「揺り」から、連想するのは、私の場合オルティンドーの練習です。
長年詩吟を続けていましたが、まだ、そのころは揺りには興味がなく、
真っ直ぐな飾り気のない詠い方をしていました。
オルティンドーは、声を長く引いて、三種類の声の揺らし方があると、
習っていました。
一番簡単な声の揺りを得意になって詠っていましたら、揺りは、喉ではなく
お腹でゆるものですと、指摘されました。
私の直接の先生は、そのことにまだ、言及していません。
なぜなら、私には、期待して居ないからです。
先生の先輩歌手が、そのように言ってくださって、初めて、先生は、揺りについて
少しだけ説明をしてくれました。
その先がなかったということは、私の、その時の声の出し方では、どんなに
説明しても箸にも棒にもかからない。
それよりも、今出来ることは、豊かな声をまっすぐに出すことが、先ず、しなくては
いけない事と、考えていたのです。
それは、ずいぶん後になってそうだったのだろうと、分かったのですが。
それに気づいたのは、オルティンドーの歌詞をカタカナで書いたノートの端に
「肩で息をしない」と書いてあったのを見つけた時です。