TSA20周年記念祝賀会に参加

今日は辰巳ジャンプの明日の試合に向けて、しっかり指導をしたかったのですが、それ以上に大切な会が開かれたので、保護者の皆さんに練習を任せて大田区池上に行ってきました。

その大切な会とは「TSA20周年記念祝賀会」といいます。

TSAとは「徳持スポーツ協力者会議」という団体です。大田区立徳持小学校の施設を使って活動している小学生スポーツチームの組織です。この団体には、野球、ソフトボール、サッカー、バレーボール、バドミントン、卓球、空手といったチームが所属しており、普段は各チームの練習に励みつつお互いの情報交換や施設利用時間などを調整し合いっています。さらに年に1回は全団体一緒に「TSA昔の大運動会」を開催して、子どもたちを育てています。

「昔の大運動会」と名付けている理由は、「パン食い競争」や小麦粉に顔をつっこんでの「あめ玉探し」、「バットマンレース」「障害物競争」「借り物競争」といった笑いを誘うような競技種目がたくさんあるからです。


チームの枠を超えたこのような団体が20年も前に誕生していたのです。

私を呼んでくださったのは、私が徳持ジュニアバレーボールクラブの初代監督だったからです。

祝賀会ではお世話になった懐かしい方々との再会をすることができ、楽しい2時間を過ごすことができました。みんな「もう20年もたったんだね」と言って苦笑しつつ、「次は30周年だ!」「40周年もやるぞ!」と意気揚々。こうしたお元気な方々が子どもたちを育んで、学校を支えている模範的な団体がTSAです。



このTSAを立ち上げた人が、当時、校長だった高山先生です。高山先生は私の恩師でもあります。

今日もじっくりお話をすることができ、いろいろなことを教わってきました。

(1)学校の周りのお墓参りを必ずしなさい。地域の歴史を大切にする教師になりなさい。先生はそこまで地元のことを大切に考えてくれるのかと慕われる教師になりなさい。

(2)井上君が作文指導に力を入れているとは嬉しい。書くことは大事なことだ。書くことで自分の考えがまとまる。読み返すことができる。これが大事なんだ。文字にしたものは終わりではない。ずっと後で読み返すことで、また新しい自分に気づくことができる。

(3)TSAという組織を作ったが、みんなの同意を得てできたものではないんだ。私と○○さん、○○さんの3人で話して決めたんだ。そして「こういう組織を作るよ」と半ば強引に立ち上げたんだ。それでも各チームのみんなは「やりましょう」と共感してくれた。校長とは時にはそういう強さも必要なんだと思うよ。

(4)校長や副校長というものは99%を学校に捧げないと学校は良くならないものだ。だから自分の家族を犠牲にしなくてはならないことが多い。それでも自分の学校に通ってくる子どもたちや地域のために頑張るのが管理職なんだ。

(5)この頃は学校の教員同士のつながりも薄くなっているし、地域や保護者と学校とのつながりも薄くなっている。でもそれでは子どもは良くならない。良い教育も生まれにくい。

この他、プライベートな話題もお話くださり、久々に「指導」を受けることができた喜びを感じることができました。



私が20代の頃に高山先生から学べたことは本当にたくさんありました。その中でふたつ例をあげたいと思います。


ひとつは「授業で勝負をしなさい」ということです。
私の教員経験の中で、校長先生として「授業をさせてもらえないか」と言って、私に授業を見せてくれたのは高山先生しかいません。この経験があるからこそ、私は若手教員に「いつでも授業を見せるからね」と言うわけです。良い授業を、楽しい授業を、子どもたちが伸びる授業をするのだという高山先生に教えられた信念。生涯忘れることなく進みたいと感じています。


もうひとつは「教師は“こんちくしょう”を忘れるな」という言葉です。徳持小学校には障害児学校から異動して、初めて学級という集団指導をした私なので、学級経営がうまくいかずに高山先生の指導を受けました。その時に励ましていただいたのが「こんちくしょうを忘れるな」でした。
「こんちくしょう」は意味的にはあまり良い言葉ではありませんが、うまくいかなくてくじけそうになった時に自分を叱咤する意味ではとても気合の入る言葉でもあると思います。「こんちくしょう!負けないぞ!」「こんちくしょう!次はもっと良い授業をしてやる!」など、自分がへこたれそうになってもグッと踏ん張るための言葉として使ってきました。
今日、このことを話題にした際に、高山先生からはこうも言われました。

「こんちくしょうの“ちくしょう”は“畜生”なんだよな。獣だよ。人間には畜生みたいな面もある。時には獣のような強さを持つことが必要だということだ。反対に、自分の中の畜生をおさえて、仏のような面を出そうする必要もあるよな。夫婦の間でも“こんちくしょう”と思う時がある。相手の畜生を感じちゃうんだよな。でもそういうことを分かっているのか分かっていないのかで全然違ってしまうんだよ。」


こうした対話をしていると、自分自身が20代の若手教師に戻ったみたいで、心に赤い火が灯りました。

ウイリアム・ウォードの言葉に、「凡庸な教師は指示をする。良い教師は説明をする。優れた教師は範となる。偉大な教師は内なる心に火をつける。」とありますが、私の心に火をつける高山先生は、やはり偉大なる教師なのです。




高山先生に「作文ワーク」を贈呈することもできました。
さすがに「マインドマップ」は分からなかったようですが(笑)
マインドマップで作文すらすらワーク (ドラゼミ・ドラネットブックス)
クリエーター情報なし
小学館



