地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

箱根登山盛夏 (上) サンモリッツ号

2010-07-25 00:00:00 | 地方民鉄 (東海道)


 去る木曜と金曜、プチ夏休みをとって両親と甥っ子・姪っ子を箱根の温泉に連れて行ってやったのですが(モテ度ゼロなキ○ヲ○ですみませんねぇ。笑)、そういえば箱根登山は手近な距離にあり過ぎ、ついついご無沙汰になっておりました (汗)。そこで、午後の早めな時間に都内での仕事を終えて箱根登山沿線の宿に向かう途中、ちょうど斜光線が良い感じになるスイッチバック駅(なんて書き方をしなくとも何処かは一目瞭然か ^^;) にて少々撮影タイムを設けたのですが、昨年春の登場以来なかなか撮る機会がなかった2005F「サンモリッツ号」がちょうど良い具合にやって来てくれました。
 サンモリッツ号は昨年春、箱根登山がスイスのレーティッシュ鉄道 (登山電車技術の先輩格) と姉妹提携を結んで以来30周年を迎えたのを期に、レーティッシュ鉄道が世界に誇る豪華観光列車「氷河急行」の最新鋭車両と同じ塗装をまとって登場した編成ですが、個人的には「何だか側面のスイス国旗風の塗装が絆創膏みたいでアレだなぁ……」と思っておりました。しかしそれ以外のカラーリングは、2000形の車体デザインにマッチしておりなかなか宜しい……というわけで、かねてから少なくとも一度は記録しておこうと狙っていたところ、ようやくド順光でのチャンス到来!という次第。望遠気味に撮ればスイス国旗風塗り分けが目立たず良い感じです☆ ……って、この塗装最大のチャームポイントをしっかり撮らなきゃダメじゃん、という声が聞こえて来そうですが (^^;)。



 それにしても……箱根登山というと「あじさい電車」の季節が終わると秋までは今ひとつフォトジェニックではないという印象がありますが (私だけ?)、なかなかどうして、やはりむせ返るような緑の森と真っ赤な車体のコントラストは見事なものがあります。しかしまぁ……標高500m台よりも低いところの上り下りですので、線路脇で撮り鉄していても酷暑から逃れられないのは参りました (@o@)。
 とまぁこんな感じでまずは「サンモリッツ号」をバッチリ記録し、その後は温泉にビールに美味いメシ……と決め込んで翌日下山し、その後はそのまま松屋銀座の模型ショウを見に行くという節操のない一日を過ごしたのですが、一晩明けた昨日、ニュースを見てみたところ……あろうことか本家「氷河急行」が脱線転覆し、日本人旅行者に多数の死傷者が出てしまったとは……。鉄道の旅を楽しみにしていながら亡くなられた方のご冥福をお祈り申し上げます……。私もいつか一度は乗ってみたい列車だけに(もっとも、氷河急行の最大の見どころであるといわれるフルカ峠越えは既にトンネルとなったそうで、この列車に乗るよりも鈍行や郵便バスを乗り継ぎながら撮り鉄する方が楽しそうではあるのですが)、真相のいち早い究明が待たれるところです。
 いっぽう、この塗装の車両が激しく損傷してしまったシーンが事故現場の映像として日本全国に行き渡ってしまったわけで……ひょっとするとこの「サンモリッツ号」塗装も次の検査を待たずして早々に塗り替えられてしまうのではないか??という気がしなくもありません……。

松屋銀座鉄道模型ショウ・極私的見物記

2010-07-23 21:19:00 | 模型素人物欲見聞記


南海サザン緑塗装! 南海まつり勃発の予感……というか強く期待! 



やはりマイクロ私鉄物は当たり多し? 鯨&西鉄・パノラマ前面窓2題!



