鎌倉山の回遊式庭園蕎麦処「檑亭」と言うふれ込みの店で、友人たちと昼食を共にしながら、午後のひと時を過ごした。
非常に穏やかな温かい日であり、私は、散策を楽しみながら歩いて出かけたが、友人の一人は、遠い茂原から来ていた。
会食の場所を持ち歩いているので、今回は、私にとっては、偶々の好都合だったのである。
普通は、東京・上野の懐石・会席料理”韻松亭”で、こじんまりした茶室の雰囲気の部屋で会食をしているのだが、メンバーの5人とも、外国暮らしが長いし、その内、3人は米国で大学院生活を送っており、紅一点のお嬢さんは、大半欧米暮らしで半分イタリア人だし、とにかく、海外生活に慣れた人間ばかりだが、必ず、日本料理店を選んで、色々な地方のお酒を賞味しながら会話を楽しんでいる。
アメリカで一緒に仕事をしていた時には、ロスに長い友人達は、ナパのカリフォルニア・ワインを説き、フランス関係に駐在の長い友人は、ボルドーやブルゴーニュ・ワインを勧め、イギリスにいた私は、スコッチ・ビーフの素晴らしさを強調するなど、とにかく、洋食ばかりで、名店と言われるレストランをはしごしていたのだが、今では、誰も、ワインがどうだとか、フレンチがどうだとか、言わなくなったのが不思議である。
私の場合には、酒にはかなり強くて飲めるのだが、家で、晩酌する習慣はなかったし、普通は飲まないのだが、欧米生活が長くなって、欧米人たちとの会食やビジネス・ディナーなどが多くなってからは、酒を伴った食事を楽しむようになった。
今でも、酒を飲むのが楽しいと言う訳ではないので、晩酌と言う程ではなく、時々、食事のメニューにもよるが、少しだが、酒をたしなんでいる。
常備しているのは、赤ワインだが、最近は、冷酒で飲める大吟醸酒を常備に加えて、楽しんでいる。
ヨーロッパで、相性が良いと、ワインと食事が調和して、美味しさが増幅して益々楽しめると言うことが分かったので、酒は、私にとっては、百薬の長と言うのみならず、食事を美味しくする触媒のようなものなのである。
ところで、日本人は、食事のメニューなどとは関係なく、ロマネコンテがどうだとか、何年ものの何が良いとか、銘柄ばかりに拘るが、私の経験では、ヨーロッパをあっちこっち歩いていて、ミシュランの三つ星や二つ星などのレストランでは多少違うが、その地方の高級レストランでも、食事を楽しむためには、その地方の有名ワインや地酒が最も良いことが分かったのである。
どうせ、日本人の私が知っているワインに関する知識など知れているので、出来るだけ、ソムリエに、その地方の良いワインを選んで貰って嗜んでいたが、間違っていなかったように思う。
これは、ドイツでも、地ビールが一番おいしく、ソーセージも、ウインナー、フランクフルター、ニュールンベルガー等々地のものに合って一番美味しいのだし、日本に帰ってからは、仕事柄全国を回る機会が多くなって、地方での会食には、地酒が一番合って美味しいのだと言うこと分かった。
食文化と言うのは、そう言うものなのである。
さて、話が飛んでしまったのだが、檑亭の午後のひと時は素晴らしかった。
広大な庭園は、粗削りで、旧鎌倉市内の古社寺の庭園や京都の庭園のように手入れは、それ程行き届いているようには思えなかったが、山並みの向こうに海が広がり江の島の街が見えて、この日は霞んでいて見えなかったが、富士が遠望できると言う。
竹林なども茂っていて、海側に向かって下っている林間の散策路も長く続いていて良い。
梅に蕾が少し膨らみかけていて、桜の大木もかなりあって、春や秋のシーズンには美しくなるのであろう。



庭園内には、石造の十王像や羅漢像、それに、国東から持ち込んだと言う石造仁王像、夢殿を模した八角堂、移築した古い茶室等々、良く分からないような形で色々なものが鎮座ましましているのだが、どこか、古寺の風情である。
苑内には、広大な敷地に色々な花木や草花などが植えられているので、これから、温かくなって季節が良くなると、咲き乱れて美しくなるであろう。
鎌倉駅から、それ程便が良いと思えないバスで20分くらいの所で、食事をすると、殆ど半日くらいは時間を取るので、鎌倉観光の中に組み込むのは難しいかも知れないのだが、ゆっくり時間を過ごすのには良いところであろう。


