論語仲間にお誘いを頂いて、プログラムを頂いておりました。
直前まで、迷っていましたが、聞きに行くことを決めて、台風接近の雨の中を出かけました。
プログラムをざっと見ていると、お誘いくださった
Kさんは、お名前を頂いている方で、ほとんどの方たちが教室ごとの合吟で出場なのですが、独吟で登壇なさっていました。
いつも、穏やかで、謙虚な方とは思っていましたが、このように流派の中で、偉い方とはちっとも存じませんでした。
初めてお聞きする吟詠は、まことに素直で、声の伸びの良いものでした。
論語の詩吟の時間には、先生と呼んでくださり、詩吟も尺八も実力者であったことを、今日になって知るのです。
そして、最近三代の後をついで、四代となられた館長の吟詠は、しゅっとして一見線が細そうなのですが、清潔感があって、内に込めた力を感じる吟詠でした。
最初の絶句独吟では、その見かけと声の質で、線が細いと感じてしまいましたが、影絵吟の「モンテンルパの丘」では、30行ほどの詩を20分間途切れることなく、最後まで、力まず吟じきられたのには、驚きました。
絶句では、うかがい知れなかった底力のある吟詠を聞かせていただいて、圧唐ウれ、驚いてしまいました。
あの、細い体の静かなたたずまいのそのどこに、隠しているのでしょう。
そして、中座して帰ろうとしたとき、ロビーで、やっとあんよしているお子さんと階段で遊んでいらっしゃる場面に遭遇して、そのやさしい人となりに触れて、ぐいっと掴まれた感あり。
ご挨拶をすると、「この大雨の中を、ありがとうございます。お気を付けて」と中座する私をねぎらって下さいました。
他流の吟詠を聞きに行くことなど、今までになかったことでした。
関吟の中にいて、特に他流に興味を引くこともなく、取り立てて、他流を拒否しているわけでもなく、機会がなかったというだけのことでしたが、詩吟とは別の会で知り合った方に誘われ、そして、先日の懇談会で、東京には、たくさん吟詠家がいますよとの言葉も、ちょっとは頭に残っていたのでしょう。
迷った挙句に、聞きに行って本当に良かったと思いました。
Kさんは、独吟のほか、チームリーダーとして合吟にも出場されていました。
前列の5人の合吟「天草の洋に泊す」(女性たちは、次の出番で後ろに控えている人たちです。
この出の様子も整然とスムーズに行われていました。)