子どもたちを伸ばす「ゴール意識」

昨年度担任したの6年生は、「史上最高の卒業式をする」という小学校生活のゴール意識を常に持って大改革を成功させました。巨大な目標を設定することで、子どもたちの心の安住地帯を高いレベルに上げる方法を使いました。

実は今、学校教育の世界は、どの学校も「学級崩壊」「学年崩壊」を起こす可能性があるようです。どうしてそのようなことを言うのかというと、他校の先生方と交流をさえていただくと、どこかしらの学級がうまくいっていない。これはその学校だけの問題なのではなく、社会のシステムが急変していく中で、教育界はその流れについていけていないことが大きな原因だと私は感じるわけです。


ある小学校の教務主任の先生にも「うちの6年生が大変なんです。」という相談を受け、昨年度、私がやってきた実践方法を、いっしょに学年担任を組んでいた「モジャ先生(マインドマップ公認フェロー第4期)」に託し、その学校の6年生担任の若手先生に伝授しました。

先週、その後の様子を教務主任の先生から報告を受けました。
「教えていただいた学年経営のやり方をしたら、6年生は見違えるように良くなりました。」
6年担任の先生は、私たちの言葉に素直に耳を傾けてくれたんですね。他校の子どもたちではありますが、立ち直ってくれて本当に良かったと思いました。


それではいったいどんなことをするのかというと、くわしくは秘伝!秘伝!(笑)

でも、少しだけ書いておきましょうか。


(1)卒業イメージを教師が強く心に刻む
 小学校生活最後の授業である「卒業式」を迎える時に、子どもたちがどのような姿でいてほしいのか。できるだけ高いレベルで、イメージ作りをしていく。教師に分かりやすい言葉で書くと、「育てたい児童像」を具体的に、また強く象徴するイメージで表現し続ける。
 昨年の私たちが作り上げたイメージは、「史上最高の卒業式をするんだ!」というゴールイメージでした。

(2)マイナス感情からプラス思考へ
 子どもたちを取り巻く大人の「マイナス感情」を止める努力をする。学年が乱れる最大の原因は、大人のマイナス感情にあります。「この子たちは、こうだから」「この子たちは力がないんだ」という言葉をストップします。もし職員室や保護者会で、このようなマイナス言葉が出ているようでしたら、断固として止める努力を続けて下さい。

(3)勝利からの逆算
 ゴール地点の「最高イメージ」ができあがったら、次にそうなるように時間を逆に進めて考えます。ゴールの1か月前にはどうなっているか、11月の学芸会ではどんな姿になるか、連合水泳や連合運動会ではどういう結果を出させてあげるのか、あの行事ではこういう力をつけ、この行事ではこの力を伸ばす。こうして勝利の姿から逆算して、子どもたちを着実に伸ばしていきます。

(4)モチベーションを意識する
 指導はすべて「ゴール意識」から発するものだということを児童にも感じさせる。ちょこちょこ起こる小さな問題を解決する際に、「史上最高の卒業式」にするためにはこんなんでいいのかな?という問いかけをしていく。

(5)教師が常に感謝と反省の気持ちを持つ
「この指導は、これでいいのか?」
「もっと良い指導をすることができたんじゃないのか?」
「問題を起こしてくれてありがとう!これでこの学年も、もっと高いレベルに行けるよ!」
ホ・オポノポノにあるような「生命のクリーニング作業」を心がける。
・・・・・ホ・オポノポノでは、「ありがとう」「ごめんね」「ゆるしてね」「愛しています」という4つの言葉を使って、マイナス感情のクリーニングをしていきます。

(6)授業を楽しく
 乱れた学級や学年を立て直すために、生活指導を重視していたら問題の解決はできません。やはり教師は「授業で勝負」しなくてはなりません。子どもの10倍勉強して授業を行う。本当にその「10倍の勉強」をしている先生の学級が崩れることはありません。なぜなら努力による自信の裏付けができるからです。




ちなみに、現在担任している4年生に対する、私の「ゴールイメージ」「育てたい児童像」は、次のようなものです。

『学校が楽しくて楽しくて、家にいるよりも、外で遊んでいるよりも、学校が楽しい!』
『このクラスで本当に良かった!このクラスはすごいんだ!=自分たちはすごいんだ!』
『楽しくて勉強がやめられない。もっと知りたい!もっと覚えたい!』
『私たちのクラスから、学校を良く変える!!!』
『6年生よりも6年生らしい4年生』
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男子部員の増加

