分たちが真祖になって以来、延々と背負わされてきた業からようやく解放される時がくるかもしれない、ということで。

しかも、単に真祖三人が解放されるというだけでなく、新たな時代の幕開けも予感させるものなのだから。

だったら、なにがあっても、古城とアヴローラを支援する側に回るしかないよね。

となると、第二真祖が、あっさりカレーでオチたwとしてもやむなき、ということになるw

あ、でも、あの第二真祖の場面は、むしろ、かつての盟友カインの後継者にあたる「カインの巫女」たる浅葱が直々に謁見に来たから、ということもあったのかもしれないけれど。

その意味では、マジで、浅葱は真祖たちからみても、トップクラスの重要人物ってことでw

いずれにせよ、真祖三人からすれば、チーム古城の面々は、長い退屈な時代を経てようやく現れてきた「新世代という希望」の候補なんだろうね。

だから、期待もするし、試練も課す。
けれども、ギリギリのところでは支援もする。

そして、そんな真祖たちからすれば、天部の時計の針を戻そうとするシャフリヤル・レンなんて、天部の末裔だけど、もはや反動的な老害にしかみえないのだろう。

ということで、次回の古城たちのノドへの殴り込みが楽しみ。


それにしても、ストブラもまじめに終わりそうだね。

このままの展開なら、あと1巻か2巻くらいかね。

もちろん、新章としてガチで「暁の帝国」を始めることも可能だと思うけど。

しかし、ホント、今回は、浅葱の存在意義がまさにストップ高だった。

文字通りの「女帝」。

「暁の帝国」あらため「暁の女帝国」でもいいんじゃないのw

もっとも今回の裏のMVPは、デレまでもう少し?と思わされたほど、活躍がおもしろかった妃崎霧葉だったのだけどw

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