辰巳ジャンプの子ども達は、今日も一歩成長してくれました。
昨日試みた「右脳のスイッチ理論」を使ったサーブ練習。今日はさらにスピードアップさせて、頭で考えられない状況に近づけたところ、次々とサーブ開眼していく子が増えていきました。その相乗効果は大きくて、サーブ以外のレシーブやスパイクの技術向上まで影響を与えていました。これは技術の問題ではなく、心の影響です。
「チャレンジしてみたい!チャレンジしてみよう!」というポジティブな気持ちが根づいてくれば、その心に合わせて体が勝手に動きます。体を動かしてボールに向かっていくということは、その潜在意識の中に「成功イメージ」を持っているからできることです。
練習や試合の最中に指導者側が意識することは、潜在意識の「成功イメージ」から行動を起こしたその子が、
①成功したら次の成功へと自分から向かうので、タイミング良く賞賛してあげる。
②失敗したら「TEFCAS」のサイクルに入れてあげるような言葉かけをする。
この二つです。
「TEFCAS」とは、トニー・ブザン氏が編み出した成功サイクルです。
①Success(成功イメージ形成)
まずは自分のしていることが成功すると信じて行動を起こす。
②TryーAll(試行・・・やってみる)
できること、考えられることすべてをやってみる。
③Event(事象・・・何かが起こる)
試行したら必ず何かが起こる。成功かもしれないし失敗かもしれない。それをどう受け止めるかは自分しだいだ。
④Feedback(フィードバック・・・自分に返ってくる情報)
事象から得られる情報を五感で敏感にキャッチする。バレーボールの場合は主に「VAK」で捉える。サーブであれば、ボールの動きを視覚で捉え、ボールを打った瞬間や床に落下した時の音を聴覚で捉え、腕のエネルギーをどのようにボールに伝えたら良いかを触覚で捉える。
ここでは成功や失敗に心を左右されず、オープンな心でフィードバックを受け取ることが大事になる。
子どもがフィードバックを受け止めようとしないで惰性で練習をしていたら、そこで指導者の声かけが必要となる。「どこを見ながら打っていた?」「ボールは手のどこに当たったの?」「トスをどこに投げたら成功したの?」などなど・・・
⑤Check(チェック・・・点検する)
自分を自慢することも卑下することもせず、最終的な目標(成功イメージ)に向かって建設的に自分を見つめる。そしてチャレンジしている自分をしっかり励ます。「大丈夫!」「絶対できる!」「何度でも挑戦しよう!」
⑥Adjust(修正・・・より良く直す)
「サーブをうまくなりたい」という願いが弱いと、修正段階で耐えられなくなって練習をいいかげんにやり出すことになる。だから最初の「成功イメージ」を強く作ることが大事なのである。最初のモチベーションが高い子は、この段階でたくさんの修正ポイントを見つけることができるし、コーチからの助言を素直に受け止めることができる。
⑦Success(成功)
サーブの場合は試合で点が取れるようになって初めて本当の成功と言える。しかし、初心者レベルでは、相手コートに入ることが成功イメージである。一人一人がまったく違ったレベルの「成功イメージ」を脳に抱いて練習をしているのである。チームとしては、できるだけ早い時期に「試合でサービスエースを取る」または「誰にも取れないサーブを打つ」と最高レベルの成功イメージで練習することができるようになりたい。
こうした「TEFCASサイクル」を無意識に行えるようにすることが潜在意識の強化につながると思っています。つまりこのサイクルを習慣化することができたら、間違いなく成功の道へ歩み出すことになるわけです。