読んでいただきありがとうございます。
できましたら応援の1クリックをお願い致します。


にほんブログ村 教育ブログ 小学校教育へにほんブログ村
にほんブログ村 教育ブログへにほんブログ村
コメント ( 0 ) | Trackback (  )

部員増加についての考え・・・アファメーションを使う

2007年、私がマインドマップを本気で学びはじめた頃、辰巳ジャンプは部員数が女子5人、男子1人という状況でした。チーム解散の危機という事態でした。最大の原因は私の「異動」でした。前任校で異動期限の6年を過ぎ、校長とも話し合って教育委員会に具申していただき、異動期限を延長していましたが、さすがに8年目に入った時点で「もうこの学校での使命は果たしたかな」という気持ちになっていました。

何しろ本当にたくさんの仕事をさせてもらい、自分の財産となる実践を積ませていただきました。

「ホームページ」
全日本小学校ホームページ大賞で全国ベスト8入賞する。
この件で、読売新聞・TBSラジオ・江東区報・ケーブルテレビ等の取材を受ける。

「スクールキャラクター・たもちゃん」
茨城県のタニコーさんの協力を得て、スクールキャラクターを誕生させる。

「幼稚園との交流活動」「1年-6年交流活動」
カリキュラム化の基礎を作る。今も学校の目玉として活動が続いている。

「スマイルチーム活動」
特活主任としてたて割りの班活動を作り出す。

「塩浜福祉園との交流活動」
成人の障害者厚生施設である福祉園との給食交流を生み出す。

「辰巳ジャンプVC」
このブログで記事にしているチームですね。

「テレビ取材」
NHK総合・NHK教育・テレビ東京・NTV・江東ケーブルの番組に協力。

「区で初の学校公式ブログ導入」
日光の実踏先から学校の子どもたちとブログでやり取りし、遠隔授業も実践してみた。

「マインドマップ活用授業」
実は前任校でも授業で使ったことがあるのです。うまくいかなかったけど。

「北海道・峰浜小学校とのサケ飼育交流」
東北新社さんが取材してくれました。


ここに出したのは氷山の一角で、まだまだ実践はあるのですが、これだけやれば「燃え尽きた感」も若干あるのですね。「もういいでしょう。私を解放してください」と。そこで「異動」することにしたのです。

今、反省してみると、この時点で私の潜在意識には「もう辰巳ジャンプはこれ以上のチームにはできないかもしれない」という実感が深く沈んでいたように思えます。



これを打破するまで1年半かかりました。チーム練習もあまりできず、最も低迷していた時に、時間があるのでマインドマップを勉強してみたわけです。本気でマインドマップに取り組んでいくと、自分自身がグーグルのようになり、自分にとって必要な情報が自分のアンテナに次々と引っかかってくるようになりました。そのひとつが「ルー・タイス講演会」でした。

辰巳ジャンプ解散の危機を打破したきっかけは、ルー・タイス氏の話を直接聞けたことでした。「スコトーマ(盲点)」を意識すること、ビジョンを持って取り組むことの意味などを教えてもらえました。それを元にして自分の潜在意識を変える努力をした結果、チームは甦りました。

そのことを書いた2009年10月5日の日記を再掲載します。




ホールブレインバレーボール理論 「アファメーションで潜在意識に刷り込む」

辰巳ジャンプは最近の1年間で部員が急増しました。12名いる部員のうち10名はこの1年以内に入部してくれた子ども達です。そして私の中にあるイメージによると、部員はまだまだ増えていきます。

いったい何をしたのでしょうか???

実は2年半前、私は現任校に異動し、「辰巳ジャンプももう終わりかな。」と感じていました。さらに1年半前には、「もう辰巳ジャンプを解散して、バレーボール指導者から引退するべきかな・・・」ともまで思っていました。

この潜在意識がチームをボロボロにしていたのです。

昨年の11月、私は自分自身に対して、「アファメーション」という手法を試みました。辰巳ジャンプというチームの将来像(ビジョン)を明らかにし、私自身の潜在意識にある「あきらめの心」に終止符を打ったのです。

そして出てきたのが、こんなアファメーションです。
「辰巳ジャンプは必ず復活を遂げる。2009年5月、部員が20人を超え、体育館には子ども達の声が鳴り響いている。2010年1月、部員が30人を超え、各学年で1チーム作ることのできるチームである。」

大切なことは、現在形の強い言葉で肯定的な宣言をし、それを紙に書いておくことです。宣言を毎日読むことで潜在意識にイメージを定着させていきます。

さらにこのブログ内でも何回もアファメーション文を載せるようにしてきました。

辰巳ジャンプは組織体ですから、私が「辰巳ジャンプの復活」を宣言すれば、チーム全体がその方角に自動操縦されます。


「アファメーション」というのは、本当に力強く自らを高めてくれる手段です。

今回の記事で私が何気なく書いていること、「ユングの心理学」や「アドラー心理学」にも通じる面がありますので、ぜひ研究してみてくださいませ。



読んでいただきありがとうございます。
できましたら応援の1クリックをお願い致します。


にほんブログ村 教育ブログ 小学校教育へにほんブログ村
にほんブログ村 教育ブログへにほんブログ村

マインドマップで作文すらすらワーク (ドラゼミ・ドラネットブックス)
クリエーター情報なし
小学館
コメント ( 0 ) | Trackback (  )

「新聞作成ソフト」はなかなかよろしいです!

