熟年の文化徒然雑記帳

徒然なるままに、クラシックや歌舞伎・文楽鑑賞、海外生活と旅、読書、生活随想、経済、経営、政治等々万の随想を書こうと思う。

ビザ取得、古書まつり、社会イノベーション2014

2014年10月29日 | 今日の日記
   ビザを発給してもらうために、朝一番に、ロシア大使館に向かった。
   申請ではないので、並ばずに、発給窓口に直行して、パスポートを受け取った。
   事前に、受領書を貰っていたので、それと交換に貰うのだが、取得は、後進国の銀行窓口によくあるような、ガラス窓で密閉された窓口から、金属製の箱型のトレイが目の前に出て来て、そこに受領書を入れると、その引き出しを引いて、代わりにパスポートを入れて押し出す。
   終始無言で、ヒューマンタッチの雰囲気全くなく、極めて簡潔。
   今まで、色々な国のビザを取ったが、単なるハンコを押しただけの簡素なものではなく、銀行券紙幣のように綺麗に印刷されたビザが、ページ一杯に張り付けられていて、中々立派なものである。

   その後、岩波のスーザン・ウッドフォード著「ケンブリッジ西洋美術の流れ」のシリーズ本が、古書まつりに出ていたので、欠本を補うために、神田神保町に向かった。
   先日行った時に、半分持っているのだが何巻が欠本なのか分からなかったので買わなかったのだが、今回行ってみたら、一部売り切れていて、結局、買えたのは、
   1 ギリシャ・ローマの美術
   7 20世紀の美術
   こんな場合は、既に廃版になっているので、ダブっても全巻見つけた時に買うべきだったと言うことである。

   もう、古書まつりも日が経っているので、引き上げた書店もあり、客もまばらで、大分見易くなっているので、そこは、本好きのサガ、結局、ちらちらワゴンを見ている間に、2冊買ってしまった。
   杉山正明著「ユーラシアの東西」日経
   植木雅俊著「思想としての法華経」岩波

   その後、渋谷に出て、東横線で、みなとみらいに直行した。
   日経BP社主催の「社会イノベーション2014」のコンファレンス聴講の為である。
   朝から開講されているので、午後のセッションからだったが、パシフィコ横浜のアネックスホールは、ほぼ満席に近い盛況であった。

   大和ハウス工業の樋口武男会長兼CEOの「創業者精神~アスフカケツの事業で社会の課題を解決する」が始まったところで、会場に入った。
   創業時代からの非常に興味深い逸話などを交えながら、劇的とも言うべき創業者の石橋信夫の経営哲学と大和ハウスの事業等について、熱っぽく語り続けた。

   
   
   大和ハウスは、石橋信夫が、戦時中にロシアで捕虜として抑留されて、極寒の地のシベリアの強制収容所で過酷な労働に苦しみながら九死に一生を得て、帰国後、創立した会社で、いわば、一代で築き上げたベンチャーである。
   それが、今や、連結で売り上げ2兆7千億円と言う巨大な事業体で、創業100年を越える巨大ゼネコン大手4社夫々のほぼ2倍の規模で、時価総額も、2倍以上で遥かにこれらを凌駕している。

   以前に、アベグレンの経営論を通して、総合家電や総合電機、あるいは、総合商社や総合建設すなわちゼネコンと言った、綜合と言う名のつく事業形態が日本の会社にとって如何に不都合かと言うことを論じたのだが、その件は、今回は、これ以上深追いは避けたい。

   しかし、大和ハウスは、1959年にプレハブ住宅で、住宅建設の常識を覆すなど、新規事業を立ち上げながら、事業のみならずビジネスモデルにおいても、挑戦に挑戦を重ねながら、イノベーターとしての経営革新に果敢に邁進してきた。
   今回、この大和ハウス・ウエイを、樋口CEOは、アスフカケツの頭文字で大和ハウスの事業を総括して、その事業の実像を語っていたが、最早、住宅産業の面影はなく、正に、豊かな環境づくりを企図した巨大事業体である。

   旧態依然として、ビジネスモデルを一歩も革新できなかった大手ゼネコンと、エネルギッシュなチャレンジ・スピリットを頑なに死守しながら、時代の潮流に果敢に挑戦し、独自の大和ハウス・ウェイを追求し続けてきた大和ハウスの躍進の秘密が、垣間見えた話を聞くことが出来たと思っている。

   次の「パネルディスカッション・・・人を幸せにする社会イノベーション」の「前半テーマ」ICTは、日経BPの河井保博氏の司会で、NEC,富士通、IBM,日立の担当者が、スマート・シティ構想などについて語っていた。
   何時も、感じていることだが、これらのICT企業の役割は、いくら素晴らしい高度な絵を描いても、あくまで黒衣であって、行政当局が、その気になってイニシャティブを取って推進しない限り、多少の進展があったとしても、中々前に進み辛い筈である。
   この後の「後半テーマ」暮らしは、積水ハウス、大和ハウス工業、三井不動産、セコムの担当者が登壇したのだが、同じような問題になるだろうと思って、中座した。


コメント
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