熟年の文化徒然雑記帳

徒然なるままに、クラシックや歌舞伎・文楽鑑賞、海外生活と旅、読書、生活随想、経済、経営、政治等々万の随想を書こうと思う。

歌舞伎座、神保町、そして、国立能楽堂

2015年02月04日 | 今日の日記
   久しぶりに、朝早く出て、歌舞伎座に向かった。
   大体、国立能楽堂や神保町に行くことが多いので、横浜から東横線に乗り換えて、渋谷からメトロで目的地に向かっている。
   今日も、中目黒から、日比谷線で、東銀座に出た。

   今月の歌舞伎は、夜の部では、吉右衛門の「一谷嫩軍記」や幸四郎の「筆屋幸兵衛」などで、これらは何回も見ており、マンネリ気味だろうと思って避けて、昼の部に出かけた。
   昼の部は、馴染みの「吉例寿曽我」、菊五郎の「毛谷村」、それに、幸四郎、菊之助、錦之介の「積恋雪関扉」
   ところが、「曽我」の方は、若返ってフレッシュな感じで、バックシーンも、雄大な富士を背景にした華やかな舞台で、面白かった。

   今月は、国立劇場の公演がないのにも拘らず、空席がかなりあって、何時も、長い列が並んでいて、売り切れの筈の鯛焼きが、売れ残っていた。
   私にも、毎月通っている歌舞伎座だが、昔、ロンドンのコベントガーデンに通って、毎月、ロイヤルオペラを楽しんでいた時のようなときめきが、なくなってしまっている。

   その後、どうしても、6時半開演の国立能楽堂の舞台には、時間が空くのだが、喫茶店で過ごすのも時間が惜しいので、東京駅の書店に立ち寄って、何時ものように、神保町に向かった。
   三省堂もそうだが、書店では、ピケッティとイスラム国関係の本、それに、芥川賞と直木賞受賞の本のコーナーが幅を利かせている。
   私には、当分、興味はない。

   ピケティについては、8月に書いた私のブログ”ピケティ「資本論」A Summary of Thomas Piketty's "Capital in the Twenty-first Century"が、結構読まれており、この知識と、来日時の講演や記事、それに、NHKのピケティのパリ講義などでの情報で、当分は十二分であり、気が向いた時に読めば良いと思っている。
   いつもそうだが、噂が広がると、結構難しい専門書が売れており、今回も、何故、ピケティの「資本論」が、13万部も売れるのか、不思議である。

   この日買った本は、
   新潮新書 辻芳樹著「和食の知られざる世界」
   橋本治著「大江戸歌舞伎はこんなもの」
   エドワード・J・エプスタイン著「ビッグ・ピクチャー」
   

   国立能楽堂の舞台は、
   蝋燭の灯りによる「国立能楽堂冬スペッシャル」で、
   京都の観世流井上裕久師たちによる「謡講」、
     謡講形式による「大晦日」「龍田」「蝉丸」
     衝立の背後で、能楽師が謡う素謡
   宝生流能「弱法師」
     シテ/俊徳丸 大坪喜美雄、ワキ/高安通俊 飯冨雅介
   

     俊徳丸の話は、歌舞伎の「摂州合邦辻」の舞台での印象が強いのだが、この能の舞台では、通俊が、他人の讒言によって追放し、盲目の乞食になって彷徨う息子俊徳丸に、天王寺で再会すると言うシンプルな話になっている。
   蝋燭の灯りに微かに揺れるシテの弱法師の面が悲しい。

   舞台が終わって、能楽堂を出たら、中天に、美しい満月が輝いていた。
   
コメント
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