地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

第六ジャカルタ炎鉄録 (24) 最新エコノミAC客車

2015-06-11 00:00:00 | インドネシアの鉄道


 かつて日本の1970年代後半から80年代において鉄道車両の冷房化が急速に進んだのは、経済の高度成長に加えて、普通列車にも手軽に (?) 装備できるような廉価な汎用クーラーを量産するだけの技術革新があったためでありますが (当時はまだ○ソガキだったもので……そういう理解で問題ないですよね? ^^;)、その後経済発展した国の場合には自前でそんなクーラーを開発する手間はかかりませんので、単に経済発展の成果としてポンポンとクーラーを載せるだけで良いことになります (こういう見方も極端? ^^;;)。そこでインドネシアの場合には、一昨年から3等エコノミ客車にも一斉に家庭用クーラーを搭載して完全冷房化が推進されて来ましたが、急行列車には日本メーカー製の大容量・強力クーラーが搭載されてキンキンに冷えている一方、鈍行列車の場合はどこぞとも知れぬちょろい小型クーラーがまばらに配置されているのみで、全然冷えないという……。やはり、よく冷える冷房車を普及させるためには、鈍行用ボロ客車のやっつけ改造だけでは不十分で、長い目で見れば急行列車には新造車を充当し、その玉突きで鈍行列車にも強力クーラー車を回す、ということが必要になってくると思います。



 しかし当面は、ジャカルタ首都圏の拡大に伴ってジャカルタと地方を結ぶ需要も増えるのに追われるかのように、あくまで増発分、ならびに中途半端な存在と化した2等ビズニス(転クロ)列車の置き換え用として、3等エコノミ冷房新車を投入する動きが続いており、「マジャパヒト」「ガジャウォン」「クラカタウ」といった新設3等急行用として、鮮烈なブルー濃淡のデザイン塗装を纏って快走しています。個人的にはまだ乗ったことがないのですが、従来の2+3ボックスシートを止めて2+2の非常にゆったりとしたボックスシートに改め、清潔で明るい車内に強力クーラーということで、そこそこ安く(非冷房3等を冷改した急行列車と比べると全然高いものの、1等車よりは全然安い)まったりと快適に長旅をするには悪くない存在なのではないかと思います(インドネシアのボックスシートはシートピッチが広く、かつ座り心地も良いため、空いていれば全然疲れない……ような気がします)。
 昨年8月のジャカルタ遠征では、そんな新型3等客車についてもテキトーに形式写真を撮ってみたのですが、あとで仔細に眺めて驚いたのは……折り戸と開き戸の違いがあること! しかも折り戸車はステップを内蔵しています。この細かい設計変更は一体何故……? また、折角センスの良い新塗装だと思っていたこの塗装が、最近の全等級共通新塗装化により、早くも過去帳入り決定とは……。今度訪れる際には、塗装変更による混色が増えていると想像するにつけ、こんな感じで形式写真を撮っておいて良かった! (出来れば標準40~50mmくらいで撮るべきでしたが、通過列車を望遠ズームで激写したついでですので仕方がない ^^;)