地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

津軽鉄道しばれ旅 (1) 走れメロス

2008-02-14 07:17:07 | 地方民鉄 (東北)


 弘前駅でEF81 95牽引「あけぼの」の発車を見送ったのちは、キハ48に乗り換えまして五能線を進みます。「あけぼの」乗車中は止んでいた雪が降り始め、一面の林檎畑がじっと耐えている様子を眺めているうちに、いよいよ進行方向右奥に津軽鉄道の車庫が見え、五所川原駅に到着! 三十路後半になっての津軽鉄道初訪問は「遅い!」と言われそうですが (笑)、とにかくも初訪問が叶いました (^o^)。
 古びた跨線橋を渡り、しばらく駅構内に留置中の車両群をスナップして興奮していたところ、いよいよやって来ました、津軽中里行の「走れメロス」津軽21形……! と思ったら車両交換で少々待たされました (^^;)。10時30分、4~5人の地元高校生と3~4人の観光客、そして数人の「鉄」(比率高っ……^^;) を乗せていよいよ出発進行! 公式HPに掲載されている時刻表は夏ダイヤのもので、かなりの違いがありますので御用心……(それをプリントアウトして持参した私は当初、発車時刻は10:20と信じ切っており、「のんきに車両交換していたら発車時刻に間に合わない」と焦りました ^^;)。きっぷは一旦JRの改札を出て、津鉄の窓口で購入するのが正解らしいのですが、なにせ跨線橋が共用なもので、何も知らずに五能線ホームから津鉄ホームに移動した私は、発車前に補充券を発券してもらったのでした (JR券は回収されませんので、横浜から五所川原までの切符をそのままゲット!……って、マルス券ですので別にうれしくはないのですが ^^;)。



 津軽五所川原から津軽中里までは所要36~40分で、うち数分は金木でのスタフ交換のための停車時間ですので、正味30分といったところ。一面真っ白な平原の中に時折黒い森が現れる冬の津鉄沿線……しかも雪は時折強さを増して容赦なく叩きつけるように降りしきりますが、新潟鉄工→新潟トランシスNDCの津軽21形は、特に苦もなく淡々と駆け抜けて行きます。「走れメロス」という愛称はもちろん、沿線の金木ゆかりの小説家・太宰治の『走れメロス』にちなんでおり、メロスはかつて古代ギリシアの世に、友人を裏切るまいと懸命に走り、いまは津軽の地で風雪に耐え、地元のために黙々と走り……頼もしい限りです。
 もちろん、趣味的にはオールドDCの方が良いに決まっていますが、まあそれは言いっこなしということで……(^^;)、むしろ、シンプルな「逆・湘南色」も凛々しく、雪まみれ姿で闘う新潟NDCの姿は、会津の「AIZU尾瀬エクスプレス」用・AT600・650形と同じ頼もしさを感じます (随分と話が飛んで恐縮です ^^;)。
 そして今冬からは、冬季限定のストーブ列車に乗車する際、ストーブ客車料金として300円を支払うことになったのに合わせ、主に地元客用として料金不要の非ストーブ車両も連結されることになり、津軽21形がその役に抜擢されていますが、その珍編成ぶりにつきましては次回をお楽しみに~。