東京では、綺麗な皆既月食が見えたようだが、ここ鎌倉では、厚い雲がかかって、とうとう月が見えなかった。
近くの和菓子処で、だんごを買ってきて、庭ののすすきを切って備前の花瓶に挿して、孫と月見をしようと思ったのだが、残念ながら、空振りに終わった。
俄か作りのすすきの生け花だが、庭に萩の花が咲いていなかったし、一応、秋の七草など流儀や約束事があるのであろうが、我流で、雰囲気を出そうと、庭にある材料で生けて見た。
実が綺麗であったので伽羅の枝を、そして、アベリア、ミニトマト ect.、そんなところだが、それなりのムードが出れば良かったのである。
花鳥風月、自然の美しさに恵まれた日本人の感性の豊かさが、典型的に表れているのが、月への限りなき憧憬と言うか思いであろうか。
あっちこっち歩いていて、日本で見る月よりも、もっともっと美しいと思える月影や月光を見たことがあるのだが、どうも、私のこれまでの経験では、欧米など、日本人程、月に思いを馳せる国はなかったように思う。
満月よりも十三夜を愛でる中国も、月への思いいれが強いのだろうが、これは、東アジア人の特色であろうか。
さて、カレントトピックへの雑感を少々。
青色LEDで三人の日本オリジンの科学者が、ノーベル賞物理学賞を受賞して、日本中が湧いている。
素晴らしい快挙である。
今回、最も注目すべきは、米国留学組ではなくて、日本で研究を続けた学者たちが、ノーベル賞を受賞したことで、特に、中村修二教授(米国籍)が、日本の地方の企業で、青色LEDの実用化に向かって大きな一歩を生み出した大発見は特筆もので、これこそ、日本のものづくり元年と記念すべきエポックメイキングである。
これまで、日本の科学技術が、その持続的テクノロジーの深掘りばかりで、破壊的イノベーションを生み出し得ないところに、問題があると、このブログで書いて来たのだが、今回のノーベル賞受賞は、そうではないことを如実に示していて、正に、日本の科学技術、ものづくりの明るい将来像を示していて、非常に喜ばしい。
尤も、中村教授が指摘するように、いまだに、日本が、ノーベル賞科学者や革新的でクリエイティブなイノベーターを育む土壌にはないと言うことである。
もうひとつのカレントトピックスで、注視すべきは、イスラム国の台頭で、シリア北部で、イスラム国とクルド人が激しい戦闘状態にあり、米軍などの空爆が加速していると言う。
深刻な問題は、日本でも、北大生のシリア渡航が話題になっているのだが、たった3万人弱と言うイスラム国戦士に、フランス、ドイツ、アメリカ、インドネシアを筆頭に、10数か国から何千人もの若者が参加していることである。
欧米主体の現在資本主義制度下でのグローバル世界に不満を持つ分子が、義勇兵の如く、維新を目指すべく大挙して戦闘に加わっており、最早、イスラム原理主義の過激派運動に止まらず、是非はともかく、建前上、アメリカナイゼーションによって築かれているアメリカ主体の世界秩序に反旗を翻して、新秩序の構築を標榜している。
夫々の母国のパスポートを所持しているこれらの欧米人たちの若者が、母国へ散って行けば、イスラム国思想なりドクトリンが、グローバルベースで拡散して行き、これまでのテロ構造を根本的に変えてしまう。
ピケッティの「21世紀の資本論」で提起されて注目されているように、グローバルベースでの「格差拡大」と「貧困層の拡大」への人類社会の危機が、最大の争点のようだが、権力構造が、強者に集中している以上、イスラム国が勝利を収める可能性は少ないであろう。
しかし、突然、蜃気楼のように忽然と現れて、国家樹立宣言をなして、世界を敵に廻して戦うと言う、歴史上でもまれな現象であり、グローバリゼーションの政治局面での新展開として、非常に、深刻な問題を提起して、このインパクトはあまりにも大きい。
香港でも、民主的な普通選挙を求める学生たちの激しい抗議行動が、政府との対話開始で新局面を迎えている。
香港の一国二制度が危機に直面しているのだが、他のチベットやウイグル自治区と違って、香港は、生粋の民主主義国家として生まれ育ってきた国であって、中国の支配体制に馴染めるわけがなく、全人代で決定を見たとは言え、絶対に認める訳には行かない。
しかし、中国共産党としては、ここで香港に妥協をすると、台湾のみならず、チベットやウイグル自治区への示しがつかず、絶対に、学生たちの要求を認める訳には行かない。
先にルトワックの「戦略論」を引用して中国の誤った世界戦略について触れたが、少しずつ、意図に反して窮地に嵌まり込んで行くような気がしている。
先ごろのスコットランドの独立運動と同じように、スペインのカタロニアやバスク、カナダのケベック、デンマークのグリーンランド等々、昔から、独立を求める運動が、世界各地で渦巻いており、民族自決に対する人々の戦いは、熾烈を極めている。
今日のグローバル経済化においても、国家経済よりも、効率の良い中規模の地域国家体制が、脚光を浴び始めている。
独立と言う形ではなくても、強力な自治権を保持した連邦形式の、半独立体制を認めた緩やかな連携システムへの移行が望ましいのではないかと思う。
今回のスコットランドの場合でも、独立すれば、恐らく享受できなかったであろうUKの一部としての利点を温存しながら、かつ、大幅な自治権を認められるようになったのであるから、正に、スコットランドにとっては、御の字ではなかったかと思っている。
