Bloombergが、”暮らしに「ゆとりがない」がアベノミクス前の水準に悪化”と言う記事を配信していた。
”1年前と比べて現在の暮らし向きに「ゆとりがなくなってきた」という家計が全体の約半数に達し、安倍政権が誕生する直前の水準まで高まっていることが日本銀行の調査で分かった。”と言うのである。
”「ゆとりがなくなってきた」と答えた人にその理由(複数回答)を聞いたところ、「物価が上がったから」という回答が66.2%に達し、「給与や事業などの収入が減ったから」の48.5%を上回り、最多の回答となった。「物価が上がったから」という回答は、消費税率引き上げ後に行った前回6月調査(61.9%)をさらに上回った。”と言うことである。
何故、物価が上がったのかと言う原因だが、単純に考えれば、消費税8%への増税が、直接の原因だが、更に、円安による輸入原材料や原油などのコストアップや、日銀のデフレ脱却インフレ政策が大きな原因なら、アベノミクスに責任があるのは当然であろう。
今回の物価上昇は、国民の生活必需品を直撃しており、
需要が低迷しているので、完全にコストプッシュによるのであって、経済成長を伴った上昇志向のデマンドプルでないところが、苦しいところである。
政府は、アベノミクスの成長によって、景気が回復しており、更に第3の矢の発動と地方創生で成長戦略を加速して、経済の好循環を達成すると言うのだが、
創造的破壊と言えるような革新的な経済活動を起爆できないために、牽引力なく機動性に欠けて、持続的な経済成長トレンドを生み出し得ないのである。
かって、レーガノミクスで、サプライサイド経済学が隆盛を極めていた頃、「富める者が富めば、貧しい者にも自然に富が浸透(トリクルダウン)して行く」とするトリクルダウン理論(trickle-down theory)が持て囃された。
現実にも、戦後復興期の日本や、最近までの中国など、高度成長を謳歌していた時には、貧しい人々の生活水準も大きく改善し貧困率の解消に大きく貢献してきた。
しかし、これは、異常とも言うべき高度成長の成せる技であって、今日のように、2~3%程度の低成長では、焼け石に水であって、トリクルダウンなどは起こり得ないので、成熟して成長が止まった殆どの先進国では、ピケッティの説くように格差拡大を加速させるだけとなている。
まして、今回のような増税や円高による消費者物価の上昇が加わって来ると、多くの増収を期待できない国民が、「ゆとりがなくなってきた」と窮乏感をつのらせてくるのは当然なのである。
もっと、政治経済社会的に困って来るのは、経済格差の拡大が進行するにつれて、益々、困窮度を増して行く貧困層の生活水準の低下と疎外感の拡大、深刻な社会不安の惹起である。
早い話が、全く収入増の期待できない、無年金や年金だけの年金生活者、シングルマザーや無職の人、あるいは、貧困層下の低賃金労働者たちの生活が、いよいよ成り立たなくなってきていると言われており、これ以上、増税となり物価が上がれば、どうして生きて行けばよいのか。
町内会費を払えなくて、集金に居留守を使わざるを得ない隣人が、すぐ、近所にいる、そんな悲しい日本になってしまっているのである。
インターネットを叩けば、次のような見出しが躍っている。
”日本人の6人に1人が「貧困層」”” 若年女性の3分の1が貧困””年収300万以下の比率4割超え!””シングルマザー、半数近くが「貧困層」 子育てと仕事の重圧””日本の相対的貧困率は、OECDで、メキシコ、米国、トルコ、アイルランドに次ぐ第5位だったが、ついに“堂々たる世界2位”の格差社会に”
デフレ解消も必須であろう。経済再生も緊急課題である。
しかし、今程度のアベノミクス経済しかやれないとするならば、格差縮小は望み得ないであろうから、貧困層への配慮などセイフティネットの拡充が急務だと思っている。
政府は、企業の賃上げ努力を要請し続けているのだが、国際競争力のある大企業などは可能であっても、現下の熾烈な競争のグローバル経済下においては、要素価格平準化定理の作用によって、中国や新興国並の仕事をしておれば、賃金ダウンは避けられず、クリエイティブなイノベーション志向の経営によってブルーオーシャン市場を開拓するか、生産性を国際水準よりはるかにアップ出来ない企業には、賃上げは国際競争力からの脱落を意味するだけで、無理であろう。
再説するが、イノベーションを伴った経営革新やブルーオーシャン市場の開発などによって、国際競争に勝ち抜いて行かない限り、政府の言うように賃上げしても一時的な現象であって、需要の拡大に繋がるような持続的な好循環はあり得ない筈である。
日本全体の国力、その総体を、アップすることこそ、緊急要件なのであって、それ以外に生きる道はない。
景気は、”気”のものだ、成長する、日本経済は元気になる、等々、日本人が日本経済の底力を信じて、その気になれば、必ず日本経済は良くなると言われているが、今や、気だけでは、どうしようもいない。
アベノミクスなり、安倍政府の経済政策は、前の民主党政権よりは、はるかにましだとおもうのだが、ぼつぼつ、このままでは、危ないのではないかと思い始めた今日この頃である。
