熟年の文化徒然雑記帳

徒然なるままに、クラシックや歌舞伎・文楽鑑賞、海外生活と旅、読書、生活随想、経済、経営、政治等々万の随想を書こうと思う。

日本のナイトライフ異変・・・エコノミスト誌

2014年10月21日 | 政治・経済・社会
   ロンドン・エコノミストの電子版を見ていたら、
   「Nightlife in Japan Party on 」と言う記事で、安倍内閣の「ダンスクラブに関する法改正」や「カジノ解禁法案」の動向に触れて、
   Mr Abe’s recent moves on late-night dancing seems to signal that Japan is ready to loosen up a little.と、日本も、このあたりの施策を緩め始めるシグナルではないかと報じている。

   深夜にダンス等の遊興行為を行う営業に関しては新たに「特定遊興飲食店営業」(許可制)を新設すると言うことのようだが、今月、自民党の内閣部会が風営法改正案を了承し、政府は、10月中に閣議決定を行い、今国会にて法改正を行って、1年後を目途に施行される予定だと言う。
   堅い筈のイギリス誌でさえ、いまだに、米軍占領以降、ダンスホールは売春の温床となるとして深夜ダンスを禁止しており、日本を、深夜以降リズムに乗れないような驚くべき国だと揶揄しているのが興味深い。
   その禁止令を、安倍内閣は改正して、警官が街角を十分に監視できるような明るさを保っておれば、小時間、ダンス愛好家に踊るのを許そうと言うことだと言う。
   警察は、深夜にダンスに興じるような人の大抵は、薬物使用者( drug-takers)だと主張して、近年、益々頻繁にナイトクラブを訪れて監視を強めていると言うのだが、
   安倍内閣の方は、若者文化の華であるクールジャパン文化を推進する為にも(promoting the notion of “Cool Japan” in a celebration of youth culture)、
   法を改正すれば、2020年のオリンピックに向かって訪れる外人旅行客のお祭りムードを高められると考えている。The rule change should also raise the festive mood for foreign visitors ahead of the Tokyo Olympics in 2020.

   一方、景気浮揚を企図して、政府は、大都市で、巨大な豪華なカジノを解禁しようとしていることに触れて、
   主婦たちは、ギャンブルへの傾倒や家庭の貧困化に恐怖を感じており、与党の公明党も反対しているのだが、既に16兆円もの巨額を消費者から巻き上げているパチンコのことを考えれば、目を瞑るであろうと言うのが面白い。

   このエコノミスト誌の国イギリスでは、結構、公序良俗の維持や治安風紀に関しては厳しい国ではあるが、この方面では、日本と違って、違和感はない。
   ロンドンの街角の有名ホテルにカジノがあるし、ダンスホールも深夜以降も認められているようである。

   まず、ギャンブルに関しては、イギリスこそ、ギャンブルの本場と言うか故国と言っても良く、イギリス人は、何でも、すぐに「賭けようか」と口走る国民で、toto や bookmakerは日本では有名だが、
   私は、招待を受けてアスコットへ、2度シルクハット正装で出かけたが、女王陛下の入場で開始される最高のイヴェントの一つで、レース毎に毎回賭けるのだが、これなど、ギャンブルの粋を越えて、イギリス文化の華だと言っても過言ではなかろう。

   イギリス人の掛け好きだが、私は、ギルドホールで、毎年開かれる英国建設業協会の年次総会で垣間見た。
   ホワイトタイの最も上位の正装で参集する豪華な晩餐会で、エリザベス女王陛下の夫君であるフィリップ殿下の記念講演の最中に、仲間内だけではあるけれど、テーブル越しにシルクハットが回って来て、夫々、殿下のスピーチが何十何分で終わるか予想して、その時間と名前を書いて、何十ポンドかの札を入れて回し、最後に、最も近かった人が、取るのである。
   極めてハイランクのスピーカーながら、3回出て、同じことをやっていたので、もう、慣習なのであろう。

   ギャンブル好きのイギリスであるからこそ、殆どのスポーツが、イギリスで生まれ出でたのも不思議ではなかろう。
   海賊として、七つの海に暗躍して、世界制覇を実現した、正に、闘争スピリットの権化とも言うべきジョンブル魂のなせる業、ギャンブルなどは、人生を楽しむ為の極上の美酒と言うべき存在だとでも言えようか。

   さて、私自身は、パチンコもマージャンもやらないし、ラスベガスで、人並みにスロットを少しやった程度で、ギャンブルからは縁がない。
   しかし、公営ギャンブルは勿論、今回のカジノ開設にも異論はないし、ある程度の規制なりルール作りは必要だとは思うが、ギャンブルそのものにも殆ど違和感は感じていない。

   もう一方の深夜ダンスの解禁などは、当然だと思っている。
   文化文明や人類の進歩発展は、むしろ、人間の新しいものへのチャレンジ精神や競争・闘争スピリットあってこそだと思っているし、ルネサンスや日本の元禄文化が爛熟したのも、人間の遊び心を解放した故だと思う。
   いずれにしても、適度のコントロールやフェアへのルール作りは、必要だが、出来るだけ、人間の希求する心の叫びは解放すべきだと思っている。
   
   前述の法律については、良く知らずに論じているので、多々誤解があるかも知れないが、この記事だと、カジノは外人だけへの解放だと言うのだが、日本人にも開放することにこそ、意味があるのである。
   このような「ダンスクラブに関する法改正」や「カジノ解禁法案」ごときで、悪影響を受けるような日本人である筈がないと思っている。

(追記)口絵写真は、エコノミスト記事から借用。
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