地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

ソウルメトロ2号線の旧2000系を偲ぶ

2015-06-22 00:00:00 | 韓国の鉄道


 本日は日韓国交正常化から50周年とのこと。個人的にはかの国の日本への対応をめぐる様々な問題点について極めて批判的ではありながらも、基本的にはまぁフツーに海外を旅行できるスキルがある人間にとってはそれなりに楽しめる国ですし、あのケンチャナヨな雰囲気も予め分かったうえで訪れれば悪くないと思いますので、こういう現状については残念に思うばかりです。相手国の状況をよく知っている人間同士の関係は、互いのツボを心得ているので悪くないはずですが、いろいろな要因が加わってこうなってしまうわけで……。
 ただ、いま率先して韓国を訪れたいとは思わないのも事実。まぁ単純にタダ旅行 (=出張) の予定が入らないだけですが、何と言ってもナゾの流行病の問題がありますし、鉄道趣味的にみてもロテム臭くない (=日本的な雰囲気がとても親しみやすい) 車両が加速度的に引退してしまったという問題もあります。韓国都市鉄道研究の大御所の一人でおられ、いつもお世話になっております西船Junction様が、最近ソウルを訪問されつつも平壌に一層ぞっこんでおられるご様子なのも、車両面でのマニアックな面白みが段違いということがあるのでしょうか……(スミマセン ^^;)。私も今や、同じコリアンな場所ならソウルよりも平壌を訪れてみたいと熱望しておりますが、金の準備は余裕で問題なくとも諸事情でそれが叶わないことこそ哀しけれ。



 それはさておき、そんな半世紀の節目は結局のところ誰も祝わない、あるいは当面建前で祝うのみ……という状況かと思われますが、個人的には長年お世話になっている韓国人の知人もおりますし、とにかく「ケンチャナヨだけど (ケンチャナヨだから?) 楽しい」鉄道シーンには悪い印象は持っておりませんので、ソウルで撮ったきり未公開だった決めカットをHDの中からゴソゴソと漁って、ソウル訪問時の記憶をこっそりとヌル~く温めたいところです。そこでアップしますのはソウルメトロ旧2000系!
 ソウル市内を大きくグルッと一周して最混雑の大動脈となって久しいソウルメトロ2号線は、1980年代初頭に日本の技術援助で完成した路線であり、その電車は自ずと日本風のデザインでしたので、乗っても撮っても簡単に感情移入しやすい路線でした。しかし、これらのカットを撮影した2007年の時点では、「新造後25周年で廃車」というルールに加え、大邱地下鉄火災の影響もあって初期車から急激に廃車が進んでおり、相鉄6000系の車内を思わせるような暗いグリーン系の車内の車両は続々廃車中、もう少々使う予定の車両は不燃化改造が急速に進行中でした。
 しかし今や、三菱製電機子チョッパの編成 (上) にしても、GEC製電機子チョッパの編成 (下。前者との違いはクーラー形状やパンタ位置の違いから一目瞭然) にしても、この手の古い二段窓の編成は全車廃車となっている頃でしょう……。あるいはそもそも、ホームドア化が完全に進んだ結果、こんな感じで撮り鉄することも難しくなっていると思われるわけで、なおさら趣味で訪れる価値が減ってしまいました。上段窓が内側に開くGECチョッパ後期車は、ラッシュアワー用として細々と残り (車齢が新しい中間車をかき集めて両端を先頭化したバージョン)、来年までに全廃となるそうですが、その前にソウルを訪れる機会が果たしてあるのだろうか……? まぁもし訪れたところで、膨大な運用数の中から引き当てるのは至難の業ということで (汗)。
 いっぽう、ソウルメトロ旧2000系といえば……ベトナムのハロン・エクスプレスですよ旦那! しかし、ザーラム工場の片隅でどんどん草木がからまりつつあるか、既に解体されたかのいずれかでしょうなぁ……。ハロン線の満鉄客車には何時までも残って欲しいものですが、関係が悪化したC国から新たな車両を購入するのでなければ、運用を失って久しいこの車両を再び一般用に改造して投入……とゆーことはないか (^^;
 模型は……まず出ないよなぁ~。韓国で鉄道趣味が一層興隆するまでは (-_-