地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

第三ヤンゴン熱鉄記 (18) ヤンゴンの松浦車

2015-06-20 00:00:00 | ミャンマーの鉄道


 この週末発売となるRP誌の最新号は、臨時運転の幕切れを8月末に控えた北斗星特集となっておりますが、そこらへんはさすがRP誌、単なる惜別煽り記事ではなく、四半世紀以上にわたる社会事情・営業面・編成スペックの変遷を手堅くまとめ、コンパクトにして非常に高い資料性を誇っているように思います。そこで私も、北斗星は1往復しか乗ったことがないながらも (^^;) お買い上げ~。とくに車両カタログにつきましては、如何に多種多様な改造がなされてきたかというカヲスぶりを示しており、見飽きることはありません。
 しかし、今回発売のRP誌においては、それ以上にマニアックな資料性を誇る記事が掲載されています。それは……いつもお世話になっております斎藤幹雄様によります、新潟鉄工→トランシス製ミャンマー国鉄RBEのエンジン等全面換装プロジェクトの記録です。



 ミャンマーに送られた中古DCは、暑熱やホコリなどの過酷な環境に加え、トレーラーを連結した負荷の大きすぎる使用ぶり、そして予備車をほとんど持たないことなどから、あっという間に酷使がたたって再起不能に陥る車両が多く、ただでさえ車両不足なミャンマー国鉄の車両事情はさらに火の車となってきたわけですが、そんな状況を抜本的に改善するならば部品を補充し整備環境を改善するしかないことは言うまでもありません。しかし先立つものは資金……。そこで、日緬国交60周年を記念して、日本財団の寄付により、関係企業がチームを組んでRBEのリフレッシュ計画がスタート! その第一号として、松浦301改めRBE2543の更新が完了し、その概要・途中過程及び記念式典の模様がレポートされています。詳しくは誌面をご覧頂ければと存じますが、このような地味ながらも着実な協力によって日本中古DCが生き延び、しかも現地の交通事情改善に寄与するというのは何とも良い話ではありませんか!
 しっかしまぁ……そんなRBE2543の完成試運転が実施されたのは3月12日ということで、私がヤンゴンを後にした2日後! 何つー巡り合わせの悪さ……(苦笑)。
 というわけでとりあえず、今年3月の滞在中にヤンゴンで目にした松浦車の画像をアップしてみます。初めて訪問した2013年3月には、RBT800を従えて東郊方面へ向かう主力となっていた松浦車も、例によって酷使でヘタレてしまい、110→2576はコンピュータ支線運用のトレーラー扱いとなり、111→2577はヤンゴン工場に入場していました。この2両もいずれは、2543と同じくリフレッシュ工事を受けることになるのでしょうか?
 とはいえそれ以前に、JRC軍団が大量にヤンゴン入りした昨今、このヤンゴン工場そのものがヘタレ過ぎて手狭なのではないかと……。既に当ブログでもお伝えしました通り、ヤンゴン中央駅南側の客車区・工場・貨物駅・予約センター (笑) 界隈については大規模な再開発計画がありますので、いずれにせよこの侘び寂び過ぎる工場の先行きも長くないわけですが (インセイン駅の脇で大規模造成していたのが新工場??)、滞在中毎朝まず中央駅前陸橋にやって来ると眼に飛び込んで来るジャングルの光景がなくなるのは、これはこれで寂しいことです。
 というわけで、次回はまた客車分類に戻ります (^^;