少々間が開いてしまいましたが、3月のヤンゴン画像はまだまだ多数……というわけで、今回は少々キワモノな存在として、中国メーターゲージ罐の客レです~。
ヤンゴンで日本中古DCの稼働率が低下している一方、当然のことながらラッシュ輸送をなるべく滞りなく捌かなければならないことは言うまでもありません。そこで昨年~一昨年あたりには、中国のメーターゲージ路線・昆河線の中古DL・東方紅21改めDD1100形が、故障した日本中古DCを牽引するという光景が展開しており、いつもお世話になっております斎藤幹雄様によるRP誌掲載のレポート画像は、中国鉄道ヲタを兼ねる人間にとって驚天動地の衝撃モノだったのでありました……! 何故なら、中国製罐+日本中古客車による営業運転の組み合わせは、戦後中国で生産された満鉄SLコピー以後の罐と、日中戦争に伴う中華民国維新政府発足・華中鉄道発足により日本鉄道省から特別廃車扱いで供出された32系客車の組み合わせ (恐らく1990年代前半までに消滅) 以来、まさに久々のものであったからです!
というわけで、今回のヤンゴン訪問にあたっては、そんな激しくカヲスな (しかし現地の人々はおろか、たまに観光目的でヤンゴンの近郊列車に乗りに来た外国人も、そんなヲタ過ぎる事情など知ってるわけねぇ~。笑) 光景をナマで目撃し激写することも、個人的に極めて重大なミッションでした。しかし残念ながら、東方紅21の相手はミャンマー・オリジナルの軽量客車RBT800に変更されてしまいました……(号泣)。まぁ他の車両で大いにラッキーなこともあれば、こんな期待ハズレの事例もあるでしょう (汗)。
しかし、期待ハズレなどと言っては贅沢過ぎるのも事実。このDLがかつて活躍していた昆河線(フランスによって建設された昆明~ハノイ線)は、路線自体が隘路の連続で大量輸送に向かなくなっており、中国側では並行して高速道路のみならず標準軌路線も建設中です (ベトナム側に繋ぐ気があるのかどうかはさっぱり分かりませんが)。そこで、既に昆河線では列車が大幅に削減されており、以前の記事でも触れました通り、余剰車の一部がベトナムに売却されてD10Eとなっているほか、ミャンマーには2010年頃までに軍事政権への援助の一環として40両以上が供与されています。これだけですと何と言うことはない、単なる中古DLの輸出に過ぎませんが、「東方紅」を称した中国の液体式DLは、結局電気式DLの圧倒的普及により不発な技術に終わっており、既に標準軌用DLは消滅に近づきつつあるほか (かつては東方紅3形がハルビン=大連線など東北地方本線系の主力として君臨していましたが、今や地方の炭鉱鉄道でも現役車両はあるのだろうか……? 入換用として1988年まで製造され、北京近郊でも生息していた東方紅5形も先は長くない……?)、昆河線でも上記の事情により消滅間近。したがって、これもこれで結構貴重なのです。中国国鉄が満鉄技術のもう一つの継承者であることを思えばなおさら……(内燃動車のノウハウはさすがに、ソ連由来でなければ中国オリジナルでしょうが)。