非常に穏やかな温かい日であり、私は、散策を楽しみながら歩いて出かけたが、友人の一人は、遠い茂原から来ていた。
会食の場所を持ち歩いているので、今回は、私にとっては、偶々の好都合だったのである。
普通は、東京・上野の懐石・会席料理”韻松亭”で、こじんまりした茶室の雰囲気の部屋で会食をしているのだが、メンバーの5人とも、外国暮らしが長いし、その内、3人は米国で大学院生活を送っており、紅一点のお嬢さんは、大半欧米暮らしで半分イタリア人だし、とにかく、海外生活に慣れた人間ばかりだが、必ず、日本料理店を選んで、色々な地方のお酒を賞味しながら会話を楽しんでいる。
アメリカで一緒に仕事をしていた時には、ロスに長い友人達は、ナパのカリフォルニア・ワインを説き、フランス関係に駐在の長い友人は、ボルドーやブルゴーニュ・ワインを勧め、イギリスにいた私は、スコッチ・ビーフの素晴らしさを強調するなど、とにかく、洋食ばかりで、名店と言われるレストランをはしごしていたのだが、今では、誰も、ワインがどうだとか、フレンチがどうだとか、言わなくなったのが不思議である。
私の場合には、酒にはかなり強くて飲めるのだが、家で、晩酌する習慣はなかったし、普通は飲まないのだが、欧米生活が長くなって、欧米人たちとの会食やビジネス・ディナーなどが多くなってからは、酒を伴った食事を楽しむようになった。
今でも、酒を飲むのが楽しいと言う訳ではないので、晩酌と言う程ではなく、時々、食事のメニューにもよるが、少しだが、酒をたしなんでいる。
常備しているのは、赤ワインだが、最近は、冷酒で飲める大吟醸酒を常備に加えて、楽しんでいる。
ヨーロッパで、相性が良いと、ワインと食事が調和して、美味しさが増幅して益々楽しめると言うことが分かったので、酒は、私にとっては、百薬の長と言うのみならず、食事を美味しくする触媒のようなものなのである。
ところで、日本人は、食事のメニューなどとは関係なく、ロマネコンテがどうだとか、何年ものの何が良いとか、銘柄ばかりに拘るが、私の経験では、ヨーロッパをあっちこっち歩いていて、ミシュランの三つ星や二つ星などのレストランでは多少違うが、その地方の高級レストランでも、食事を楽しむためには、その地方の有名ワインや地酒が最も良いことが分かったのである。
どうせ、日本人の私が知っているワインに関する知識など知れているので、出来るだけ、ソムリエに、その地方の良いワインを選んで貰って嗜んでいたが、間違っていなかったように思う。
これは、ドイツでも、地ビールが一番おいしく、ソーセージも、ウインナー、フランクフルター、ニュールンベルガー等々地のものに合って一番美味しいのだし、日本に帰ってからは、仕事柄全国を回る機会が多くなって、地方での会食には、地酒が一番合って美味しいのだと言うこと分かった。
食文化と言うのは、そう言うものなのである。
さて、話が飛んでしまったのだが、檑亭の午後のひと時は素晴らしかった。
広大な庭園は、粗削りで、旧鎌倉市内の古社寺の庭園や京都の庭園のように手入れは、それ程行き届いているようには思えなかったが、山並みの向こうに海が広がり江の島の街が見えて、この日は霞んでいて見えなかったが、富士が遠望できると言う。
竹林なども茂っていて、海側に向かって下っている林間の散策路も長く続いていて良い。
梅に蕾が少し膨らみかけていて、桜の大木もかなりあって、春や秋のシーズンには美しくなるのであろう。



庭園内には、石造の十王像や羅漢像、それに、国東から持ち込んだと言う石造仁王像、夢殿を模した八角堂、移築した古い茶室等々、良く分からないような形で色々なものが鎮座ましましているのだが、どこか、古寺の風情である。
苑内には、広大な敷地に色々な花木や草花などが植えられているので、これから、温かくなって季節が良くなると、咲き乱れて美しくなるであろう。
鎌倉駅から、それ程便が良いと思えないバスで20分くらいの所で、食事をすると、殆ど半日くらいは時間を取るので、鎌倉観光の中に組み込むのは難しいかも知れないのだが、ゆっくり時間を過ごすのには良いところであろう。


