書棚の片隅に、百科事典が3種類残っている。
残っているというのは、頻繁な宿替え毎に、処分しようかどうしようか、迷ってきたからである。
その事典とは、アメリカ大百科事典(英: Encyclopedia Americana)と、『ブリタニカ百科事典』( Encyclopædia Britannica)の英文版と日本語版である。
それに、毎年出版される増補版とも言うべき國際年鑑で、今年は、令和天皇ご即位の「ブリタニカ国際年鑑2020年版」が出版されているようである。
また、Oxford English DictionaryやWebster's Dictionaryなどの辞典、オックスフォードの芸術や歴史などの専門事典など、日本では手に入りにくい参考文献なども、ペンシルバニア大学図書館やロンドンのハッチャーズなどで買って持ち帰った。
百科事典など、それぞれ、30巻ほどの大冊で、書棚に大変な負担がかかる。
ところで、今回、リビングのフローリングの張り替えをすることになって、食器棚や書棚、ソファーやテーブルを移動している最中に、この百科事典をどうするか、又迷い始めたのである。
さて、最初に買った事典は、Encyclopedia Americana、もう、半世紀ほども前になるが、大学を出てサラリーマン生活が落ち着いたときである。
次は、ブリタニカ百科事典で、アメリカの大学院を出て4年間のブラジル赴任を終えて、帰国してからで、
最後のEncyclopædia Britannicaは、ロンドンに駐在中だったと思う。
それぞれ、勉強しようと思っていた時期である。
良く分からないのだが、古い事典ながら、Encyclopædia Britannicaは、1974年の第15版が2010年まで継続出版されて、それ以降、発刊されていないようなので、最終版なのであろう。
日本語のブリタニカ百科事典は、私の持っているのは1973年刊なので、前の第14版の翻訳版だと思うのだが、膨大な資財を投じて第15版を翻訳出版したとも思えないので、それぞれ、紙媒体の百科事典としては、最終版ではないかと思う。
ところで、実際に活用したかどうかと言うことだが、Encyclopedia Americanaは、ヨーロッパへ持ち込んだので、資料に使ったり、長女のインターナショナルスクールように利用したりしたが、日本語のブリタニカ百科事典は、8年間、ヨーロッパに居たときには日本に置いたままだったし、いずれにしろ、仕事は多忙を極めていたし、新刊本ばかり追っかけて読書に励んでいたので、じっくりと、事典を繰っている暇などなかったので、それ程、お世話になることはなかった。
現在は、ICT革命、デジタル時代で、インターネットを叩けば、ウィキペディアを筆頭にして、いくらでも情報は、簡単に手に入る。
謂わば、百科事典など、無用の長物である。
と言っても、アップツーデートでないところが玉に瑕だが、情報量と質においては、やはり、ウィキペディアよりは、紙媒体のブリタニカ(2003年に終了)の方が執筆者も安定しており、数段上のような気がしては居る。
十分は知らないが、ブリタニカ・オンラインがあり、英語版ではBritannica Academic のサービスがあって、日本語のブリタニカ・オンライン・ジャパンでは年に4回、コンテンツの更新や拡充を行っていると言うから、「ブリタニカ百科事典」( Encyclopædia Britannica)は生きているのであろう。
そう思いながら、久しぶりに、百科事典を開いてみた。
例えば、シェイクスピアを検索すると、日本語のブリタニカ百科事典では、16ページの記述で、翻訳は、あの吉田総理の長男で高名な英文学者吉田健一訳であり、後版なので内容が異なっているのだが、Encyclopædia Britannicaは18ページの記述で、読み始めてみると結構面白いのである。
それに、興味深かったのは、時代の潮流を反映していて、テーマによっては、記述が大いに変っていて、当時は、このように考えられていたのだとか、科学技術や学問の進歩などが見え隠れしていて、非常に興味深いことである。
特に、各年度に、毎年刊行される年鑑で、Encyclopedia Americanaの年鑑や使いそうにない事典や辞典を、総て廃却したのだが、ブリタニカ百科事典の年鑑は、1980年代1992年までの、ベルリンの壁の崩壊や冷戦の終結などの、私がヨーロッパで見聞きした激動の時代を描いているので、思いで深いので残すことにした。
結局、いつもと同じで、こんなに貴重な文化遺産たる百科事典を廃却など出来るか、と言うわけで、また、部屋の片隅に残すことになってしまった。
尤も、この事典を大切だと思っているのは、私だけで、私が逝けば、即刻、廃却されてしまうのだが、ともかく、当分、置いておいて、時折、紐解こうと思っている。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0b/c0/0a7ca1e518414e64033068ecf5e9ed93.jpg)