先日の区小研では業者の方にプレゼンに来ていただき、「新聞作成ソフト」を使った実技研修会を行いました。かなりの優れものだったので、さっそく購入し、このブログ記事を利用して新聞を作ってみました。それが写真の画像です。

使ったソフトはこちらです。
パーソナル編集長 Ver.9
クリエーター情報なし
筆まめ


新聞やチラシを作るための機能がたくさんあるソフトなので、学校に1本以上導入して授業で使うと「表現力の幅」が広がるのではないかと思いました。

また、学校便りやPTA便りをはじめとする広報誌を作る時にも、このソフトがあればかなり楽です。

広報誌を作る時に一番苦労するのが「レイアウト」だと思います。それが始めから組まれていて、気に入らなければ簡単に修正できるし、縦横の文字入れも、見出しの表現方法もたくさんあります。少々値段が高いのですが、使いこなせれば金額に見合った満足感は得られるでしょう。

いろいろなことに使ってみて、このブログや自分のホームページで紹介してみようと思っています。


読んでいただきありがとうございます。
できましたら応援の1クリックをお願い致します。


にほんブログ村 教育ブログ 小学校教育へにほんブログ村
にほんブログ村 教育ブログへにほんブログ村
コメント ( 0 ) | Trackback (  )

【教務主任通信】 子どもは球体という考え方

【今日処理した仕事】
(1)ALTの授業予定確認
(2)学校サイトの全面更新作業
(3)教務主任通信発行(この記事の内容)
(4)教務主任通信次号・次々号作成
(5)全学級授業巡回
(6)校庭植物状況確認



【教務主任通信の内容】

はるか昔、私が大学2年生の時に瑞穂第三小学校を訪問した時のことです。
この学校は斎藤喜博先生の教育方針を引き継いでいる学校でした。全学級が毎日合唱に取り組み、体育の身体表現活動や国語をはじめとする言葉での表現活動を入学時から卒業時まで一貫した指導方針で授業を行っていました。
校長先生と懇談した時に教えていただいたことが私の「子どもの見方」の原点になっています。

「子どもはね、球体、つまりコロコロ転がるボールなんだよ。ある時は素晴らしい姿を見せる時もあるけれども、ある時にはダメな姿を見せる。ちょっと転がれば裏側の面を見せる。だからすべてが良い子もいないし、すべてが悪い子もいないと考えています。私たち教師は、このボールに癖をつけてあげるわけだよ。コロコロ転がっても最後には良い面が見えるような子どもに育てていく。第三小の先生は、みんなそういう考え方で教育をしているんだ。」


このような校長先生の考えに私なりの考えを付け加えてみます。
松下幸之助の言葉にこのようなものがあります。

「『あの男は、文句ばっかり言っていて困るんだ』と言われていた人が、縁あって私の会社へ入るとけっこうがんばる。よそでは欠点だとされていたことが、うちでは長所になる。それは、短所は気にせず、長所だけ、特色だけ見て使うということがあったかただと思います。
これはそうむずかしいことではないと思います。しかし、そのことによって、人が育つか育たないかということが決まる一面があるわけです。」

 つまり、私たち教師が子どものことをどう見るかによって、長所が短所になり、短所が長所になるということです。これをボールに例えてみれば、教師の視点も球体である。折々の状況に応じてコロコロ変わる可能性がある。また、子どもと接する教師によっても子どもの成長がコロコロ変わる。

あまりコロコロ変わってはいけないと思いますので、「学校経営方針」があり、「学級経営方針」があるわけです。この方針を規準にして、「育てるべき児童像=スタンダードな児童像」をはっきりさせる。そして児童像に向けて学級の進むべき道を真っ直ぐに見ていく必要があります。

目標イメージ像を学級の現状とは少し離れた(離れ過ぎてもいけませんが)「理想の姿」に置き、それに近づけようと指導していけば、大筋で間違うことはありません。しかし、目の前のコロコロ変わっていく子どもたちの姿に振り回され、無計画で場当たり的な指導を繰り返していくと、教師である自分までボールのように転がらなくてはならなくなります。

転がっても最後には良い面が上にくるボールを作りたいですね。


読んでいただきありがとうございます。
できましたら応援の1クリックをお願い致します。


にほんブログ村 教育ブログ 小学校教育へにほんブログ村
にほんブログ村 教育ブログへにほんブログ村

マインドマップで作文すらすらワーク (ドラゼミ・ドラネットブックス)
クリエーター情報なし
小学館
コメント ( 0 ) | Trackback (  )

バレーボール界の名言集

私がこのブログ内で歴史上の名言を記録していくチャレンジをしていた時期がありました。
2004年3月~8月の記事を開いてみて下さい。ほぼ毎日、名言から書き出している日記が続いています。
今の辰巳ジャンプのチーム状況はその頃ととても似ているのです。

昨日は大松さんの言葉ばかりを並べましたので、今日は他のバレーボール関係者の言葉を集めてみました。
けっこうたくさんありました。



【元全日本キャプテン・吉原知子】

「誰かがやっているから私もやらなきゃ、という練習はやめてね。そんなのは全然、意味がないから。自分でこれがうまくなりたい、この技を磨きたいと思ってする練習ならいいけど、体育館で一緒に時間を過ごす振りをするのはやめてね。」


【三屋裕子 1983年第3回アジア選手権決勝・中国戦に勝った後で】

まっ白な世界だった ボールだけ追っていた 何も考えていなかった
みんなが同じ呼吸をしている
だれがどこにいるか 見なくてもわかる
いっしょのリズム いっしょの呼吸 いっしょの波長
6人のハーモニー 無心の状態 雑念はなにもなかった
プレーしていて楽しかったもん