GMの旧国荷電板キット作例をじーっと眺め、今後の自作の参考に (^_^;)。



予約済み超豪華置物(自宅でHO運行予定なし ^^;) の出来映えに惚れ惚れ (*^^*)。

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 一年に一度だけ、銀座のど真ん中の華やかな空間にムサ苦しい「鉄」が押し寄せるという奇観が展開される松屋銀座の模型ショウ……。模型初心者の私も、行きつけの模型店にて招待券を有り難く頂いてしまいましたので、昨年に引き続きそんなムサ苦しい集団の一人として (汗)、時間を見つけてササッと訪れてみました。
 既に代表的な模型関連サイトにて注目の新製品の類はレポートされているはずですので、個人的に「ををっ!これは……」と思ったものをパパッと撮影してアップしてみると↑こんな感じのラインナップとなりました。我ながらつくづく偏っています (笑)。GMのエコノミー板キットなんて全然新製品ではありませんし (^^;)。他にも、鉄コレ第12弾の塗り試作に期待が高まったり、国鉄JR201系も鉄コレかよ!と衝撃の新展開を見せつけられたりした次第ですが(造形は素晴らしく……他の国鉄型通勤車両に波及?! 既に101系もあるわけですし……。個人的には73系・103系で様々なバージョンを出されたらその都度お布施決定 ^^;)、めくるめく試作品を前に財布と相談しながら「どんな車両を手許に置こうか……」と思案するうちが華なのかも知れません (^^;;
 それにしても……今日は暑過ぎ、帰宅してクーラーをかけても頭が朦朧 (@_@)。

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 D.D.F.のエンドレス線ジオラマ作例上をちょこまか走っていたナゾのBトレサイズ・フリーランス車両 (笑)。なるほど……こういう「もっさり」とした顔のフリーランス電車を作るという手もあったか……(^^;)。しかしまぁ、断面が東急青蛙っぽくもあり、何を素材に2両組んだのかナゾです (^^;)。

20m級のフリー私鉄電車を作る (6) 流電崩れ

2010-07-22 00:00:00 | 超へっぽこ模型製作


 以前、満鉄ジテを改造した撫順の電車っぽい車両を製作した過程をご紹介してきましたが、その際に最もキモとなる流線型先頭部をGMクモハ52板キットから流用しますと、クモハ52の車体の大部分が必然的に余ります。先頭部をもがれた無残な姿の側面板を眺めていますと、まさに「もったいないお化け」が……(滝汗)。
 そこで何とか活用策を講じようとすると、浮上する選択肢は2つ……。ジテ電車を2両製作したため2両分の側面・妻面・屋根が余っており、車体中央部で切断してニコイチ中間車とするというのが一案。そして、別の板キットから顔や一部側面を流用して隙間はパテで埋め、丁寧にヤスリで整形して全くのフリーランス車両をつくるのが一案。あるいはさらに、クモハ53007を作るというもう一案があるのかも知れませんが、GMストアに半流顔パーツって売ってましたっけ……。いろいろ思案した末に結局、ヘンテコ顔を自作してフリーランス架空電鉄車両陣に編入することに落ち着きましたが、張り上げ屋根のモールドに合わせて先頭部をヤスるなど、筆舌に尽くしがたい苦労がありました (@o@)。
 それだけに、思いの外カッコ良く (?) 仕上がって大満足♪ 台車もDT13ではなくDT16として、他の既成フリー車両と比べて多少グレードアップです (笑)。



 いっぽうこちらは中間車二題。上は、前にも少々ご紹介した「国鉄101系板キットの余り部分かき集め車両」でして、撫順FK1っぽい車両の製作の際に101系ドアを大量に使用した後の亡骸を鎮魂するため (?)に誕生したものです(^^;)。窓の間隔が一定ではないことから、そのまま等間隔でベンチレーターを載せた場合、全体の見栄えがどうもなぁ~という気がしまして、特に窓間隔が広い部分については「超豪華サロンカーとして生まれた名残り」と位置づけ、屋根に分散クーラーを載せてみました。「昭和34年、沿線では超VIPを招いて植○祭が挙行され、国鉄駅から会場および宿泊予定の温泉まで超VIPの御乗用が決まったことから、思い切ってクーラー搭載・デラックスソファー装備のサロンカー(一部非冷房・一般用座席)を新造。御乗用の目的を立派に果たしたのちは、国鉄特急から乗り換えて温泉へ向かう客へのサービスとして設備を存置し、サロンカー料金を設定するも、利用客の減少により全車一般座席に格下げ」という架空ストーリーで……(^^;;
 下の車両は、クハユニ56の板キットを使って奇っ怪なワイドドア5扉車を製作した際に発生した余りをつないで中間車を作ったというだけのシロモノに過ぎませんが、毒のない車両を無心の境地で作るのもなかなか良いものです (笑)。

