地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

南伊豆東海バスの古参旧塗装車を熱狂的に撮る

2012-07-10 00:00:00 | 濃いぃ路線バス&車両


 伊豆には伊豆急の秘宝だけでなく、東海バスにも秘宝の経年車あり。そのうち箱根登山塗装で走る経年車につきましては、先月出掛けた怪社の旅行の際に撮影して話題にしたばかりですが、肝心の東海バス塗装経年車につきましては、このとき全く撮れず仕舞い……。とはいえ、『バスラマ・インターナショナル』の今年3月号に載っている東海バス特集にて、オレンジに象徴される東海バス塗装も世代交代が進み、今や最も幅を効かせているのは直線的な塗り分けに「TOKAI BUS」と大書された新塗装であることを即座に見て取れます。したがって、長年慣れ親しんだ旧塗装車は98年度以前の導入車に限られ、既に相当数を減らしているという事実を認識せざるを得ません。そこで「これはうかうかしていられない……伊豆にゆかりがある人間としては、申し訳程度であっても東海バスの旧塗装経年車を撮っておかなければ」という焦燥感に駆られた私 (^^;)。今回のクモハ103乗車にあたっては、是非南伊豆所属のシブいバスにも遭遇出来ないものか……という、期待と不安が入り交じった気持ちで伊豆急下田駅に降り立ったのでした。



 すると……伊豆高原での氷雨がウソのように時折薄日も射し込む中、駅前のバスターミナルには内心最も期待していた旧塗装のエアロスターMが停車しているではありませんか!! (*^O^*) しかもトップドア・メトロ窓ということで、他社からの譲受車ではなく東海バス生え抜き車両!! 上記『バスラマ』所収の東海バス在籍車一覧表によりますと、この「伊豆230 あ 443」は1992年製ということで、東海バス最経年の都営バス譲受車キュービック (伊東) が1989年製であることに鑑みて、堂々の生え抜き最古参車の部類に入ると言えそうですが、そんな車両を一発でつかまえることが出来たとは……!! 
 ちなみに、このバスの行き先である賀茂逆川は、稲梓のあたりで西伊豆へ向かう主要路から枝分かれして、山沿いに河津界隈へ抜ける国道の途中にありますが、かつてこの道は全線にわたり「酷道」と呼ぶべき狭隘路で、現在でも多くの区間で拡幅工事が進んでいるとはいえ、河津バガテル公園が開園したことに伴い設けられたショートカット路への分岐から先、河津七滝方面へ向かう一部区間は「中・大型車通行不可」という看板が出ている究極の「酷道」であり続けています (滝汗)。そしてこのバスが走る区間も未だに狭隘区間があり、そんなところに車齢20年のエアロスターMが突っ込んで行く光景を想像するにつけ胸が熱くなります (笑)。乗って行きたい衝動に駆られますが……甥っ子を連れており、しかも夕方の塾の時間に合わせて横浜に戻らなければならないことこそ悔しけれ (爆)。
 いっぽう2枚目の「伊豆230 あ 593」は、1998年製のいすゞ+富士重工8E! 『バスラマ』で形式写真を一目見て、余りのキュートさに悩殺された一台ですが、今回呆気なく姿を現してくれたことで改めて悩殺! 車体の大きさからして短距離線を主な活躍の舞台としているようです。98年製ということで、恐らく東海バス旧塗装を最後まで伝えてくれる存在となることでしょう……。
 こんな感じで、僅か10数分そこそこの駅前広場滞在中に相次いで、南伊豆所属車の中でも最も撮りたかった車両を撮ってしまったわけですが、南伊豆(及び下田をカバーする西伊豆東海バス)にもエルガミオが大量に配置されているほか、箱根登山塗装車や新塗装をまとった神奈中などからの譲受車もそれなりに多数走っている以上、本当に偶然に恵まれていたのだなぁ……と思わずにはいられません♪