辰巳ジャンプの話題です。

ここへ来て、男子部員の増加減少が起きています。たった1人だった男子が4人まで増えました。さらに増える空気を感じている井上です。しかも、「ドラゴンジャンプ」と名乗っていた5年前の男子チームの卒業生であるモンチッチ先輩が、熱心に練習に来て教えてくれるという支えもある。

きっと何かが起こるに違いありません。

コンスタントに6人が練習参加するようになれば、すぐにでも男子の試合に出してあげたいと思っています。まずは、11月の江東区小学生秋季大会に「辰巳男子チーム」として出場できるように目標を設定します。

男子ができれば、相乗効果で女子チームも強くなります。
さらに相乗効果で、女子の2~3年生チームができることでしょう。

辰巳ジャンプ全盛時代の男子・女子A・女子Bという3チーム体制は必ず復活します。
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喜捨の心・・・親や教師に必要なもの

「喜捨」という言葉をご存知でしょうか? 文字通り「喜んで捨てる」ということです。
世界の三大宗教(仏教・イスラム教・キリスト教)にはどれにもこの喜捨の考え方があります。何千年の時代を超えて人類の生活に残っている宗教文化の中にある考え方なので、人間の心を良い方向へ進ませる働きがあると判断しても間違いではないと私は思っています。

捨てるといっても、ゴミのように捨てるのではなくて、お布施や金銭的に富める者が、持たざる者へと分けていくような寄付的な捨て方、それが喜捨の精神でしょう。ご供養といっても良いかもしれません。


この「喜捨」の姿勢は教育者に必要なものだと思います。

自分自身の努力で得られた知識。
研究や交流から生まれた人脈。
貴重な自分の時間。
こうしたものを喜んで分け与える。
自己保身の心からは何も生まれないことを体験的に感じます。

今日の記事は、具体的な例を示していないので分かりにくい内容だと思いますが、私のひとり言だと思って下さい。

目を通していただいた方々、いつも本当にありがとうございます。
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これからの教師に必要な「コーチング」

子どもの心のコーチング―一人で考え、一人でできる子の育て方 (PHP文庫)
菅原 裕子
PHP研究所

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カウンセリングともちょっと違う、コーチングという考え方と手法。
これからの時代を開拓していく教師には、この「コーチング」の知識が必要だと思っている井上です。その入門書としてとても分かりやすく書いてあるのが菅原裕子先生の本です。

この「子どもの心のコーチング」は、教師だけでなく、どちらかというと保護者の方々にお薦めの本です。読んでおくと、あなたの子は伸びますよ~!
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「ゆるしてあげる」という高いレベルの心

昨日、私は「東京都教職員研修センター」で1日研修を受けていました。特別支援教育や教職員の服務について、くわしく学んできました。2007年問題以来、東京都研修センターが本気で「これからの時代を担う教員」を育てようとしていることは、水道橋にある研修施設に行くたびに感じることです。こうした「人材育成」の活動に、私も微力ながら参加させていただきたいと思い、教室で頑張っている子どもたちには申し訳ないのですが、勉強に行かせていただいています。


さて、学級の保護者の皆様からは、「良いことばかりではなく、悪いことも伝えて下さいね。」という言葉もいただいています。そこで、ちょっとだけお伝えしたいと思います。

昨日の子どもたちは、私がいない分、本当に一生懸命自分たちのことをしていたようです。この子たちが昨年、授業中に教室からフラフラ出てしまっていたことや、大人の言うことを聞かずにわがまま放題だった。そのことを一番知っている学校の先生たち。その先生たちが、
「子どもだけの力で何でも進めて、一生懸命に勉強している姿を見て、心の底から笑顔になれた。」
と言うほど、とっても頑張っていたようです。

その理由は、前日に私から与えられた課題によるところが大きいのです。

(1)全員が1日中、笑顔ですごすこと。
(2)一人も怒らないこと。
(3)来て下さった先生全員にほめられること。

この3点を目標にしていたのです。きっと子どもたちは「井上先生にほめられたい!」という強い気持ちで、頑張っちゃったのでしょう。

午後、昼休み明けの5時間目、授業開始3分前の予鈴。そして3分後には、27人中25人が席について授業の準備完了。しかし、事情により2人が遅れてしまいました。子どもたちは、その2人を「どうして遅れたのか?!」と責めてしまった(怒ってしまった)ようです。その言い方が強すぎたようで、遅れた2人は「そんな言い方ないだろう!」と“怒ってしまった”ようです。