豊橋鉄道渥美線を訪ねて (上) 標準赤編成

2010-07-21 00:00:00 | 地方民鉄 (中京北陸)


 新幹線にせよ在来線にせよ、東海道を西へ西へと下って行き浜名湖を過ぎますと、ようやく長かった「静岡大陸」を横断しきったなぁ……という感慨が湧くものですが (私だけ? ^^;)、さらに間もなく豊橋に到着しますとさまざまな路線の車両が賑やかに出入りする光景に「いよいよ中京圏だ」という気分の盛り上がりを感じるものです。そんな豊橋を取り巻く鉄道は、個人的趣味から申しますと飯田線といい豊橋鉄道といい、じっくりと乗って撮ってみたいことは言うまでもないのですが、結局多忙の中で豊橋というスポットは通過してしまうことが常で、その都度後ろめたさを感じておりました (滝汗)。
 とくに豊橋鉄道渥美線は、返す返すも後悔すること尽くし……。釣掛天国だった80年代は「折角の半鋼製電車なのに行先表示が幕なのがアレだなぁ。だったら名鉄のAL車を楽しむ方が良いや」という、極めて浅薄で思慮深さゼロで青二才過ぎる発想のため一度も訪れたことはなく、名鉄7300系が大量に流入していた頃は非鉄だったのでありました……。今考えてみれば、パノラマカーの車体+扁平貫通顔+釣掛の7300系「しか来ない」状態なんて、超悶絶モノのときめき☆パラダイスなのではないか……としか思えないのですが (-_-;)。そして全車が東急7200系になったらなったで、当分変化はないというミョーな安心感が自分の足を豊橋から遠ざけることにもつながっていたのでした。結局、その元東急7200→1800系を訪ねたのも、沿線で用務があったついでに高師以北で乗っただけ……(汗)。
 


 しかし今や、本家東急で7600系の廃車が始まっていることも考えれば、豊橋鉄道では所属全車が元東急7200系で、しかも抵抗制御の下回りのまま活躍しているというのは奇跡に属すると思われます。そこで、先日の京都出張ついで鉄におきましては、往路豊橋途中下車としまして、積年の願望であった豊橋鉄道全線制覇(路面電車は数年前に乗って撮っております)・1800系激写を果たすことにしたのでした。
 新横浜から所要1時間5分の「ひかり505号」で一気にワープを終えて豊橋で下車したところ、時間帯が良いためかホーム上は出張族の皆様であふれ返りまくり (^^; ちなみにここだけのお得情報を……この列車、直前では禁煙席指定券は売り切れというのが常のようですが、自由席は新横浜でも余裕で空席いっぱい♪)。そんな新幹線から豊鉄新豊橋駅へ向かいますと、ををっ……いましたいました1800系! 新豊橋に到着した列車はすぐに折り返すのではなく、次の列車の到着と入れ替わりで発車しますので、とくにこの季節はホームで待たされることなく早速冷房車内で涼めるのが良いですね♪ しかも、ワンマン化されていない車内は(無人駅からの乗車の場合、昔ながらに車掌が補充券を売りに来るのも嬉しいことです ^_^)、東急時代の雰囲気そのまんま……。さっそく眼福を欲しいままにします (*^^*)。
 新豊橋から高師までは、基本的に「単線の池多摩線」あるいは伊豆箱根大雄山線?という雰囲気ですが、本当の見どころは高師から……。意外とアップダウンに富んだ緑の中を最高60km/h前後で進んで行き、適度に空いた車内で走行音を愛で田園風景を眺めるのは何とも気分が良いものです♪ 細かく観察してみますと、どうやら沿線で最も標高が高いのは高師近辺のようで、三河田原からの上り列車の方がよりダイナミックなモーター音を楽しめるように思われます (*^O^*)。
 三河田原まで乗り通した後は、車内から見定めた撮りやすそうな駅で途中下車しつつ手当たり次第に1800系を撮影したのですが (予報がハズレて梅雨明けの晴天となり、暑かった……@_@)、一見同じに見える1800系・標準赤編成 (そういう呼び方で良いのでしょうか?) も、菱パン編成とシングルアームパンタ編成が混在していて飽きが来ないですね……。
 そういえば、渥美半島の途中まで来たとなれば、さらにバスを乗り継いで伊良湖岬へ向かい、1000円高速の煽りを受けて間もなく消える伊勢湾フェリーに一度乗ってみたかったのですが……如何せん便数が少なく、さらに近鉄を乗り継いで用務先の京都に行くにしても、船と近鉄特急が少しでも遅れれば用務に間に合わないことが発覚し、出張ついでで乗るにはリスクが大きいため断念。乗らずに終わってしまうのか……。민주당のせいだ! (爆)