【東京オリンピック金メダルチームキャプテン・河西昌枝】

「『あなたたち選手の全員に憎まれてもいい、チームが強くなってくれれば』という言葉を、わたしはしばしば使っています。練習の激しいさなかには、たしかに、そういう言葉を使いましたが、じっさいに全員に憎まれてはキャプテンは勤まるわけがありません。裏を返せば、信頼しあって、猛訓練に耐えていこうという表現だったのです。つまり私自身としては、選手に信頼されるキャプテンであろうとした、ということです。」

「わたしたちが、来る日も来る日も、何百回、何千回と練習してきた回転レシーブも、それこそ事実血を流して習得してきた回転レシーブでさえ、いざ実際の試合になれば、そのうちのほんの二つか三つぐらいしか応用できないということです。それに、ふだんあんなにうまく上げられたボールをミスすることさえあるではありませんか。いつだって努力の何分の一しか答えは得られないのです。やっぱり凡人であるわたしたちにできることは、努力することなのでしょう。」

「試合に勝って泣き、負けて泣き、練習がきびしいといって泣き、しかられたといって泣き、泣きながら、ボールにむしゃぶりついていったりするのは、女子選手としては日常茶飯事であったのだから、よく泣けるということは、女である証拠かもしれない。わたしも、いつのまにか泣かない河西にされてしまったが、はじめのころはよく泣いたものであった。コートの中で、ワーンと泣いたことはないが、勝つたびに、負けるたびに、泣いていたこともあった。ひょっとしたら、女は泣きながら強くなる本能をもっているのかもしれない。」

「わたしたちは、先生のためにやっているんですよ。だって先生は、わたしたちのためにやってくれてるんですもの。」

「わたしたちが続けた練習というのは、単に個々の技術の錬磨ではなかった。わたしがこういうトスを上げた方がいいんだと思って上げる。すると、こういうトスが来ると判断して待ち構えて打つ。あの人がああいうかっこうをしてレシーブしたら、ボールはこっちへ飛ぶ。わたしはこういうふうに出てこうする。この以心伝心の連繋動作が、よりいっそう緊密になり、6人が完全に一体となるための練習でもあった。」

「わたしたちは、『できない』ということは禁句であった。できないことをやるのが練習だったからである。そして、これらの過程で手足もからだも鍛えられた。」


【ミュンヘンオリンピック金メダルチーム監督・松平康隆】

選手育成について
「本人に『おれは才能がある、逸材らしいぞ』と自覚させるのが始まり」


【ミュンヘンオリンピック金メダルチームセンター・森田淳悟】

「能力のある子には、その力より一歩上を進ませるのが進歩につながっていく」


【全日本元監督・小島孝治】

「長い間悩んだ末、私が到達した基礎・基本のマスター度をはかる基準は次のようになった。
・「おはよう」「こんにちは」が大声でいえる。
・きちんと返事ができる。
・コートの中で大声が出せる。
・人の言葉を素直に聞ける。
・構えているとき口を真一文字につむれる。
・コートの上以外で指導者を非難しない。
・練習が終わったら「お疲れさま」の一声がかけられる。
つまり、私達が人間として、またチームの一員としてしなければならない最低の礼儀である。」

「ボールは手で拾うものではない。足と心で拾うもの。」

「『和』は無限の力を秘めている。」

「チームワーク、即ち和は、人と人との間に存在する力で、それが見事な円を描けば無限の力を有していることになる。チームプレーの面白さは、この「和作り」の面白さに尽きる。」

「コンビバレーの原点はパスの正確さにある。その原点の基礎・基本がおろそかになっていて失う1点の重みは、強烈なスパイクで取られた失点の3~4点にも相当する。「チャンス!」が次の瞬間にパスの失敗でポロリ、その精神的落差が、つまり敗戦への道につながっているのだ。
 ミスの中にも、やっても影響の少ないミスと、一度やってしまったら取り返しのつかないミスとがある。後者のミスは基礎・基本の訓練不足からくることが圧倒的に多いことを肝に命ずるべきだ。」


【ミュンヘンオリンピック選手・中村祐造】
「物事には、絶対にやってはいけないこと、何としてもやらなければいけないことがある。たとえば、企業の中でも、機械の取り扱い、危険物の取り扱いについて、機械のスイッチを切ってから修理をしろ、ガソリンの横でタバコを吸うな、などの厳しい規則があり、普段から従業員に徹底させるよう訓練されているはずだ。ネットタッチはまさにこの“標準作業”に該当する。そして、こうした標準作業は、皮膚に叩き込んでおかないと、ちょっとした気の緩みなどから、ミスを招く恐れが非常に高いのである。飛行機や列車などで、考えられないような基本的ミスで大事故が起こるが、あれなども、上の者が皮膚まで叩き込む訓練を怠ったからではないかと思うのだ。」


【下北沢成徳高校監督・小川良樹】
「監督というのはサービス業だと僕は思うんです。だから自分の感情で判断するのではなく、選手が今、何を求めているのかをまず最初に考える。上からやらされるバレーではなく、選手がやるバレーにするため、僕はそのお手伝いとして存在するんです。一般的な指導者論だと、指導者側が選手を見下していることになる。選手がどう思っているかを考えない。選手の立場になって考えたうえで、足りないところがあったら、大人の常識としてアドバイスをしてあげればいいんじゃないですか。」


【木村沙織選手について書かれた本から】

「この頃(小学生時代)に木村の才能の基礎が形成されたといってもいい。何より、バレーをすることが当たり前であった環境が幸いした。もし、両親のどちらかに「バレーばかりしていないで勉強をしなさい」と言われていたら、17歳で全日本に抜擢されるような才能は培われなかった。」(『甦る全日本女子バレー』吉井妙子著より抜粋)