(2)に目標とした「一人も怒らないこと」というのは、こうしたトラブルを未然に防ぐために示したものだったのですが、ストッパーとしての機能が弱かったのですね。トラブルになってしまいました。


今朝、私が教室に行くと、何といえない子どもたちの神妙な空気が教室に漂っていました。何人もの目が私の行動をじ~っと観察していました。補教に入ってくださった先生たちからの報告ですべてを知っていた私は、そんなふうに神妙にしている子どもたちの姿が愛おしくてなりませんでした。私の不在というプレッシャーの中、みんなそこまで頑張っていたんだなとビシビシ伝わってきました。何としても励ましてあげなくてはならないと思いました。

「昨日のことは先生たちから全部聞いているよ。2人が5時間目に遅れてしまったことを、みんなで責めちゃったんだね。そして○○さん、何もそこまでしなくてもいいんじゃないかと、君も怒ったんだよね。」

(○○さん、うなずく)

「問題が起こったら解決しればいいんだよ。問題というのは解決して、それまで以上に良くなるためにあるんだから。今回のことで覚えておいてほしいのはね、この言葉です。」

と言い、黒板に書く。

『ゆるしてあげる』

「怒ってしまうことは、大人でもあります。ケンカしてしまうこと、これも大人でもあります。でも、そんな時に、『ゆるしてあげる』という気持ちを持つことが、すごく大事なんだよ。誰でも失敗するんだ。100点ばっかりを取り続けてはいけないんだよ。ほら、東京大学に進むためのマンガで『ドラゴン桜』ってあるじゃん。東京大学に入るために100点を取ろうとしてはダメなんだよ。70点でいいんだって。みんながやっていることも同じで、行動を100点にしなくてもいいんだ。30点くらい失敗してもいいんだよ。その失敗をゆるしてあげられる心を持つことが大事なんだよ。自分の失敗もゆるしてあげるし、友だちの失敗もゆるしてあげられるような人になっていいんだ。」

「『ゆるしてあげる』という心がないと、人間は戦争になるんだよ。『あの国が攻めてきた、ゆるせない!』って反撃する。するとまた『ゆるせない!』と反撃する。そのくり返しが戦争でしょ。そんなことを人類は2010年間のうち、1900年くらい続けているんだよ。」

「このクラスではね、失敗したり間違えたりすることを『ゆるしてあげる』、そんな優しさを身につけていこうね。○○さん、どうかな? みんなのことをゆるしてあげられるかな?」

○○さん、笑顔でうなずく。

「みんなも○○さんのことを許せるよね。」

みんなも笑顔を返してくれる。




巻き起こった問題に対して、教師がプラス方向に解釈して、子どもたちを腑に落としてあげる。こうした指導を日々くり返していくことで、すこ~しずつ、すこ~しずつ、子どもたちは大人になっていくものなのです。
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今年の24時間テレビ 「みぽりんのえくぼ」

みぽりんのえくぼ
岡田 典子
文芸社

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今年の24時間テレビで放映されるドラマは「みぽりんのえくぼ」だと知りました。
私も2年前にこの本を目にして、家族愛というものを考えさせられました。
心がとっても暖かになる一書です。
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黙っていていいのか!!!

今日は江東区の小学校教員が集まって、授業の研究をする「区小研」とでした。

私は情報教育部の副部長という立場をいただき、昨年来、新学習指導要領の前文にある「思考力・判断力・表現力」を伸ばすためにはどうしたら良いのかを研究してきました。昨年は、「マインドマップ」「サウンドスケープ」「タッチペン式表示装置」を駆使して、国語の「やまなし」を研究授業で行い、「宮沢賢治はなぜ『やまなし』を書いたのか?」という学習を発表しました。


今年は9月8日(水)に道徳の授業を発表する予定です。
どうぞ皆さん、見に来て下さいませ。
教員でなくても大丈夫です。



さて、研究のことはいったん置いておいて、「学級崩壊」のことについて、ひとこと申しておきます。

今日もふたつの学校の先生から、「うちの学校の○学年が荒れているんです。」という嘆きの声を受けました。私が2年前から言い続けている通り、この「学級崩壊の解決」という課題は、小学校1校の課題ではなく、全世界の課題であります。

1年半前に、通勤途中の電車内で、私は「あ~!こうすれば、世の中にあるすべての学級崩壊をなくせる!!!」という気づきを得ています。そのことを実践検証するために、1年前に、あえて学校で最も課題の多かった“荒れた学年”を希望し、実際に卒業式を「史上最高の卒業式」にすることができました。


学級崩壊に至る深層心理的な原因として、他校の先生方の話をちょっとだけ聞いてみても、すぐに問題を発見できました。その原因とは「マイナス言葉」です。私が昨年度1年間、勤務校内で、教員の禁じ手にしてきた「マイナス言葉」に満ち満ちていました。

無意識に発する「言葉」の影響というものは、ものすごい力を持ちます。教師の潜在意識に恐ろしいほど強烈に、子どもたちのマイナスイメージを刻み込んでいきます。私の心の中にある教師のマイナス言葉による「イメージ作り」の姿・・・・・
それはまるで、大きなするどいカッターで、ギリギリと心のひだに刻み込んでいるかのようなイメージです。


外に研修に出ると、いつもいつも思います。
「自分はこれでいいのか???」
「自分は自校にとどまって、安穏としていていいのか?!」

世の中には、問題解決方法を知識として持っていないだけで、病気になるほど苦しんでいる先生がたくさんいるのに、解決方法を知ってしまった自分が行動をしないでいいのか?!


今のところ、このブログでつぶやいているしか、私には方法がないことが残念でなりません。
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潜在意識に働きかける方法のひとつ

ウニヒピリ ホ・オポノポノで出会った「ほんとうの自分」
イハレアカラ・ヒューレン,KR女史,平良アイリーン
サンマーク出版

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私が京都のマインドマップインストラクター・近藤学さんから「ホ・オポノポノ」について教えていただいて1年以上がたちます。この1年間で、信じられないくらいに荒れていた学年を劇的に立ち直らせました。その学年も卒業して中学校に進学しましたので、そのエピソードもすでに過去の物語。このブログに書いてもよろしいかと思い、ちょっとだけ書かせていただきます。

このブログで「セルフアイデンティティー・ホ・オポノポノ」のことをたくさん書きましたので、私が「ホ・オポノポノ」を実践していると思っている方も多いと思います。ところが私自身は「ホ・オポノポノ」を実践していません。それ以上の力ある方法を私は大学生時代以来、実践してきたので、「ホ・オポノポノ」というハワイの問題解決方法、そしてその哲学によって、自分の実践が理論的に裏付けられたと言った方が良いのです。

「セルフアイデンティティー・ホ・オポノポノ」は潜在意識にある「ウニヒピリ」「インナーチャイルド」という過去からの記憶を「クリーニング」することによって、宇宙大の劇的な「インスピレーション」を得て、勝手に問題が解決していくことをうったえています。

実は、こういう考え方は、東洋的な思想の流れの深層に、「ホ・オポノポノ」以上の力となって、あふれていると私は思っています。私にとって「ホ・オポノポノ」の理論・実践は、東洋思想・実践の裏付けとなりました。

難解な東洋思想を現代風に展開して、しかも多くの人々が実践に対して壁を感じない程度に軽くしたものが「ホ・オポノポノ」だと把握しています。


大変分かりにくい文章になったと反省していますが、これ以上くわしく書くわけにいかない事情もあります。しかしながら、困難な状況を劇的に変えてきた、ここ数年間(前任校も含める)の私の実践をご存じの方には、「ホ・オポノポノ」以上の何かがあることを感じていただけるはずです。

今、受け持っている子どもたちや、私に接してくれる他学年の子どもたち、辰巳ジャンプの子どもたちにも同じように、好影響が起こることを信じてやみません。
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モチベーションを保つために

自分がわかる909の質問
サルバトーレ・V・ディダート Ph.D.
宝島社

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この本は自分のための本になります。
誰かの精神状態を判断するためではなく、自分自身の精神状態を判断し、客観的に見つめることにより、一歩前進への糧にするためにある本だと思います。

ちょっとした空き時間に読んでみると良いのではないでしょうか。けっこうお薦めの本です。
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保護者の思い・・・読み聞かせ 平成22年度③

ありがとうともだち (おれたち、ともだち!)
内田 麟太郎
偕成社

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今週の読み聞かせは、読み聞かせて下さったママさんによると「ともだちシリーズ」だそうで、来週読み聞かせをやってくださるママさんも、「ともだち」に関係のある本を予定しているそうです。

「ともだち」ということをテーマに読み聞かせをしてくださるということは、子どもたちへの深い思いがこめられているのです。大切な子どもたちがいつも仲良く、励まし合って学校生活を送ってくれることが、ママさんたちには何よりのことですね。

そこから生まれる我が子の笑顔こそ、最高の幸せでしょう。

そんなママさんたちの思い、しっかり受け止めていますよ!!!
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