近くの和菓子処で、だんごを買ってきて、庭ののすすきを切って備前の花瓶に挿して、孫と月見をしようと思ったのだが、残念ながら、空振りに終わった。
俄か作りのすすきの生け花だが、庭に萩の花が咲いていなかったし、一応、秋の七草など流儀や約束事があるのであろうが、我流で、雰囲気を出そうと、庭にある材料で生けて見た。
実が綺麗であったので伽羅の枝を、そして、アベリア、ミニトマト ect.、そんなところだが、それなりのムードが出れば良かったのである。
花鳥風月、自然の美しさに恵まれた日本人の感性の豊かさが、典型的に表れているのが、月への限りなき憧憬と言うか思いであろうか。
あっちこっち歩いていて、日本で見る月よりも、もっともっと美しいと思える月影や月光を見たことがあるのだが、どうも、私のこれまでの経験では、欧米など、日本人程、月に思いを馳せる国はなかったように思う。
満月よりも十三夜を愛でる中国も、月への思いいれが強いのだろうが、これは、東アジア人の特色であろうか。
さて、カレントトピックへの雑感を少々。
青色LEDで三人の日本オリジンの科学者が、ノーベル賞物理学賞を受賞して、日本中が湧いている。
素晴らしい快挙である。
今回、最も注目すべきは、米国留学組ではなくて、日本で研究を続けた学者たちが、ノーベル賞を受賞したことで、特に、中村修二教授(米国籍)が、日本の地方の企業で、青色LEDの実用化に向かって大きな一歩を生み出した大発見は特筆もので、これこそ、日本のものづくり元年と記念すべきエポックメイキングである。
これまで、日本の科学技術が、その持続的テクノロジーの深掘りばかりで、破壊的イノベーションを生み出し得ないところに、問題があると、このブログで書いて来たのだが、今回のノーベル賞受賞は、そうではないことを如実に示していて、正に、日本の科学技術、ものづくりの明るい将来像を示していて、非常に喜ばしい。
尤も、中村教授が指摘するように、いまだに、日本が、ノーベル賞科学者や革新的でクリエイティブなイノベーターを育む土壌にはないと言うことである。
もうひとつのカレントトピックスで、注視すべきは、イスラム国の台頭で、シリア北部で、イスラム国とクルド人が激しい戦闘状態にあり、米軍などの空爆が加速していると言う。
深刻な問題は、日本でも、北大生のシリア渡航が話題になっているのだが、たった3万人弱と言うイスラム国戦士に、フランス、ドイツ、アメリカ、インドネシアを筆頭に、10数か国から何千人もの若者が参加していることである。
欧米主体の現在資本主義制度下でのグローバル世界に不満を持つ分子が、義勇兵の如く、維新を目指すべく大挙して戦闘に加わっており、最早、イスラム原理主義の過激派運動に止まらず、是非はともかく、建前上、アメリカナイゼーションによって築かれているアメリカ主体の世界秩序に反旗を翻して、新秩序の構築を標榜している。
夫々の母国のパスポートを所持しているこれらの欧米人たちの若者が、母国へ散って行けば、イスラム国思想なりドクトリンが、グローバルベースで拡散して行き、これまでのテロ構造を根本的に変えてしまう。
ピケッティの「21世紀の資本論」で提起されて注目されているように、グローバルベースでの「格差拡大」と「貧困層の拡大」への人類社会の危機が、最大の争点のようだが、権力構造が、強者に集中している以上、イスラム国が勝利を収める可能性は少ないであろう。
しかし、突然、蜃気楼のように忽然と現れて、国家樹立宣言をなして、世界を敵に廻して戦うと言う、歴史上でもまれな現象であり、グローバリゼーションの政治局面での新展開として、非常に、深刻な問題を提起して、このインパクトはあまりにも大きい。
香港でも、民主的な普通選挙を求める学生たちの激しい抗議行動が、政府との対話開始で新局面を迎えている。
香港の一国二制度が危機に直面しているのだが、他のチベットやウイグル自治区と違って、香港は、生粋の民主主義国家として生まれ育ってきた国であって、中国の支配体制に馴染めるわけがなく、全人代で決定を見たとは言え、絶対に認める訳には行かない。
しかし、中国共産党としては、ここで香港に妥協をすると、台湾のみならず、チベットやウイグル自治区への示しがつかず、絶対に、学生たちの要求を認める訳には行かない。
先にルトワックの「戦略論」を引用して中国の誤った世界戦略について触れたが、少しずつ、意図に反して窮地に嵌まり込んで行くような気がしている。
先ごろのスコットランドの独立運動と同じように、スペインのカタロニアやバスク、カナダのケベック、デンマークのグリーンランド等々、昔から、独立を求める運動が、世界各地で渦巻いており、民族自決に対する人々の戦いは、熾烈を極めている。
今日のグローバル経済化においても、国家経済よりも、効率の良い中規模の地域国家体制が、脚光を浴び始めている。
独立と言う形ではなくても、強力な自治権を保持した連邦形式の、半独立体制を認めた緩やかな連携システムへの移行が望ましいのではないかと思う。
今回のスコットランドの場合でも、独立すれば、恐らく享受できなかったであろうUKの一部としての利点を温存しながら、かつ、大幅な自治権を認められるようになったのであるから、正に、スコットランドにとっては、御の字ではなかったかと思っている。