この一球は絶対無二の一球なり

この一球は絶対無二の一球なり
されば身心を挙げて一打すべし
この一球一打に技を磨き体力を鍛へ
精神力を養ふべきなり
この一打に今の自己を発揮すべし
これを庭球する心といふ


今日、辰巳ジャンプの子どもたちに教えた言葉です。
同じ江東区・二○VCのF先生も、この言葉を子どもたちに徹底しているようです。

小学生が全文暗記するには少々長めなので、最初のところだけを教えました。

「この一球は絶対無二の一球也」


この言葉を残したのは、日本テニスの草分けである「福田雅之助」氏です。
早稲田大学テニス部の一員であった福田氏は、後輩のための「テニス訓」としてこの言葉を残したようです。

あの熱いハートを持っている松岡修造選手が、ウインブルドンベスト8を決めるマッチポイントを取った時に、「この一球は絶対無二の一球なり」と叫んでサービスを打ち、ベスト8に勝ち進んだことも有名な話です。

バレーボールも同じネット競技として、心に刻んでおく必要のある「名言」です。



そう考えると、バレーボールの世界には名言はないのでしょうか?

私が集めたものもブログ内に記録してありますので、ここで再掲載しておこうと思います。

まずは1964年の東京オリンピックで女子バレーボールチーム金メダルを取った時の監督・大松博文(だいまつひろふみ)さんの言葉です。

(大松博文)
「おまえたちには、もう、試合において苦手もなければ、調子が悪くて力が出せなかったなどというようなことは起こらない。そういう、ほんとうの内容をもったチームに、わしはしている。」

(大松博文)
「日紡貝塚の選手たちの、絶対に勝つのだという根性は、勝つのだ、勝つのだ、というお題目から生まれたものではありません。絶対に負けない、というふだんのがんばりから生まれたのだと信じています。
 一口にいうならば、飛んでくるボールを“絶対に受けそこなわない”練習から生まれたのです。ボールを落とすことは負けに通じます。」

(大松博文)
「人間は、生まれて、ものごころがついてから死ぬまで、毎日が修養だ。とちゅうで1日でも怠ったら、真の人生からそれだけ後退する。それと同様に、バレーも、バレーを始めたら、バレーをやめる瞬間まで、それの連続だ。そのあいだ、1日でも練習を怠ったものは、世界のレベルから、ソ連その他から、一歩後退する。また、追いつかれ、追い抜かれる。しかも、やっているあいだは、いいかげんなやり方は許されない。全力を尽くしてやらなければならない。」

(大松博文)
「いま、つらつら考えるに、もしわたしたちが日紡貝塚バレーチームにつくった最大なものはと聞かれるならば、楽しいふんいき、ということかもしれない。強くなること、勝つこと、それに絶対必要なのはチームワークであり、そのチームワークは、楽しいふんいきがなければできない。
(中略)
とにかく、ウジウジしていたやつが、チームに入って1年もすると、みんな、まるで人間が変わってしまう。」

(大松博文)
「わたしたちが各セットごとに得た三分の一以上のスコアは、サーブポイントだ。この一貫した成功には、多大な努力がはらわれている。わたしはトレーニングにあたって、三分の一以上の時間を、サーブの技術革新に費やした。」

(大松博文)
「いちばんいけないことは、なんでも、やってみないで、自分にはできないと思うことです。できなければ、できるまでやる。その意志をつらぬく。それが、人間のいちばんだいじなことです。」

(大松博文)
「わたしは、しめたりゆるめたり、泣かせたり笑わせたりして、練習の単調を破ろうとして苦心した。また、一つのボールを打つにも、たとえば、ソ連の攻撃の方法を想定して打ち、レシーブする選手の動かし方を考えながら打った。それには、選手それぞれの個性が大きく関係している。
 練習を終えて、帰途につけば、あのやり方はまちがっていなかっただろうかと心配し、明日はどんなふうにやろうかと、三つも四つも新しいやり方を考え出した。
 ところが、来年になったら大松はやめるから、今のうちに練習方法を習っておこうなどと、世間ではいった。あれはまちがいだと思う。」

(大松博文)
「1日に1ミリの千分の一でいいから、拾う力が余分に伸びてくれ。1日に10センチも20センチもとはいわないから。」

(大松博文)
「私はバレーのチームを育てながら、どの選手のどんなミスも、すべて監督である私の責任だということがわかってきた。だからおこらなくなった。(中略)ミスした本人は、しかられる前に、しまった、と思っているのだ。子どもでも同じことらしい。だから、恐れ入っているうえにしかりつけられたら、ミスは帳消しになり反抗心を起こさせ、さらに、もう二度とこんなミスはすまい、という一番大事な気持ちを放棄させてしまう。」

(大松博文)
「わたしは奇跡というようなことばは口にしたくありません。天から降ってくるようなことに、人は期待すべきではないと思うからです。水のない地下から、泉がわき出ることはないのです。」

(大松博文)
「ひとりが何かプレーをしているとき、他の5人は二つか三つ先を読んだ行動をしている。われわれのチームは1年じゅう合宿して練習しているから、だれかが一つのプレーをしたばあい、自分はこうすればいい、ということが反射的にわかり、自然とそうした動きもできるのだ。」

(大松博文)
「人間とは弱いものだ。苦しくなると、さけて通ろうとする。楽な方へ逃げたくなる。それでは強い選手になれない。苦しさに耐えて、創意工夫をして、人以上の努力をすることが一番大切です。それをやる人が、やがて偉大な選手になる。」




夏休みの間、名言を通して自分のバレーボールを作り上げてきた辰巳ジャンプの子どもたちですから、今回の「この一球は絶対無二の一球也」という言葉も吸収してくれることでしょう。


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