熟年の文化徒然雑記帳

徒然なるままに、クラシックや歌舞伎・文楽鑑賞、海外生活と旅、読書、生活随想、経済、経営、政治等々万の随想を書こうと思う。

イングリッショローズ:アブラハム・ダービー

2010年06月17日 | 花鳥風月・日本の文化風物・日本の旅紀行
   鉢植えのイングリッシュローズのうち、アブラハム・ダービーの最初の花が咲いた。
   ピンクとアプリコット系が交じり合った複雑な色合いの花と言うことだが、茶色がかったピンクと言うか、私の愛飲しているダージリン紅茶に近い色合いである。
   薄い花弁が密集したロゼット咲きの花で、10センチ以上もあるので重たくて、うつむき加減なので、写真に撮り難い。

   名前の由来を調べると、鉄の大量生産を可能にした技術を開発して産業革命に貢献した人物の名前だと言う。
   忘れていたが、イギリスは産業革命の発祥地なのである。

   イギリスに住んでいた時、産業革命が産声を上げたブラック・カントリー(黒郷)に行ったことがある。
   開発公社だったか組織は忘れたが、当地の代表をしていたフランシス氏を知っていたので、産業革命の息吹を感じることが出来ると思って、喜んで出かけて案内をしてもらった。
   昔のことなので、良く覚えていないが、村の鍛冶屋と言った感じの工場跡地などが残っていたが、勿論、近代的な工業地帯とは程遠く、生産活動の爆発的な転換と言っても、やはり、当時としても、それ程、大規模な変化と言うことでもなかったらしい。
   しかし、ロンドンで、カール・マルクスが住んでいた家が、クオバディスと言うイタリアレストランになっていて、良く訪れて、マルクスが起居していた屋根裏部屋に入った時の実感と同じように、産業革命の発祥地を見たと言うブラック・カントリー訪問は、私にとって、エポックメイキングな出来事でもあった。

   ところで、デイビッド・オースティンの開発したイングリッシュローズには、カンタベリー物語は勿論、シェイクスピア戯曲の登場人物などの名前も、結構、使われている。
   偶々、ヘンリー4世やウインザーの陽気な女房たちで大活躍するファルスタッフと言う赤いイングリッシュローズを見つけて植えてあり、もうすぐ、咲きそうなので、楽しみにしている。
   
コメント
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