【北京オリンピック全日本のエースアタッカー・大山加奈】

「ワールドカップ出場で一番うれしかったのは『ひまわりクラブ』に入部希望者がたくさん増えたこと。スタメンになれなくてもいいからバレーがしたいという小学生が殺到していると聞きました。子供たちがバレーに目覚めてくれるなんて、こんなうれしいことはないじゃないですか。」


【ミュンヘンオリンピック金メダルチームセッター・猫田勝敏】

「毎日、毎日の練習で“骨で汗をかいた”と納得できるまでやることです」


【アメリカナショナルチーム元監督・吉田敏明】

「私はアメリカの選手たちに『丹田とは身体の中心であり、ここからエネルギーが出る。人間にとって大切な場所なのだ』と説明した。そして『この前でボールを受けなさい』と教え、足首とひざを曲げて身体を低くし、手を振るかわりに身体を伸ばすことでボールを返すという具体的な練習をくり返させた。選手がすぐにイメージできるよう、この動きを『ダウンアップ』と名づけた。」

「選手にやらせてみたらできなかったとする。そのとき「馬鹿野郎!おまえは何もわかっていないのか!」と叱り飛ばすのがこれまでの日本のやり方だった。
 しかし、そうしたくても、上に立つ者としては「自分は教えてこなかったのだ」と思わなければならないのである。教えるのも1回ではいけない。「この前、教えただろう。どうしてわからないんだ!」と責めるのではなく、ベクトルを自分に向けるのである。わかるまでは時間がかかるものだと我慢して、じっくり時間をかけて教えていくことが、これからは日本でも求められていくのではないかと思うのだ。」


【東京オリンピック金メダルチームアタッカー・磯部サタ】

「いちいち人の言うことを気にしていたら、あっちもしなければ、こっちもしなければ、と思っていたら、なんにもできない。1本でもよけいに拾い、1本でもよけいに思い切り自分でポイントすることだ。それがチームのためになるのだ。」


【延岡学園バレーボール部・佐藤監督に関する話】

「延岡学園高校の佐藤先生から、延岡学園高校の垂れ幕、「部旗」の説明がありました、私は感動しました。
 春の高校バレーの時に必ず話題になる延岡学園高校の部旗だそうです。私が高校生の時には、綺麗で真っ赤な生地に「真心」と書かれておりました。しかし約30年後の今はボロボロ状態。つぎはぎだらけで、破けては縫い合わせて現在なんとか部旗の形をとどめています。この部旗を作り替えようとしたそうです。するとOG達の猛反対にあったそうです。話を聞くと、OG達は、卒業するとき部旗の一部をちぎって「お守り」として持ち続けているそうです。ちぎった部分を自分でつぎはぎして縫い合わせ、現在の形になっていった。
 誰が部旗をやぶいてお守りにしようとしたのか分からない、いつの間にかそれが伝統となっていったそうです。
 今ではこの部旗を神様のように扱う選手たちです、決して床に置かない、持ち運ぶときにはぶら下げない、必ず置く場所が決まっていて、飛行機の中でも両手で支えるように持ち続けているそうです。
 佐藤先生の講習はこの部旗の前で、真心を込めて行われました。」


【アメリカナショナルチームセッター・ヨウコ=ゼッタ―ランド】

「選手というのは、どんなレベルであっても練習や実戦を積み重ねていくうち、自分ができないことや、欠点がわかってきますが、なかなか自分の持っている良い点に気付かないことが多いものです。
そういう部分に気付かせてあげて、選手が自分自身に対して良いイメージを持たせることは、とても大切だと思います。 そしてこれは、気持ちの中に自信が芽生えることにつながってくると、私は思います。
もし将来、指導者になることがあったら、2割の短所より8割の長所に着目して、選手を育成するポジティブ法を実践してみたいと思います。」


読んでいただきありがとうございます。
できましたら応援の1クリックをお願い致します。


にほんブログ村 教育ブログ 小学校教育へにほんブログ村
にほんブログ村 教育ブログへにほんブログ村
コメント ( 0 ) | Trackback (  )

この一球は絶対無二の一球なり

この一球は絶対無二の一球なり
されば身心を挙げて一打すべし
この一球一打に技を磨き体力を鍛へ
精神力を養ふべきなり
この一打に今の自己を発揮すべし
これを庭球する心といふ


今日、辰巳ジャンプの子どもたちに教えた言葉です。
同じ江東区・二○VCのF先生も、この言葉を子どもたちに徹底しているようです。

小学生が全文暗記するには少々長めなので、最初のところだけを教えました。

「この一球は絶対無二の一球也」


この言葉を残したのは、日本テニスの草分けである「福田雅之助」氏です。
早稲田大学テニス部の一員であった福田氏は、後輩のための「テニス訓」としてこの言葉を残したようです。

あの熱いハートを持っている松岡修造選手が、ウインブルドンベスト8を決めるマッチポイントを取った時に、「この一球は絶対無二の一球なり」と叫んでサービスを打ち、ベスト8に勝ち進んだことも有名な話です。

バレーボールも同じネット競技として、心に刻んでおく必要のある「名言」です。



そう考えると、バレーボールの世界には名言はないのでしょうか?

