絵を描く視点 「セントラルイメージの意味」

マインドマップをお伝えしていく活動をしている中で、よく質問を受けることのひとつに、「もともと絵を描くのが得意だったのですか?」ということがあります。

いいえいいえ! そんなことはありません。
私は絵を描くことに苦手意識が強くありました。
先輩インストラクターさんの描くマインドマップを見せていただいて、どうしたらこのような「絵」を描けるのだろうと悩んだものです。それなのに、不精者の私は、本格的に絵を学んだり習ったりするような努力はできませんでした。ただただ、「自分がイメージするような絵を描いてみたい」という意識を持ち続けていただけでした。

ある時、セントラルイメージを描いていて、はっと気づきました。

「あっ!!!この線をこう描けば、この絵は描ける!」
「うんうん!この部分に視点を集中すれば・・・・・うん!描けた!」
「今まで何気なく見ていた絵を、部分に分けて、細かく見ていくと・・・・・ああ、そうか、こんな描き方をすれば描けるのか!」

おそらく全脳思考スイッチが入った瞬間だったのだと考えられます。

セントラルイメージを丁寧に描くというルールは、左脳に偏った思考をしがちな現代人の脳を左右脳フル回転状態の「全脳モード」に突入させるための儀式(イニシエーション)といっても良いのかも知れません。

たとえばこの「サイボーグ009」のセントラルイメージも「あれ?!描けてしまったな。」という感覚のある1枚です。しかもこの後にブランチで伸びている内容は、すべて1ヶ月前の出来事記憶を再現したもので、「ああ、あの話もされていたし、こんな話もあったな」と、自分でも驚くほどに作家・脚本家の辻真先先生が語って下さった1時間のお話しを忠実に再現できています。


絵を描けるようになるという感覚は、おそらく「自転車に乗れるようになる」「ジャグリングができるようになる」「キャッチボールが上手にできるようになる」というようなことと同じ面が多いのではないかと思います。
ある時、突然、できるようになる。



絵を描くことに苦手意識のある方にお薦めの本がこれです。
絵が描ける脳をつくる 7日間で完全マスター
吉田 エリ
河出書房新社

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著者の吉田エリさんは「はじめに」の中でこう書いています。

「人間は目でモノを見るのですが、実はこの見るという行為には意識の状態に左右する特別なモード(状態)が存在するのです。そして、この絵を描くときに大切なモードをつくり出すため手っ取り早い方法が、目の使い方にあったのです。」

これまでの「目の使い方」から違った視点を得るために段階を経てトレーニングできるワーク本です。
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