緑したたる叡電散歩 (2) デオ800@二ノ瀬

2010-07-20 00:00:00 | 地方民鉄 (近畿)


 関西ネタは、約1ヶ月前の話題も同時並行で……というわけで叡電です (^^;)。
 二軒茶屋にて、出町柳へ戻るデオ722を見送って間もなく、鞍馬行のデオ813+814が到着しましたので、早速乗り込んでいざ鞍馬へ! 二軒茶屋から先は50‰の急勾配が連続し、とくにニュータウンが駅周辺に広がる市原を過ぎれば一気に深山幽谷の雰囲気となりますが、かつてデナ21が車体を激しく揺らしながら (釣り革が網棚に激突してバチバチしまくり。しかもニス塗り内装+白熱灯の車内でしたので……バラバラに分解しないか心配になったものです ^^;)、強烈な釣掛の雄叫びを上げて急勾配に挑んでいたことを思い出すにつけ、デオ800は何と軽々と登ってしまうことか……とびっくり (笑)。いっぽう、武庫川車輌製のシンプルな側面デザインの車体は、中と外のどちらから眺めてもいとをかし。ほどほどに大きく正方形に近い窓と片開き扉が並ぶその出で立ちは……そう、京急1000形を何となく思い出させてくれます (実際には阪神7801形を思い出すべきなのでしょうが……^^;)。そして、青みがかったクリーム色の化粧板とブルーのモケットは、まるでJRC静岡支社の113系を彷彿とさせるような気がします (*^^* →私だけでしょうけど)。



 そんなデオ800は編成ごとに異なる帯色を採用しておりますが (最終編成は「こもれび」ラッピング)、個人的な一番のお気に入りはといえば、同系色のブルーと薄紫を配したデオ813+814! 何と申しますか……目に優しい雰囲気がありますので……(嵐電も紫をあのような車体まるごと単色に用いるのではなく、こんな感じのアクセントとして用いれば良いのに……と思います)。そんなデオ813+814にたまたま乗ってしまった以上、ここは是非二ノ瀬で撮影を……というわけで、二軒茶屋から僅か2駅で下車 (笑)。
 すると、思いもかけない幸運が! 二ノ瀬駅は相対式ホームを持つ交換駅で、日中は全ての列車がここで交換するようダイヤが組まれていますが、出口は出町柳行ホームにあり、鞍馬行から降りた客は遮断機も警報機もない鞍馬方の構内踏切を渡る必要があります。これはうっかりすると、鞍馬行電車と下車客の接触事故が起こる可能性が大であることは想像に難くないでしょう。そこで叡電では最近ダイヤを修正し、(1) まず鞍馬発出町柳行が到着して交換待ち (2) 出町柳発鞍馬行は到着して客扱い終了後すぐに発車し、下車客に踏切を渡る時間的余裕を与えない (3) 2本の列車が去ってのち初めて踏切を横断可……という要領とした旨を知らせる掲示が構内踏切脇に掲げられています。この結果、通常では鞍馬行から下車したのちすぐに出町柳行ホームから鞍馬行を撮影することは出来ないようです。しかし……私が下車したときに限って鞍馬からの電車が遅れており、貴船口との中間にある踏切(ホームから遠望可)が鳴る気配もない……。これはチャンス! そこで速攻で踏切を渡って撮影したのが1枚目の画像です(*^O^*)。
 その後、鞍馬から折り返してきた出町柳行813+814も、山里の風景をバックに撮影成功!♪ 平日30分間隔の電車が来るまでの間、鳥のさえずりを除けば森閑として静まりかえった二ノ瀬駅の雰囲気を満喫して深呼吸するのもいとをかし……。日常の煩わしいあれこれをしばし忘れるひとときとなったのでした。