私が集めたものもブログ内に記録してありますので、ここで再掲載しておこうと思います。

まずは1964年の東京オリンピックで女子バレーボールチーム金メダルを取った時の監督・大松博文(だいまつひろふみ)さんの言葉です。

(大松博文)
「おまえたちには、もう、試合において苦手もなければ、調子が悪くて力が出せなかったなどというようなことは起こらない。そういう、ほんとうの内容をもったチームに、わしはしている。」

(大松博文)
「日紡貝塚の選手たちの、絶対に勝つのだという根性は、勝つのだ、勝つのだ、というお題目から生まれたものではありません。絶対に負けない、というふだんのがんばりから生まれたのだと信じています。
 一口にいうならば、飛んでくるボールを“絶対に受けそこなわない”練習から生まれたのです。ボールを落とすことは負けに通じます。」

(大松博文)
「人間は、生まれて、ものごころがついてから死ぬまで、毎日が修養だ。とちゅうで1日でも怠ったら、真の人生からそれだけ後退する。それと同様に、バレーも、バレーを始めたら、バレーをやめる瞬間まで、それの連続だ。そのあいだ、1日でも練習を怠ったものは、世界のレベルから、ソ連その他から、一歩後退する。また、追いつかれ、追い抜かれる。しかも、やっているあいだは、いいかげんなやり方は許されない。全力を尽くしてやらなければならない。」

(大松博文)
「いま、つらつら考えるに、もしわたしたちが日紡貝塚バレーチームにつくった最大なものはと聞かれるならば、楽しいふんいき、ということかもしれない。強くなること、勝つこと、それに絶対必要なのはチームワークであり、そのチームワークは、楽しいふんいきがなければできない。
(中略)
とにかく、ウジウジしていたやつが、チームに入って1年もすると、みんな、まるで人間が変わってしまう。」

(大松博文)
「わたしたちが各セットごとに得た三分の一以上のスコアは、サーブポイントだ。この一貫した成功には、多大な努力がはらわれている。わたしはトレーニングにあたって、三分の一以上の時間を、サーブの技術革新に費やした。」

(大松博文)
「いちばんいけないことは、なんでも、やってみないで、自分にはできないと思うことです。できなければ、できるまでやる。その意志をつらぬく。それが、人間のいちばんだいじなことです。」

(大松博文)
「わたしは、しめたりゆるめたり、泣かせたり笑わせたりして、練習の単調を破ろうとして苦心した。また、一つのボールを打つにも、たとえば、ソ連の攻撃の方法を想定して打ち、レシーブする選手の動かし方を考えながら打った。それには、選手それぞれの個性が大きく関係している。
 練習を終えて、帰途につけば、あのやり方はまちがっていなかっただろうかと心配し、明日はどんなふうにやろうかと、三つも四つも新しいやり方を考え出した。
 ところが、来年になったら大松はやめるから、今のうちに練習方法を習っておこうなどと、世間ではいった。あれはまちがいだと思う。」

(大松博文)
「1日に1ミリの千分の一でいいから、拾う力が余分に伸びてくれ。1日に10センチも20センチもとはいわないから。」

(大松博文)
「私はバレーのチームを育てながら、どの選手のどんなミスも、すべて監督である私の責任だということがわかってきた。だからおこらなくなった。(中略)ミスした本人は、しかられる前に、しまった、と思っているのだ。子どもでも同じことらしい。だから、恐れ入っているうえにしかりつけられたら、ミスは帳消しになり反抗心を起こさせ、さらに、もう二度とこんなミスはすまい、という一番大事な気持ちを放棄させてしまう。」

(大松博文)
「わたしは奇跡というようなことばは口にしたくありません。天から降ってくるようなことに、人は期待すべきではないと思うからです。水のない地下から、泉がわき出ることはないのです。」

(大松博文)
「ひとりが何かプレーをしているとき、他の5人は二つか三つ先を読んだ行動をしている。われわれのチームは1年じゅう合宿して練習しているから、だれかが一つのプレーをしたばあい、自分はこうすればいい、ということが反射的にわかり、自然とそうした動きもできるのだ。」

(大松博文)
「人間とは弱いものだ。苦しくなると、さけて通ろうとする。楽な方へ逃げたくなる。それでは強い選手になれない。苦しさに耐えて、創意工夫をして、人以上の努力をすることが一番大切です。それをやる人が、やがて偉大な選手になる。」




夏休みの間、名言を通して自分のバレーボールを作り上げてきた辰巳ジャンプの子どもたちですから、今回の「この一球は絶対無二の一球也」という言葉も吸収してくれることでしょう。


読んでいただきありがとうございます。
できましたら応援の1クリックをお願い致します。


にほんブログ村 教育ブログ 小学校教育へにほんブログ村
にほんブログ村 教育ブログへにほんブログ村

マインドマップで作文すらすらワーク (ドラゼミ・ドラネットブックス)
クリエーター情報なし
小学館
コメント ( 0 ) | Trackback (  )

アファメーションでストロングポイントを増やせ!!!

いろんなところに「ストロングポイント」という言葉を定着させようと思っている井上です。
「ストロングポイント」とは「長所」のことです。

辰巳ジャンプの子どもたちが宿題で考えてきた「ストロングポイント」を、まずはそのまま書きます。
そのあと、「アファメーション」の文章に書きなおしてみます。この「アファメーション」の文を毎日音読することで、自分のプレーが良くなっていくはずです。

それでは!


【宿題で考えてきたストロングポイント】

「まじめ」
「明るい」
「元気いっぱい」
「一生懸命」
「言葉が多い」
「声が大きい」
「声かけができる」
「チームワークが良い」
「最後まであきらめない」
「スパイクが強い」
「サーブが強い」
「休み時間に自分たちで練習をしている」



【アファメーション文に書き直すとこうなる】

私たち辰巳ジャンプの選手は、まじめで一生懸命に練習をしている。練習の時も試合の時も、いつも明るく元気いっぱいである。
バレーボールで使う言葉もたくさん知っていて、試合中に大きな声でどんどん励まし合い、お互いに最高の指示を出しながらプレーをしている。だからチームワークは日本一良い。
私たちはどんなに苦しい試合でも最後まであきらめない。それはチームの練習以外に、学校の休み時間まで選手だけで練習しているからである。自分たちのバレーボールをしているのだから、誰に言われなくても絶対にあきらめない。
私たちは、サーブもスパイクも強く打ち、どんどん点を取ることができる。
私たちは強い!!!


こんな感じに書きます。
目標を書くのではありません。すべての文を「現在形」で強く書きます。
書いただけでは何にもなりません。暗唱できるくらいに脳に刻みつけるのです。
そうすると、脳機能が働き出して、書いてある通りになっていくのです。
これを「アファメーション」と言います。



今日の練習試合は6年生相手にメタメタにやられましたが、これくらいのことでヘタレていてはいけません。反省すべきところはしっかり反省して、良い評価ができる面は自信につなげて、明日からまた大いにレベルアップ、グレードアップの練習をしていけば良いのです。

レギュラーの半分がまだバレー経験8か月なのですから、やればやるほど伸びていけます。今の試合で出している能力は、まだまだ10%程度のものだと思っていましょう。辰巳ジャンプはもっともっとすごくなります。お楽しみに!


読んでいただきありがとうございます。
できましたら応援の1クリックをお願い致します。


にほんブログ村 教育ブログ 小学校教育へにほんブログ村
にほんブログ村 教育ブログへにほんブログ村


アファメーションを考えていくのに、マインドマップは素晴らしい能力を発揮します。
マインドマップにかいたことが実現しやすいことには“あるわけ”があります。作文ワークでは、目標設定のワークに、ほんのちょっとだけ要素を入れてもらいました。
マインドマップで作文すらすらワーク (ドラゼミ・ドラネットブックス)
クリエーター情報なし
小学館
コメント ( 0 ) | Trackback (  )

「ゆうだち」(光村国語1年)が3年生で実際に起こった!

光村の国語教科書の中にある教材「ゆうだち」はとても良い教材だと私は感じています。子どもたちの実生活の中で起こり得る内容だからです。

あらすじは、ウサギさんとタヌキさんがけんかをしてしまい、口もきけなくなってしまう。ある日、天気がどんどん悪くなり、暗い雲がたくさん出てくる。雨も降ってくる。今にも雷が鳴りそうな怖い雰囲気がある中で、ウサギさんは大きな木の下で雨宿りをしようとする。そこへけんかをしていたタヌキさんが、同じように雨宿りに来る。二人はプイッと横を向いてしまうのですが、雨もひどくなり、日の明かりもどんどん暗くなってきて不安な気持ちになっていく。雷がドド~ンと鳴った瞬間に二人は驚いて体を寄せ合う。その後、明るい太陽がカッと出てきた時には、自然に二人は仲直りをしていくという話です。

まったく同じような出来事が、3年生の教室で起こりました。

先週の金曜日、ちょうど帰りの時間帯に、強烈な雷雨が降りました。3年生のある女子が1階の下駄箱にいた時に、大きな雷が鳴ったため、怖くて泣いてしまったそうです。怖くて帰ることができなくなり、女子数人で3階の教室にいる担任のところに戻りました。教室には、クラスで一番わんぱくの男子が残っていました。泣きながら戻ってきた女子の泣いている理由を聞いて、そのわんぱくボーイはこう言ったそうです。
「雷が怖いんだったら、教室の真ん中にみんなで集まって固まれば怖くなくなるよ。みんなでそうしよう。」

まさに「ゆうだち」の場面を地で行くドラマだったのでしょう。感心した担任は、学級通信にこのエピソードを書いて、わんぱくボーイの行動を褒めていました。

このように、本当に身近に起こり得る文学作品が「ゆうだち」なのです。
ますます1年生の研究授業が楽しみになってきました。

読んでいただきありがとうございます。
できましたら応援の1クリックをお願い致します。


にほんブログ村 教育ブログ 小学校教育へにほんブログ村
にほんブログ村 教育ブログへにほんブログ村

マインドマップで作文すらすらワーク (ドラゼミ・ドラネットブックス)
クリエーター情報なし
小学館
コメント ( 0 ) | Trackback (  )

チョウはチョウでも電話の近くにいるチョウは何でしょう?・・・フクコウチョウです!

【今日処理した仕事】
(1)電車の関係で担任の出勤が遅れてしまった学級に補教で入る
(2)自校サイトの全面更新作業に全力投球
(3)全校授業巡回
(4)低学年の子どもたちとセミ取り遊び
(5)教務主任通信第33号の発行「自校の校歌を作ったのはどんな方?」

ここに処理した仕事を書いているのは、自分を腐らせないようにするためです。
どんな立場になっても「チャレンジャー精神」を失いたくない。だからあえて自分の仕事内容を公開しているわけです。


題名のなぞなぞ、「チョウはチョウでも電話の近くにいるチョウは何でしょう?」というのは、放送委員会の子どもたちが「お昼の放送」で流した「なぞなぞの問題」でした。このなぞなぞを聞いた途端に、職員室にいた先生たちが声をそろえて、「フクコウチョウ(副校長)」と言ったという笑い話です。本当の答えは「電話帳」だったのですが、副校長の仕事状況を間近で見ている私たち現場の教員にとって、学校の電話の近くにいるのは常に「副校長」という認識なのですね。

副校長って電話番なのでしょうか???

