今日、NYTの電子版を見ていたら、”Greek Austerity Spawns Fakery: Playing Nurse ”と言う記事が出ていて、アテネの大病院でも、違法な看護師が常態化していて、医療現場でも、緊縮財政による深刻な影響が出始めていると報じている。
今や、患者が、病院に入る時には、適切なケアを受けるためには、自分自身で、違法と知りながら偽看護師を雇わなければならなくなっていると言う。
私設看護師と言うのは、ギリシャのヘルス・ケアでは、常態となっているとしても、国家経済の悪化によって、多くの患者が、資金的余裕もなく健康保険もなく、正規の看護師を雇う余裕などなくなってしまっている。
従って、必然的に、患者たちは、安くて殆ど訓練を受けておらず衛生観念もなく十分な知識さえない違法な看護師に頼らざるを得ず、政府高官も、看護師の半数は、18000の違法供給者からの看護師であると認めている。
違法看護師は、患者の家族だとか長年の個人的な使用人だとかを装っているのだが、グルジアやルーマニアやウクライナなどからの移民であって殆どギリシャ語を話せないと言う。
斡旋屋の男が、病院に入り込んで来て、まくらの下や待合室などに、写真入りの名刺を置いて行き、看護師長にも、堂々と斡旋を呼びかけるなどしていて、正規の看護師なら、6時間40分で70㌦なのを、12時間で60㌦以下で、未熟な偽看護師を送ってくる。
偽看護師派遣は、序の口で、何でもレントで、救急車から、椅子やテレビなどあらゆるものが、見舞いの親族などへのレントだと言って、見知らぬ人間がアレンジしてくる。
このような看護師等斡旋ブローカーたちが、病院の職場をコントロールしているのが実態だと、モロキス英国バース大教授が証言している。
このために、正規の看護師が仕事を奪われる等、深刻な事態を引き起こしている。
警察に訴えても、警官自体が、緊縮財政で大幅にリストラされて手薄なので、対応できる筈もない。
関係機関のギリシャ保険協会の看護師適正検査も機能マヒ状態であるし、第一、問題の処理のための法的解決機能も上手く働かなくなっている。
また、ギリシャのブラックマーケット、すなわち、国民所得に計上されない闇経済(アングラ経済)、は、昔から有名で、特にラテン国家やロシアなどの新興国などでは、GDPの数十%に及ぶほど巨大なのだが、この記事でも、
機械工や配管工などの熟練労働者は、袖の下で納税を回避していると言及している。
以前から、多くのギリシャ人が、税務官僚を買収して、税逃れをするので、税収が上がらないのだと、EUメンバーから非難されていたのだが、窮鼠猫を食むような状態に追い詰められて行けば行くほど、国民生活が、モラル軽視・無視に嵌まり込んで行くのは必然であろう。
違法看護師の台頭も、背に腹は代えられない、ギリシャ国民の生きて行くための切羽詰った手段なのであろうが、根深いラテン気質にも問題がある。
緊縮財政政策による生活水準の異常な低下が、EUから強制されている窮乏化政策に反旗を翻すネオナチ政党の台頭に油を注いだと述べている。
賢こかった筈のギリシャ人が、何故、この体たらくか。
私は、アテネのパルテノンに憧れて勉強して来たようなもので、もう、40年以上も前になるが、フィラデルフィアから飛んで、初めてパルテノンの丘に立った時には、感激して言葉も出なかった。
あれから、2回、間をおいて、ギリシャを訪れているのだが、その度毎に、ギリシャの文化、学問芸術に思いを馳せて、感激を反芻している。
懐かしくなって、大英博物館のエルギン・マーブルを度々訪れた。
憧れのギリシャが、あのパルテノン神殿のように、音を立てて崩壊しようとしている。
さて、これは、単なる対岸の火事であろうか。
今や、患者が、病院に入る時には、適切なケアを受けるためには、自分自身で、違法と知りながら偽看護師を雇わなければならなくなっていると言う。
私設看護師と言うのは、ギリシャのヘルス・ケアでは、常態となっているとしても、国家経済の悪化によって、多くの患者が、資金的余裕もなく健康保険もなく、正規の看護師を雇う余裕などなくなってしまっている。
従って、必然的に、患者たちは、安くて殆ど訓練を受けておらず衛生観念もなく十分な知識さえない違法な看護師に頼らざるを得ず、政府高官も、看護師の半数は、18000の違法供給者からの看護師であると認めている。
違法看護師は、患者の家族だとか長年の個人的な使用人だとかを装っているのだが、グルジアやルーマニアやウクライナなどからの移民であって殆どギリシャ語を話せないと言う。
斡旋屋の男が、病院に入り込んで来て、まくらの下や待合室などに、写真入りの名刺を置いて行き、看護師長にも、堂々と斡旋を呼びかけるなどしていて、正規の看護師なら、6時間40分で70㌦なのを、12時間で60㌦以下で、未熟な偽看護師を送ってくる。
偽看護師派遣は、序の口で、何でもレントで、救急車から、椅子やテレビなどあらゆるものが、見舞いの親族などへのレントだと言って、見知らぬ人間がアレンジしてくる。
このような看護師等斡旋ブローカーたちが、病院の職場をコントロールしているのが実態だと、モロキス英国バース大教授が証言している。
このために、正規の看護師が仕事を奪われる等、深刻な事態を引き起こしている。
警察に訴えても、警官自体が、緊縮財政で大幅にリストラされて手薄なので、対応できる筈もない。
関係機関のギリシャ保険協会の看護師適正検査も機能マヒ状態であるし、第一、問題の処理のための法的解決機能も上手く働かなくなっている。
また、ギリシャのブラックマーケット、すなわち、国民所得に計上されない闇経済(アングラ経済)、は、昔から有名で、特にラテン国家やロシアなどの新興国などでは、GDPの数十%に及ぶほど巨大なのだが、この記事でも、
機械工や配管工などの熟練労働者は、袖の下で納税を回避していると言及している。
以前から、多くのギリシャ人が、税務官僚を買収して、税逃れをするので、税収が上がらないのだと、EUメンバーから非難されていたのだが、窮鼠猫を食むような状態に追い詰められて行けば行くほど、国民生活が、モラル軽視・無視に嵌まり込んで行くのは必然であろう。
違法看護師の台頭も、背に腹は代えられない、ギリシャ国民の生きて行くための切羽詰った手段なのであろうが、根深いラテン気質にも問題がある。
緊縮財政政策による生活水準の異常な低下が、EUから強制されている窮乏化政策に反旗を翻すネオナチ政党の台頭に油を注いだと述べている。
賢こかった筈のギリシャ人が、何故、この体たらくか。
私は、アテネのパルテノンに憧れて勉強して来たようなもので、もう、40年以上も前になるが、フィラデルフィアから飛んで、初めてパルテノンの丘に立った時には、感激して言葉も出なかった。
あれから、2回、間をおいて、ギリシャを訪れているのだが、その度毎に、ギリシャの文化、学問芸術に思いを馳せて、感激を反芻している。
懐かしくなって、大英博物館のエルギン・マーブルを度々訪れた。
憧れのギリシャが、あのパルテノン神殿のように、音を立てて崩壊しようとしている。
さて、これは、単なる対岸の火事であろうか。