ベトナム国鉄で撮影と乗車を楽しむにあたって、最も信頼すべき情報は国鉄公式HP掲載の時刻表であることは言うまでもありません。しかし今回、ハロン線の標準軌客車を訪ねるにあたって最も泡を吹いたのは……1~2年ほど前まで掲載されていたハロン線客車列車の時刻が消えているという事実です (-_-;)。一応、この列車のハノイ側始発駅は郊外のイェンビエン(安園)であり、しかも始発時刻が早朝4時40分であることから、およそ一般旅行客や観光客の利用を想定していない超ノロノロ行商列車としての運行であることが余りにも明らかであり、国鉄当局としても「面倒だから載せなくても良いだろう」と判断したのかも知れません。とはいえ、他の行商列車臭い列車の時刻は掲載されており、ハロンへの立派な並行道路もあることから、まさかハロン線の旅客列車自体が最近消えてしまったのではなかろうか……という悪い予感がよぎったのでした。そんな疑心暗鬼を解決する唯一の方法は、事前にイェンビエン駅を偵察し、駅掲示の時刻表にハロン線列車の記載があるかどうかを確認することしかありません。そこで、ハノイ到着翌日、ザーラムから一駅だけ鈍行列車に乗ってイェンビエンに向かい(並行道路を行く10番のバスが3,000ドンなのに対し、値上げほやほやの列車運賃は10,000ドンですので、絶対そんなヤツいねぇ……。窓口嬢も、およそベトナム語の発音も出来ない私を変人扱いで睨んでおりました ^^;)、見事毎日運行であることを確認! 往路はイェンビエン4:40発→ハロン12:08着であるという掲示をしげしげと眺め、「よっしゃぁぁあ!」と鬼の首を獲ったような気分になったことは言うまでもありません (笑)。
そこで、夕方宿に帰ったのち、『地球の歩き方』を片手に作戦会議。まだタクシーが走っていない朝3時台に宿を出てイェンビエン駅に行くことは現実的ではないうえ、ハロン界隈に行くのであればついでに港湾都市ハイフォン (海防)を経由し、ハノイ~ハイフォン間のメーターゲージ急行列車にも乗りたい……と思いましたので、まずは宿から早朝ハノイB駅まで歩いて6時発のハイフォン行きに乗り、ハイフォンからハロンの市街地バイチャイ(拝斎)までバスで移動、12:08に列車が到着するところを出迎えて激写しよう!というプランを立てたのでした。その具体的な成果が1枚目の画像です!! 中国製ながらもベトナム国鉄独自の塗装となった罐が、これまた中国からのもらい物である半鋼製客車をゾロゾロ連ねてやって来るシーンは、もう筆舌に尽くしがたいほどの感動でした……(*^^*)。
しかし、ここにたどり着くまでが冷や汗タラタラ (@_@)。ハノイから列車でハイフォンに到着後 (この列車につきましては別に記事を立てます)、遅い朝飯として駅前通りにて名物の「バイン・ダー・クア」(蟹ダシの、サトウキビ汁練り込み米粉そば)を楽しみ、中心街をのんびり歩いて約1.5km離れたラックロン・バスターミナルにたどり着いたのは午前9時過ぎ。バイチャイBT行きバスは15分間隔で頻発し、所要は1時間半ということで、あと3時間あれば超余裕だろう……と思っていたのでした。ところが、ハイフォン~バイチャイ間のバスは全て中国国境のモンカイ(茫街)まで行くミニバスに統合されており、そのミニバスは客が埋まるまで客引きのため牛歩でしか進まず、しばらく走っても客が埋まらないと引き返して客引きやり直し……。モータリゼーションが進み、機動的なミニバスが発達すると、逆に所要時間が読めなくなるという、90年代以降の中国でイヤというほど味わってきた状況は、ここベトナムでも無縁ではないという……。
というわけで、ハロン駅到着までの激闘(?)記は次回につづきます (字数制限キビシ~^^;)。2枚目の画像はハロン駅に到着し機回ししたあとのものです。↓にハロン駅とバイチャイ市街の地図を載せておきます。次回記事と合わせて、もし行かれる奇特な方がおられるとすれば御参考下さい。ハロンから列車に乗りたいと思うならば、ハイフォン経由でこんな綱渡りをするよりも、直接ハノイのザーラムBTからバイチャイBT行きのバスに乗って来る方が確実ですので念のため……。