熟年の文化徒然雑記帳

徒然なるままに、クラシックや歌舞伎・文楽鑑賞、海外生活と旅、読書、生活随想、経済、経営、政治等々万の随想を書こうと思う。

満開の佐倉城址公園(歴博)の桜

2010年04月08日 | 花鳥風月・日本の文化風物・日本の旅紀行
   温かい日差しに誘われて、印旛沼の池畔の桜並木を散策しようと思って出かけたら、週末から、同じ池畔に沿った佐倉チューリップ公園で、チューリップ祭りが始まるので、周りは、バリケードが張り巡らされて、交通整理のガードマンたちが喧しく右往左往していて、車では近づけなくなっている。
   遠くの仮説駐車場に誘導しているようだが、もう既に、かなり沢山の観光客たちがチューリップ鑑賞に来ており、週末にはどうなるのかと思える程の賑わいである。
   
   ものものしさに興ざめしたのと、オランダに3年間滞在して、キューケンホフ公園やリセのチューリップ畑で、十分過ぎるほどチューリップの美しさを楽しんできており、まだ、咲き切っていないチューリップ畑で擬似オランダを味わうこともないと思って、通り過ぎて遠回りして、佐倉の田舎の春を味わいながら、佐倉城址公園に向かった。

   この城址公園の桜は、今、やや満開を過ぎた感じのソメイヨシノの時期と、4月下旬頃の八重桜の頃と、二回楽しめる。
   この公園のソメイヨシノは、広々としたオープン・スペイスにゆったりと植えられているので、込み合って根が痛めつけられている上野や千鳥が淵のソメイヨシノのように、豪華絢爛とびっしり花を着けた風格のある桜と違って、やや、間延びしてぼんやりした感じなのだが、それだけ、野趣の味もあって楽しめるような気がしている。

   この口絵写真は、城址公園の入り口にある国立歴史民族博物館(歴博)のエントランス・ロビーを入って、左側のミュージアム・ショップ越しの大きなガラス窓から展望した満開のソメイヨシノである。
   丁度、2階壁面を全面ガラス窓にしており、それが、額縁となって、巨大な絵画のように、ぱっと、明るく迫ってくるのである。
   陽が照っていてソメイヨシノが輝いていると、桜吹雪の風情は格別で、この時期には、歴博のスペクタクルな素晴らしい特別展を鑑賞できると言うことである。

   今咲いている桜は、大半ソメイヨシノで、白い雲が棚引いているようなぼやっとした雰囲気だが、ややピンクが勝った枝垂れ桜や、鮮やかな濃い桃色のキクモモやハナモモが彩を添えている。
   茶室のカエデが、真っ赤に芽吹きはじめているのだが、やはり、点景として、鮮やかな色の配色がないと、桜が満開だと言っても、庭の面白みに欠ける気がする。

   この公園には、結構、椿の巨木があるのだが、殆ど薄暗い木陰に植えられた藪椿で、どうしても、濃緑で真っ黒な感じの木に、ちらほら、黄色い蘂と真っ赤な花弁が見え隠れしているのだが、殆ど、目立たず、下草の上の落ち椿を見て、見上げて、やっと気づくと言ったところである。

   本丸跡の緑地には、結構、沢山の花見客が来ていて、三々五々シートに車座で座って憩っている。流石に、メートルを上げている宴会はない。
   まだ、八重桜の蕾は固く、咲いているのはソメイヨシノばかりだが、一本だけ真っ白な花を広げたオオシマザクラの巨木があって、そこだけ、違った風情を醸し出していて面白い。

   菖蒲園の程近い池畔に、スザクと言う名の八重桜の巨木があって、薄い綺麗なピンクの花を着けている。
   木陰から鶯の鳴き声が聞こて来て長閑だが、誰も、人は来ない。
   菖蒲園は、鮮やかな緑や黄緑の芽が吹き始めて、初夏の準備に入っている。
   周りの紫陽花も、葉が大分茂って来ており、来月から6月にかけて、この当たりが花で美しく輝く。
   
   私は、あまりにも定番過ぎて、余程の風景でないと、ソメイヨシノには、あまり興味がなく、他の種類の桜を探して鑑賞することにしている。
   この歴博の側に、かなり年を経たサトザクラが1本植わっていて、綺麗な真っ白の花をたわわにつけて美しかった。
   小さな木なのだが、空洞化して涸れかけた幹から新しい枝が出てきて、小さな白っぽい花を開きかけたコトブキと言う桜が1本植わっていた。
   それに、まだ小さな木なのだが、私の好きなヤエムラサキザクラが、やや紫がかったピンクの清楚な花を咲かせていたので、嬉しかった。
   昔、私の庭に、普賢象と言う八重桜を植えていたのだが、虫にやられて涸れてしまったので、大きさに困っていたのでこれ幸いと切ってしまったのだが、この桜なら植えても良いと思っている。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする