田沢湖は、実に美しい湖である。
湖岸に近づくと、まず、その水面の美しさに感動する。
透明度が、摩周湖の次に高いと言うから、とにかく、水面が透き通って見えていて、それに、水深が423.4メートルと日本一の深さで、その湖面は、あるところではコバルトブルー、あるところでは、瑠璃色と言うか、深い緑色を帯びた濃青と言うか、深いブルーの何とも言えない美しい色をしていて、スイス・アルプスで見た素晴らしい絵のような湖を思い出した。
裏磐梯の五色沼の水面も美しいが、この湖のブルーは、正真正銘の水の青さなのであるから、正に感動である。
それに、湖なのに、波打ち際には、白い砂浜が広がっていて、湖岸に林立する赤松越しに湖面を見ると、正に、白砂青松の絵のような海岸風景が広がっているのである。
残念ながら、その湖岸に、客が居なくて陸揚げされている白鳥のボートが並んでいるのが、如何にも無粋なのだが、観光シーズンには、人々で賑わうのであろうか。
しかし、この湖は、比較的乱開発が少なくて、湖岸の観光施設そのものも控え目のようで、自然の佇まいが残っていて、湖岸をドライブしていても、自然の美しい風景を満喫できて、非常に快適である。
丁度、新緑が萌えて一番緑が美しいシーズンなので、一層、湖面の美しさが引き立つのかも知れない。
特に、この日は快晴で、太陽の光が燦々と湖に降り注いでいて、その光を吸収して益々青さを増している。
うかつにも、全く知らなかったのだが、この湖には、美しいたつこと言う乙女が永遠の美貌を求めた為に龍になったと言う辰子伝説があって、岸から少し離れた湖面に金色に光り輝く美しいたつこのヌード像が立っている。
乙女の彫刻で有名なのは、コペンハーゲンにある人魚姫の像だが、あれは、あまりにも小さくて貧弱なので、初めて見た人はびっくりするのだが、このたつこ像は、台座2メートル高さ2.3メートルの立像であり金ぴかに光り輝いているので、辰子伝説を知らない人には、逆に、異様に見えるであろうと思われるほど目立っている。
解説によると、「辰子は姿の良い、雪のような白い肌と黒い瞳の娘となり、その美しさは村中の評判となった」と言うほどの美人だったのだが、水鏡に映った美しい自分の姿に大きく心が揺れて、何時までも若く美しくありたいと、院内岳の大蔵観音に願掛けて、龍に化身したのだと言う。
長寿を願って、あらゆる食べ物を試みたと言う中国人の話と良く似ているが、すでに美しくて皆の羨望の的なのに、何故それに満足出来ずに永遠の美貌を求めるのか。生老病死、四苦八苦を背負った死すべき運命にある人間の性を思えば、年齢に応じた美しさを保つことにこそ腐心すべきだと思うのだが、願われた大蔵漢音も、たつこの願いを叶える為には龍に化身させる以外に方法はなかったのであろう。
以前に、イギリスに住んでいた時に、スコットランドのネス湖をドライブしたことがあるが、ここにには、ネッシーと言う怪物が住んでいると言う伝えがある。
田沢湖の方が、はるかに神秘的で美しいと思うのだが、湖には、どこか、神秘的で不可思議で、季節の移り変わりとともに異様に変化して人々を恐れさせる霊気のようなものがあるので、龍や怪獣たちが住むという伝説が生まれるのであろうか。
翌朝、早く起きて、もやに霞んだダークブルーのネス湖の湖面を見て、何となくそんな気がしたのである。
さて、美しい女性と言うことだが、世界中をあっちこっち歩きながら、長い人生を過ごして来たので、それなりに、美しい女性に巡りあい、と言うよりも、見たと言う経験が結構ある筈だが、それ程、記憶に残っていないのが不思議である。
美しい人と言ってもどう言う意味なのか、人夫々で、ケインズの美人投票と同じで、自分が美人だと思った人には投票せず、人々が美人だと思って投票するであろう人に投票するのが人間だから、どうしても他人の目に影響されてしまう。
可愛い、セクシーである、魅力的である、色々な表現があるのだが、美しい女性は、男にとっては、やはり、憧れであり、ある時には、生き甲斐となるのであろうが、美しいという表現よりも印象に強く残り忘れられない女性と言う人の方が大切であり、案外、そんな人は、身近に居ることが多いような気がしている。
私が出会った女性で、記憶に残っている美しい人は、ダイアナ妃である。
ロンドンで、ある厚生施設の開所式のレセプションで、主賓のダイアナ妃を入り口で並んで出迎える役割を引き受けた時が最初で、握手をして二言三言お話したのだが、その後そばに居て、椅子に座って自分の大きなポートレートにサインをするダイアナ妃を、真横に立って見ていたので、やはり、実際に動きを伴った生身のダイアナ妃の美しさは格別で、報道写真では見られない程、美しくて魅力的であった。
その後、ロンドン交響楽団の演奏会のエントランスホールで、真横で一回、そのほかは、ロイヤルバレーやロイヤルオペラなどの観劇での機会で何回か、その他大勢で見たというところだが、まだ、離婚前の若々しいダイアナ妃の姿であった。
たつこ伝説で、話が飛んでしまったが、あの神秘的な摩周湖も美しいが、この田沢湖も実に素晴らしい湖だと思いながら、湖畔を後にして角館に急いだ。
湖岸に近づくと、まず、その水面の美しさに感動する。
透明度が、摩周湖の次に高いと言うから、とにかく、水面が透き通って見えていて、それに、水深が423.4メートルと日本一の深さで、その湖面は、あるところではコバルトブルー、あるところでは、瑠璃色と言うか、深い緑色を帯びた濃青と言うか、深いブルーの何とも言えない美しい色をしていて、スイス・アルプスで見た素晴らしい絵のような湖を思い出した。
裏磐梯の五色沼の水面も美しいが、この湖のブルーは、正真正銘の水の青さなのであるから、正に感動である。
それに、湖なのに、波打ち際には、白い砂浜が広がっていて、湖岸に林立する赤松越しに湖面を見ると、正に、白砂青松の絵のような海岸風景が広がっているのである。
残念ながら、その湖岸に、客が居なくて陸揚げされている白鳥のボートが並んでいるのが、如何にも無粋なのだが、観光シーズンには、人々で賑わうのであろうか。
しかし、この湖は、比較的乱開発が少なくて、湖岸の観光施設そのものも控え目のようで、自然の佇まいが残っていて、湖岸をドライブしていても、自然の美しい風景を満喫できて、非常に快適である。
丁度、新緑が萌えて一番緑が美しいシーズンなので、一層、湖面の美しさが引き立つのかも知れない。
特に、この日は快晴で、太陽の光が燦々と湖に降り注いでいて、その光を吸収して益々青さを増している。
うかつにも、全く知らなかったのだが、この湖には、美しいたつこと言う乙女が永遠の美貌を求めた為に龍になったと言う辰子伝説があって、岸から少し離れた湖面に金色に光り輝く美しいたつこのヌード像が立っている。
乙女の彫刻で有名なのは、コペンハーゲンにある人魚姫の像だが、あれは、あまりにも小さくて貧弱なので、初めて見た人はびっくりするのだが、このたつこ像は、台座2メートル高さ2.3メートルの立像であり金ぴかに光り輝いているので、辰子伝説を知らない人には、逆に、異様に見えるであろうと思われるほど目立っている。
解説によると、「辰子は姿の良い、雪のような白い肌と黒い瞳の娘となり、その美しさは村中の評判となった」と言うほどの美人だったのだが、水鏡に映った美しい自分の姿に大きく心が揺れて、何時までも若く美しくありたいと、院内岳の大蔵観音に願掛けて、龍に化身したのだと言う。
長寿を願って、あらゆる食べ物を試みたと言う中国人の話と良く似ているが、すでに美しくて皆の羨望の的なのに、何故それに満足出来ずに永遠の美貌を求めるのか。生老病死、四苦八苦を背負った死すべき運命にある人間の性を思えば、年齢に応じた美しさを保つことにこそ腐心すべきだと思うのだが、願われた大蔵漢音も、たつこの願いを叶える為には龍に化身させる以外に方法はなかったのであろう。
以前に、イギリスに住んでいた時に、スコットランドのネス湖をドライブしたことがあるが、ここにには、ネッシーと言う怪物が住んでいると言う伝えがある。
田沢湖の方が、はるかに神秘的で美しいと思うのだが、湖には、どこか、神秘的で不可思議で、季節の移り変わりとともに異様に変化して人々を恐れさせる霊気のようなものがあるので、龍や怪獣たちが住むという伝説が生まれるのであろうか。
翌朝、早く起きて、もやに霞んだダークブルーのネス湖の湖面を見て、何となくそんな気がしたのである。
さて、美しい女性と言うことだが、世界中をあっちこっち歩きながら、長い人生を過ごして来たので、それなりに、美しい女性に巡りあい、と言うよりも、見たと言う経験が結構ある筈だが、それ程、記憶に残っていないのが不思議である。
美しい人と言ってもどう言う意味なのか、人夫々で、ケインズの美人投票と同じで、自分が美人だと思った人には投票せず、人々が美人だと思って投票するであろう人に投票するのが人間だから、どうしても他人の目に影響されてしまう。
可愛い、セクシーである、魅力的である、色々な表現があるのだが、美しい女性は、男にとっては、やはり、憧れであり、ある時には、生き甲斐となるのであろうが、美しいという表現よりも印象に強く残り忘れられない女性と言う人の方が大切であり、案外、そんな人は、身近に居ることが多いような気がしている。
私が出会った女性で、記憶に残っている美しい人は、ダイアナ妃である。
ロンドンで、ある厚生施設の開所式のレセプションで、主賓のダイアナ妃を入り口で並んで出迎える役割を引き受けた時が最初で、握手をして二言三言お話したのだが、その後そばに居て、椅子に座って自分の大きなポートレートにサインをするダイアナ妃を、真横に立って見ていたので、やはり、実際に動きを伴った生身のダイアナ妃の美しさは格別で、報道写真では見られない程、美しくて魅力的であった。
その後、ロンドン交響楽団の演奏会のエントランスホールで、真横で一回、そのほかは、ロイヤルバレーやロイヤルオペラなどの観劇での機会で何回か、その他大勢で見たというところだが、まだ、離婚前の若々しいダイアナ妃の姿であった。
たつこ伝説で、話が飛んでしまったが、あの神秘的な摩周湖も美しいが、この田沢湖も実に素晴らしい湖だと思いながら、湖畔を後にして角館に急いだ。