♪われは湖(うみ)の子 さすらいの 旅にしあれば しみじみと……
そんな名曲中の名曲「琵琶湖周航の歌」のメロディーが実に相応しい琵琶湖の西岸にはかつて非電化私鉄の雄・江若鉄道が走り、とりわけ夏の湖水浴シーズンには手持ちの気動車や客車をフルに動員した壮観極まりない光景が展開されたそうですが、国鉄湖西線建設のために補償金を得て廃止となってはや幾年。江若鉄道の名はバス会社・江若交通として引き継がれて今日に至っており、何ともシブい色の路線バスが湖西線主要駅からのフィーダ路線として駆け巡っているのは如何にも好ましい風景ですが、それでもやっぱりローカル私鉄的情景に思慕を覚える身としては、もしも江若鉄道が現存していればどんな光景が展開されているだろうか……と妄想せずにはいられません (笑)。現在のバスの塗装(青+薄緑+赤帯)を鉄コレのDCあたりに塗ってみようかという欲求が沸々と……(爆)。
しかし妄想はあくまで妄想。現在の江若交通バスに乗った話を少々……(^^;)。
いつも京都出張の際には、用務が基本的に夕方からの会議出席であることから、日中は鉄なエクスカーションをくっつけることが恒例となっているのですが、さすがに京都周辺の主要な鉄スポットは一通り行き尽くしつつあるな……と思っていた今日この頃。とはいえ思い出してもみれば、濃いぃケーブルカーの数々を見逃していたではありませんか……。そこで今回は、京阪グループが天下に誇る日本最長ケーブルカーである比叡山鉄道・坂本ケーブルに初乗車しまして、比叡山延暦寺を初訪問することにしたのでした。
ただ坂本ケーブルの乗り場は、最寄りの京阪石山坂本線・坂本駅から700~800m離れているだけでなく、湖西線の比叡山坂本駅からは2kmほど離れているため、新幹線で京都入りし、湖西線でスムーズにアクセスしようとしますと、ケーブルカーの運行に合わせて30分間隔で運行されている江若バス・シャトル便のお世話になることになります。というわけで、比叡山坂本駅に降り立ちますと、薄いパープルの車体にケーブルカーの写真がラッピングされた専用車・日野レインボー (といってもほとんどコミュニティバス・サイズです ^^;) が登場~。この駅に出入りする他のバスが自転車積載ラック付エルガミオであるのと比べると異彩を放っています (いやそもそも、自転車ラック付きバスがゴロゴロしていること自体相当異彩を放っているわけで、神奈中の本厚木~宮ヶ瀬線かよ!と思った次第。とゆーか、ゴツい自転車ラックが付いているだけで、つまらん表情のエルガミオが豹変して精悍に見えますので、今後はエルガ・エルガミオには自転車ラックを標準装備して欲しいものですな……笑)。
というわけで駅前を発車したバスは、僅か7~8分後にはもう終点のケーブル前に到着するという呆気なさですが、実はその途中の光景がなかなか絶品。京阪坂本駅界隈の街並みは、比叡山の登山口にあたり昔から栄えてきた名残を今に伝えていますし (以前京阪に乗った際にはすぐに折り返してしまったため何も見ていなかったという……^^;)、街を抜けると今度は鳥居をくぐり、日吉神社(全国津々浦々にある山王社の元締め)の緑あふれる参道を走るのもいとをかし。
そんなこんなで到着したケーブル坂本駅は……ををっ!勿論キレイに改装されてはいるものの、基本的に開業当時の建物のままでレトロ♪ 国の登録文化財にも指定されているようです。そんなケーブル駅をバックに比叡山坂本駅に戻って行く江若バスを見送って、いよいよ大本命・坂本ケーブルに乗り込んだのでした♪ が、この後は悲惨な運命が……(@_@ つづく)。