”1年前と比べて現在の暮らし向きに「ゆとりがなくなってきた」という家計が全体の約半数に達し、安倍政権が誕生する直前の水準まで高まっていることが日本銀行の調査で分かった。”と言うのである。
”「ゆとりがなくなってきた」と答えた人にその理由(複数回答)を聞いたところ、「物価が上がったから」という回答が66.2%に達し、「給与や事業などの収入が減ったから」の48.5%を上回り、最多の回答となった。「物価が上がったから」という回答は、消費税率引き上げ後に行った前回6月調査(61.9%)をさらに上回った。”と言うことである。
何故、物価が上がったのかと言う原因だが、単純に考えれば、消費税8%への増税が、直接の原因だが、更に、円安による輸入原材料や原油などのコストアップや、日銀のデフレ脱却インフレ政策が大きな原因なら、アベノミクスに責任があるのは当然であろう。
今回の物価上昇は、国民の生活必需品を直撃しており、
需要が低迷しているので、完全にコストプッシュによるのであって、経済成長を伴った上昇志向のデマンドプルでないところが、苦しいところである。
政府は、アベノミクスの成長によって、景気が回復しており、更に第3の矢の発動と地方創生で成長戦略を加速して、経済の好循環を達成すると言うのだが、
創造的破壊と言えるような革新的な経済活動を起爆できないために、牽引力なく機動性に欠けて、持続的な経済成長トレンドを生み出し得ないのである。
かって、レーガノミクスで、サプライサイド経済学が隆盛を極めていた頃、「富める者が富めば、貧しい者にも自然に富が浸透(トリクルダウン)して行く」とするトリクルダウン理論(trickle-down theory)が持て囃された。
現実にも、戦後復興期の日本や、最近までの中国など、高度成長を謳歌していた時には、貧しい人々の生活水準も大きく改善し貧困率の解消に大きく貢献してきた。
しかし、これは、異常とも言うべき高度成長の成せる技であって、今日のように、2~3%程度の低成長では、焼け石に水であって、トリクルダウンなどは起こり得ないので、成熟して成長が止まった殆どの先進国では、ピケッティの説くように格差拡大を加速させるだけとなている。
まして、今回のような増税や円高による消費者物価の上昇が加わって来ると、多くの増収を期待できない国民が、「ゆとりがなくなってきた」と窮乏感をつのらせてくるのは当然なのである。
もっと、政治経済社会的に困って来るのは、経済格差の拡大が進行するにつれて、益々、困窮度を増して行く貧困層の生活水準の低下と疎外感の拡大、深刻な社会不安の惹起である。
早い話が、全く収入増の期待できない、無年金や年金だけの年金生活者、シングルマザーや無職の人、あるいは、貧困層下の低賃金労働者たちの生活が、いよいよ成り立たなくなってきていると言われており、これ以上、増税となり物価が上がれば、どうして生きて行けばよいのか。
町内会費を払えなくて、集金に居留守を使わざるを得ない隣人が、すぐ、近所にいる、そんな悲しい日本になってしまっているのである。
インターネットを叩けば、次のような見出しが躍っている。
”日本人の6人に1人が「貧困層」”” 若年女性の3分の1が貧困””年収300万以下の比率4割超え!””シングルマザー、半数近くが「貧困層」 子育てと仕事の重圧””日本の相対的貧困率は、OECDで、メキシコ、米国、トルコ、アイルランドに次ぐ第5位だったが、ついに“堂々たる世界2位”の格差社会に”
デフレ解消も必須であろう。経済再生も緊急課題である。
しかし、今程度のアベノミクス経済しかやれないとするならば、格差縮小は望み得ないであろうから、貧困層への配慮などセイフティネットの拡充が急務だと思っている。
政府は、企業の賃上げ努力を要請し続けているのだが、国際競争力のある大企業などは可能であっても、現下の熾烈な競争のグローバル経済下においては、要素価格平準化定理の作用によって、中国や新興国並の仕事をしておれば、賃金ダウンは避けられず、クリエイティブなイノベーション志向の経営によってブルーオーシャン市場を開拓するか、生産性を国際水準よりはるかにアップ出来ない企業には、賃上げは国際競争力からの脱落を意味するだけで、無理であろう。
再説するが、イノベーションを伴った経営革新やブルーオーシャン市場の開発などによって、国際競争に勝ち抜いて行かない限り、政府の言うように賃上げしても一時的な現象であって、需要の拡大に繋がるような持続的な好循環はあり得ない筈である。
日本全体の国力、その総体を、アップすることこそ、緊急要件なのであって、それ以外に生きる道はない。
景気は、”気”のものだ、成長する、日本経済は元気になる、等々、日本人が日本経済の底力を信じて、その気になれば、必ず日本経済は良くなると言われているが、今や、気だけでは、どうしようもいない。
アベノミクスなり、安倍政府の経済政策は、前の民主党政権よりは、はるかにましだとおもうのだが、ぼつぼつ、このままでは、危ないのではないかと思い始めた今日この頃である。