熟年の文化徒然雑記帳

徒然なるままに、クラシックや歌舞伎・文楽鑑賞、海外生活と旅、読書、生活随想、経済、経営、政治等々万の随想を書こうと思う。

国立劇場の初春の雰囲気

2014年01月15日 | 花鳥風月・日本の文化風物・日本の旅紀行
   半蔵門の国立劇場は、今月は、通し狂言「三千両初春駒曳」の初春らしく華やかな舞台が展開されている。
   まだ、正月気分が残っているのか、劇場内の雰囲気も、心なしか華やいでいる。

   口絵写真は、劇場の正面玄関だが、歌舞伎座とは大分違った風情で、面白い。
   私など、何時ものように、遅れて劇場に着くことが多いのだが、開演前は賑やかだったのであろう。
   

   この劇場の良さは、歌舞伎座とは違って、ロビーが格段に広いことであって、吹き抜けになっていて、横左右に上階への階段とエスカレーターが伸びているので、解放感は抜群である。
   場内への入り口正面に置かれている2メートルの「鏡獅子」は、六代目尾上菊五郎をモデルに二十年の歳月をかけて作られた平櫛田中の作品だが、この素晴らしい彫刻に迎えられて入場する開演前の浮き立つような雰囲気は中々のものである。
   

   ロビーのインテリアや飾りつけも、やはり、正月のためか、多少華やかな雰囲気で、歌舞伎役者の羽子板飾りもお馴染みだが、一つ一つ見ていると、舞台が彷彿として来て面白い。
   売店は、各所に散らばっているので、歌舞伎座のように混雑はしていないし、毎回、歌舞伎の演目に因んだ、あるいは、その歌舞伎の舞台の特産品などの販売コーナーが設置されていて、結構、人気を呼んでいる。
   それに、歌舞伎関係が主体だが、プログラム売り場に、関係本やDVDなどが売られていて、参考になるのだが、これは、国立能楽堂でも、専門の出版社が販売コーナーを設けていて、私などには、有難いことである。
   
   
   
   
   ロビーだが、新歌舞伎座は、前の歌舞伎座をほぼ踏襲しているので、3階は多少広くなったが、正面ロビーも2階ロビーも、殆どそのままなので、圧迫感は、相変わらずで、お客の出入り時には、大変な混雑を来す。
   確か、ロンドンのロイヤルオペラも、改装時に、正面ロビーや2階の空間などをそのまま残したが、その代わり、隣接して広い空間を取ってパブリック・スペースとしたので、一気に、解放感が増して、雰囲気が良くなった。
   尤も、ロンドンのウエストエンドや、ニューヨークのブロードウェイの著名なミュージカル劇場などでは、殆どロビー空間がないような劇場が、結構あるのだが、折角の新装であったから、歌舞伎座には、もっと、パブリックスペースを広げて欲しかったと思っている。

   寒かったが、休憩時に、何時ものように、正面の庭に出た。
   道路を隔てて正面は、半蔵門のお堀り端で、右手には霞が関の官庁街のビルが広がっている。
   春には、梅や桜が咲いて、綺麗な庭園なのだが、今は、まだ寒い真冬なので、殆ど花気はない。
   左右に、何株かのロウバイが咲いていて、午後の陽を浴びて光っている。
   花と言えば、この花だけだが、ほっとする。
   
   
   

   良く見ると、カンサラサ(寒更紗)と言うボケの花が、数輪、申し訳なさそうに咲いていた。
   この花は、秋咲きで、始めは白色で、桃色更紗絞りに変わるのだと言う。
   しかし、綺麗なしっかりとした蕾が沢山ついているので、普通のボケと同じように、これからも咲くのであろう。
   このボケの下に、下草のように万両が植わっていて、赤い実とのコントラストが面白かった。
   梅や桜の蕾がまだ固かったが、もうすぐ春である。
   
   
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする