ファミリーマートカップ全日本バレーボール小学生大会 東京第3支部順位決定戦

写真は辰巳に帰る途中で撮影した「東京スカイツリー」の近景です。
高くそびえ立つ東京スカイツリーも最初からこのような状態だったわけではなく、コツコツと地道に積み上げて日本一の高さになっているわけです。


ちなみに、この写真が私が最初に撮影した東京スカイツリーです。



バレーボールもまた同じ。始めから高いレベルをイメージして怒ったりするのではなく、今はこの課題だ、次はこの課題だと、スモールステップでチーム力を向上させていくしかありません。今の監督目標は、今年の12月時点で、4年生以下だけで「バレーボールになるようにすること」にあります。


今日の大会で私は、子どもたちの責任感と自尊心を高めるプログラムを組んでみたつもりです。といっても、それを自分で考えたわけではありません。先週から読み進めている菅原裕子先生の著書「子どもの心のコーチング」に書かれていることを取り入れてみたのです。

子どもの心のコーチング―一人で考え、一人でできる子の育て方 (PHP文庫)
菅原 裕子
PHP研究所

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この本の中で私が注目したのが以下の文章です。

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 被害者として、都合の悪いことをすべて人のせいにして生きることは、一見、楽な生き方のように思えます。
 でも、それは必ずしも楽ではありません。自分の人生は自分次第で変えることができると考えられないのですから、大変ストレスの多い毎日です。無力感を感じることが多く、充実感は得られません。
 うまくいかないことがあっても、「よし、この次は頑張ろう」とか「今度は違うやり方をしてみよう」と考えるのは結構楽しいものです。希望ややる気がわいてきます。
 ところが被害者は、自分がどうするかではなく、誰かほかの人のせいにするのに忙しくて、未来や次に自分に何ができるかを考えることはありません。自分には人生を変える力がないと感じているので、行動を起こすことに対して臆病で、自分に自信が持てないのです。
 それでも幼いうちは、「お母さんのせい」「お父さんのせい」と内輪もめですむでしょう。でも、親はずっと子どもと一緒には生きていけません。親から離れて過ごす時間が増える思春期や青年期をむかえたとき、子どもは自信のないストレスをどう処理するのでしょう。
(中略)
 幼いうちから、自分の仕事をまかされてきた子は、くり返し自分の問題を解決してきていますから、問題処理能力を身につけています。親が過剰な保護をしない分、悩んだり考えたりと葛藤することが上手です。くり返すうちに、ほどほどに悩み、深刻になりすぎないやり方も学びます。
(中略)
 子どもに居心地の悪い思いをさせたくない、困らせたくないと親が手を出せば、子どもの未来の輝きはかき消されるのです。子どもを人生の被害者にしないため、親には勇気が必要です。

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 責任を学んでいる子どもは、そのプロセスで多くのことを学びます。その経験をくり返すことで、自分次第で結果を変えられることを知り、耐性(フラストレーションを処理する能力)や問題解決能力が育ちます。現実を見る勇気が育ち、成長しようという意欲も生まれます。反対に責任を学ばない子は、反応する能力に欠けるため、変化に対応することがうまくありません。

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さわり程度に引用させていただきました。

今日、私が子どもたちに指示をしたことは、
「監督にやらされているバレーをするのではなく、自分たちの頭で考え、どうしたら勝てるのかを悩むこと。そしてバレーボールというスポーツを学ぶこと。そのために、タイムを自分たちで取りなさい。」
ということでした。つまり「責任を子どもたちに与えた」のです。

この結果、今日の最初の試合は、いつもと違う責任が子どもたちの心に圧し掛かって、30%程度の実力しか出せませんでした。監督の私としては、子どもたちの能力を伸ばすための“捨てゲーム”だと思っていましたので、負けても全然平気でした。

2試合目、徐々に自分たちの力でゲーム作りをし始めた子どもたちの姿がありました。
たくさんの話し合いが生まれていました。
自分たちの試合なんだという意識がとても高かったと思います。

そして最後の試合の2セット目以降、やっと今日のねらいを達成し始めたわけです。大人から「やらされている」バレーボールなのではなく、自分たちで「やっている」バレーボールになってきた。「自分の責任を感じ、自分の力でチームに貢献しよう」としていた姿と、保護者の皆さんには見えませんでしたか?

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