なぜ職員室でこんなお笑い解答が出るのかと言えば、それほど副校長は電話対応に追われているということなのですね。

山のように仕事をかかえながら、電話がかかってくれば時間は関係なく応対しなくてはならない。時には長電話にもていねいに対応している副校長職に対して、現場の教員は「大変だな。かわいそうだな。」と思うようなこともしばしばあるのです。そしてそんな印象が「管理職不足」という問題を生んでいるのです。



ベテラン教員の大量退職時代が始まった「2007年問題」以来、東京都がかかえる大きな課題は「若手教員の育成」だけではありません。「幹部教員の不足」「学校管理職の不足」「指導主事の不足」の方が深刻かもしれません。このままでいくと、多くの学校で教務主任や副校長がいなくなり、現場の校長は孤軍奮闘しなくてはならない状況も可能性としては考えられます。


私が個人的に思うことがあります。25年前から7年間ほど、私が教員を目指している全国の大学生を対象に、教員採用試験突破のための研修会を開いていた時代に感じていたことです。

「昭和40年台の大量採用時代は他の仕事はできないから教師にしかなれないというような人まで採用した。ところが今(昭和の終わり~平成の始め)は年間で小学校の教員を200人しか採用しない。東京だけで1200校も小学校があるのに採用される教師は学校数の6分の1しかいない。狭き門で、本当に指導力のある学生がペーパー試験だけで不合格となっていく。日本はこんなに短い計画で教育人事をしたら、何年後かには破たんするにちがいない。毎年、一定の数の教員を採用して、教員の世代ごとの人数を平均化し、年代ごとに実力差、人材数の差が出てしまうような状況を打破しなくてはならない。」

このような考え方は、予算の面から考えて、ほとんど実現不可能なのですが、仮に25年前にこうした「長期計画」で教員をそろえておけば、今のような人材不足状況を多少は軽減することができていたかもしれません。

しかし過去は変えられません。現状を変革していくことが今の教育現場に立っている私たちの課題です。幸い、やる気のある素直な若手教員が年間で1200人(東京都小学校)も採用されています。子どもたちを伸ばしていくのはもちろんのこと、同時並行で若手教員をどんどん成長させていくことにも楽しみを見出すことに、私たち中堅世代の教員が「やりがい」を感じられるように工夫していきたいですね。

そして29年後の2030年には、今採用されている若手教師が各地域で校長や副校長となり、世界の模範たる「教育立国・教育大国 日本」を創りあげるのです。

現在の私たち教員が目指すターゲットは「2030年」です。


読んでいただきありがとうございます。
できましたら応援の1クリックをお願い致します。


にほんブログ村 教育ブログ 小学校教育へにほんブログ村
にほんブログ村 教育ブログへにほんブログ村
コメント ( 0 ) | Trackback (  )

「ゆうだち」(光村国語1年教材)を研究したマインドマップ

今回のマインドマップは1年生の研究授業で教材に使う「ゆうだち」(森山京 著)をまとめてみたものです。この教材文は新しく教科書に入ったものなので、研究授業のための指導案があまり出回っていません。勤務校の担任の先生たちも、「参考にできるものがほとんどない状況の中で、チャレンジしてみました。」というように、自分たちの力だけで指導案を作ってくれました。

私としては、おそらくまだ誰も「マインドマップ化」はしていないだろうという予想のもとに、ていねいに仕上げてみました。

「ゆうだち」という教材は、1年生の生活経験にマッチした、なんとも恥ずかしいような、最後にはポッと温かくなるような、子どもたちの心をゆさぶる、優れた教材だと思います。


この記事では、マインドマップでどのように教材分析をしたのかを書きます。


(1)セントラルイメージ
 教科書の挿絵は木とウサギとタヌキだけでしたが、物語の内容から「雨」と「雷」を入れてみました。登場人物の気まずい様子を表現しました。

(2)メインブランチ
 この物語の内容から考えて、「音」「色」「雨」「気持ち」の4つをメインブランチにしました。

(3)サブブランチ
 ①♪
 物語の中で表現されている「ぽたぽた」「ざあざあ」「たたきつける」「せみ」という音を集約しました。

 ②色
 空が真っ暗になってきたところは黒で塗りつぶしたブランチ。雨があがったところは「からり」と晴れたブランチ。その後の夕日が「かっ」と差してきたブランチ。

 ③雨の感じ
 メインブランチはセントラルイメージでかいた雨をそのまま使いました。「ひやり」とする空気感と「ずぶぬれ」感を出しました。

 ④ハート(気持ち)
 登場人物の心情の変化がこの物語のポイントです。ブランチでは下から上に心情が変化していきます。怖い怖い雷の音と光によって、二人は怖さを共有し、思わずぴったりと体を寄せ合う。この瞬間を授業の中でどう扱うかがポイントです。


 この「ゆうだち」という教材を使って、1年生は大いに言葉感覚を養い、動作化をしながら登場人物に思いっ切り同化し、まるで自分が物語の中にいるかのような気分を味わうことができれば良いでしょう。加えて、勤務校の研究は「学び合う」ことをテーマとしています。1年生ですから、まずはお隣の子の考えと自分の考えをくらべて、何かを発見することができたら素晴らしい授業になるでしょう。

 物語の内容から、学級経営にも役立つ授業になると思われます。


読んでいただきありがとうございます。
できましたら応援の1クリックをお願い致します。


にほんブログ村 教育ブログ 小学校教育へにほんブログ村
にほんブログ村 教育ブログへにほんブログ村

マインドマップで作文すらすらワーク (ドラゼミ・ドラネットブックス)
クリエーター情報なし
小学館
コメント ( 0 ) | Trackback (  )
   次ページ »