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全国各地で火山の活動が活発になっている今日この頃ですが、火山があれば温泉もあるわけで、これは言わばコインの表裏、宿命と恩恵といったところでしょう。これまでの日本の歴史がそうであったように、今後も何とかうまく付き合って行きたいものです。
そんな折も折、仕事が忙しくなかなか鉄活動するヒマがないのですが、先日怪社の若手研修旅行を引率し、群馬の伊香保温泉を訪れました。伊香保に到着する直前、貸切バスが必死に(?)急勾配を登った先、三叉路の前に現れたのは……何と!ピカピカな状態の路面電車! そういえば昨年あたり、往年の東武軌道線の車両が伊香保温泉に再び戻り永住の地を得た云々……という記事を目にしたのを思い出しました。そこで、入浴・晩飯前の自由時間を使って宿からサクッと往復し、そのシブく美しい姿を激写して、軌道線とは言いながら専用の線路区間も長く、事実上の登山電車として40~50‰台の急勾配をギシギシ言いながら力走していた往時を偲んでみた次第です……。
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それにしてもこの伊香保軌道線、圧倒的に速い道路・バスに取って代わられるかたちで廃止されたのは昭和31年の話ですので、半世紀以上の時を隔てて木造車体はとっくの昔に散逸し朽ち果てているとしてもおかしくありません。しかし、近所で個人が大切に保存し、しかも下回りは名古屋市電→豊橋のお古を流用することが出来たということで、まさに奇跡的な里帰り劇ということなのでしょう……。いろいろググッてみますと、東武は東上・伊勢崎線、ならびに渋川を結節点として高崎・前橋・伊香保に又をかけていた軌道線を結びつけることで、東京から伊香保に直通しているとしてもおかしくなかったところ、結局日光・鬼怒川に注力して群馬方面は現状維持の消極的な(?)経営方針となったことから、やがて伊香保への足も軌道での運転をやめて東武バス(そして最近は関越交通)に移行しているとのこと。そんな未成線をめぐるグルグルとした妄想を脳内に抱きつつこの電車を眺めるのもまた、鉄道趣味の奥深い一面といえるのかも知れません。
ただ問題は……とくに団体旅行で伊香保を訪れて名所・石段の周辺に泊まる場合、温泉街の入口(=一番低いところ)にあるこの保存車両まで結構歩くこと。しかも、行きは急坂を下るのみですが、宿へ戻る際には超急勾配の坂道をひたすら登り返す必要があります。まぁ私の場合は、歩くことも趣味の一つにしていますので何とも思いませんし、歩いた後の温泉とビールでスカッと爽快な気分になりますが、運動不足の方は確実に筋肉痛&ヘトヘトになること間違いなしです (笑)。