この不思議な建物の裏にまわると、そこもゴルファ(カマボコ型の建物)通りだった。
muze(博物館)の矢印看板があったので、それに従って行ってみる。
門のあたりにヒマそうな男たち。少し離れた所に民族衣装を着た黒人の若者。
私が近づくと、黒人の若者がこちらに向かって歩いてきた。
「見学かい?」「そう」「こっちへ」と門へ。 って言ってもどこがmuzeなの?
ここがmuzeだよ。門で入場料を払うと中へ案内してくれる。
あぁ。このゴルファ全体が郷土資料館のようになっているんだ。
中庭には古くからの彼らの生活が、人形や道具と共に紹介されている。
彼が一部屋づつ、95%のフランス語と5%の英語とジェスチャーで説明してくれる。
私は普通の人の普通の生活にとても興味があるのでかなり一生懸命聞く。
石臼をまわしてみたり、羊の毛をならす櫛で引っ張って見せてもらったり。
最後に何故か世界中のお金を展示してる部屋があって、特にイスラム諸国のお金は
めずらしくて一つ一つじっくり見てしまった。
黒人青年は面倒くさそうなそぶりも見せず、ニコニコしながら私の質問や感想に答えて
付き合ってくれている。
あまりに時間をかけているので他の館員が心配して見に来た(笑)
外に出て、2階に登って写真を撮ってもらった。
「こっちは僕の部屋だよ。見たい?」「え、ここに住んでいるの!?見たい見たい!」
と入れてもらうと、ベッドと服が数枚。以上。
隣の部屋は物置にしてるそうだけど、何もない(笑)
えらくシンプルな生活をしてるなぁ。
全て見終えると、ミントティのサービスがあった。
一緒に座ってお茶を飲む。
「これからジェルバからのフランス人の団体客が来るんだ。ここは個人の訪問はほとんどないよ。」
チュニジア南部は見所がいっぱいあると言うのに、殆どはジェルバというリゾート島から
バスで1日ないし2日のツアーで駆け足で見てまわるんだって。なんてもったいない。
なんてのんびりお話してる間にツアー客到着。
他の館員がガイドとなって見学へ。
その間に他の館員がポットにお茶を補充。
たくさんの小さなグラスをお盆に並べ、庭から摘んできたミントをちぎって入れる。
「手伝ってもいい?」「もちろん!」許可がでたたので自分もミントを入れる。
見終わった人たちに青年が「お茶どうぞ!」と勧める。
グラスを取って庭のベンチに座ってお茶をすする。
いつの間にか置いてある小皿にフランス人がチップをチャリンと入れる。
少しの間雑談し、トイレを済ませて、彼らはまた慌しく去っていった。
*********************************************************************************************************
colo さん「番外編」へのコメントありがとうございました。私も以前何かの本で読んでかすかな記憶があるのですが、史実として確定しているものと思っていました。新しい史料の発見が待たれますね。