残っているというのは、頻繁な宿替え毎に、処分しようかどうしようか、迷ってきたからである。
その事典とは、アメリカ大百科事典(英: Encyclopedia Americana)と、『ブリタニカ百科事典』( Encyclopædia Britannica)の英文版と日本語版である。
それに、毎年出版される増補版とも言うべき國際年鑑で、今年は、令和天皇ご即位の「ブリタニカ国際年鑑2020年版」が出版されているようである。
また、Oxford English DictionaryやWebster's Dictionaryなどの辞典、オックスフォードの芸術や歴史などの専門事典など、日本では手に入りにくい参考文献なども、ペンシルバニア大学図書館やロンドンのハッチャーズなどで買って持ち帰った。
百科事典など、それぞれ、30巻ほどの大冊で、書棚に大変な負担がかかる。
ところで、今回、リビングのフローリングの張り替えをすることになって、食器棚や書棚、ソファーやテーブルを移動している最中に、この百科事典をどうするか、又迷い始めたのである。
さて、最初に買った事典は、Encyclopedia Americana、もう、半世紀ほども前になるが、大学を出てサラリーマン生活が落ち着いたときである。
次は、ブリタニカ百科事典で、アメリカの大学院を出て4年間のブラジル赴任を終えて、帰国してからで、
最後のEncyclopædia Britannicaは、ロンドンに駐在中だったと思う。
それぞれ、勉強しようと思っていた時期である。
良く分からないのだが、古い事典ながら、Encyclopædia Britannicaは、1974年の第15版が2010年まで継続出版されて、それ以降、発刊されていないようなので、最終版なのであろう。
日本語のブリタニカ百科事典は、私の持っているのは1973年刊なので、前の第14版の翻訳版だと思うのだが、膨大な資財を投じて第15版を翻訳出版したとも思えないので、それぞれ、紙媒体の百科事典としては、最終版ではないかと思う。
ところで、実際に活用したかどうかと言うことだが、Encyclopedia Americanaは、ヨーロッパへ持ち込んだので、資料に使ったり、長女のインターナショナルスクールように利用したりしたが、日本語のブリタニカ百科事典は、8年間、ヨーロッパに居たときには日本に置いたままだったし、いずれにしろ、仕事は多忙を極めていたし、新刊本ばかり追っかけて読書に励んでいたので、じっくりと、事典を繰っている暇などなかったので、それ程、お世話になることはなかった。
現在は、ICT革命、デジタル時代で、インターネットを叩けば、ウィキペディアを筆頭にして、いくらでも情報は、簡単に手に入る。
謂わば、百科事典など、無用の長物である。
と言っても、アップツーデートでないところが玉に瑕だが、情報量と質においては、やはり、ウィキペディアよりは、紙媒体のブリタニカ(2003年に終了)の方が執筆者も安定しており、数段上のような気がしては居る。
十分は知らないが、ブリタニカ・オンラインがあり、英語版ではBritannica Academic のサービスがあって、日本語のブリタニカ・オンライン・ジャパンでは年に4回、コンテンツの更新や拡充を行っていると言うから、「ブリタニカ百科事典」( Encyclopædia Britannica)は生きているのであろう。
そう思いながら、久しぶりに、百科事典を開いてみた。
例えば、シェイクスピアを検索すると、日本語のブリタニカ百科事典では、16ページの記述で、翻訳は、あの吉田総理の長男で高名な英文学者吉田健一訳であり、後版なので内容が異なっているのだが、Encyclopædia Britannicaは18ページの記述で、読み始めてみると結構面白いのである。
それに、興味深かったのは、時代の潮流を反映していて、テーマによっては、記述が大いに変っていて、当時は、このように考えられていたのだとか、科学技術や学問の進歩などが見え隠れしていて、非常に興味深いことである。
特に、各年度に、毎年刊行される年鑑で、Encyclopedia Americanaの年鑑や使いそうにない事典や辞典を、総て廃却したのだが、ブリタニカ百科事典の年鑑は、1980年代1992年までの、ベルリンの壁の崩壊や冷戦の終結などの、私がヨーロッパで見聞きした激動の時代を描いているので、思いで深いので残すことにした。
結局、いつもと同じで、こんなに貴重な文化遺産たる百科事典を廃却など出来るか、と言うわけで、また、部屋の片隅に残すことになってしまった。
尤も、この事典を大切だと思っているのは、私だけで、私が逝けば、即刻、廃却されてしまうのだが、ともかく、当分、置いておいて、時折、紐解こうと思っている。
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