10月のお稽古
課題吟は、大田道灌
先月から、テキストはご自身たちの希望で、それぞれが1冊を持つことになったので、解説その他は、読んでくださっているものとして、進行する予定です。
有名な逸話のあるものは、今日のように、思わずその話になりますが、なかなか上手にお話が出来なくて、歯がゆいのです。
下手な話はせず、ひたすら声を出すと言う方針は、なかなか、実行出来ていないのが、全ての面において中途半端な気がしてきました。
Nさんは、男性にしては、高い声が出るのですが、高音になるとどうしても力んでしまって、出るはずの声に伸びが無くて、ほんとにもったいない。
あくびをするように、喉は目いっぱい開けて、お腹から空気を押し出すというのは、言葉での説明では、わかりにくいようです。
練習の始めにする体操の要領を体操のときだけでなく,吟じるときも思い出して、体を解き放ってくれるように、頭ではなく体にいいきかせましょう。
実際に、良い例と、悪い例を間近で実践して、目と体で覚えてもらう方法をとってみました。
実際にできる出来ないは別として、何だかわかったような気がするところには届きました。
目が見て覚えたこと、聞き取れて違いがわかってくることは、重要な進歩の証です。
それぞれが、いろんな場面で、あれっと気づくことが、喜びに繋がります。
来月の昇段試験に向けての、練習をしましたが、十分練習をなさったようで、特に直すところも無く、満足。
当日は、間近で控えている試験官や見物人の前で、あがってしまうだろうけれども、最後まで吟じ終えることが一番。
もし、間違ってもやり直しをすることは許されているので、自分を信じて吟じましょう。
体に言い聞かせましょうと、いいながら、矛盾した練習法になっていることが、今後の課題です。
個人レッスンではないので、男性用に「3」の高さで 女性用に「5」の高さで、練習を行っています。
男性はつい声が出るものだから、「5」で合吟に加わりますが、覚えなければならない吟法に注目しながら高い音を出すと、声ではなく音を出していることになります。
音と声とはまったく違うもので、高い音を出そうとして、のどを締め付ける結果となっています。
勢い、自分の「3」の高さに戻っても、喉を絞める発声を体が覚えてしまって、出るのが声ではなく音になってしまっているのだと、私は解釈をしました。
「3」の高さで、高音も伸びやかに出せるようになってから、音を高くするかどうかを考えましょう。
頭と心と体で覚える音が、始めて「声」となって、自分を楽しませることが出来ます。
発声の癖は、速いうちに直さねばなりません。
関西弁に多い「わたり」は、ながーい宿題になりそうです。
標準語のアクセントで詩吟をするようになってから、関西のアクセントで吟じることが封じられ、「わたり」は、いけないと言う評価を受けるに当たって、お国訛りの懐かしさを、否定されたような気がして、寂しいのです。
その人らしい吟をしつつ、関西吟詩文化協会の吟法や決まりから離れすぎない吟は、いかなるものなんだろうか。