~あらすじ~
夜見山であの事件が起こっていた夏、見崎鳴はもう一人のサカキに出会っていた。
屋敷に一人で住んでいた彼は、階段から転落し命を落とした。しかし死体が見つからず幽霊になったと語る。
鳴とサカキの幽霊の、死体を探すひと夏の探索が始まる。
~感想~
アニメ化、実写映画化もされた大傑作「Another」の番外編。
時系列的には本編の後となり、終盤にはネタバレもあるので必ず本編を先に読むべし。
本格ミステリとホラーの融合にこの上ない形で成功した「Another」の続編的なものが出たことがまずうれしい。
ホラーというよりも、作者の往年のファンならば「囁きシリーズ」を思い出すだろう構成で、現実と幻想の境目に立った語り手が、何かというとよみがえる過去の記憶にさいなまれる様が懐かしい。
だがたるむ場面こそないものの、言ってしまえば中編程度の内容しか無く、トリックも味付け程度に過ぎず簡単に看破できるだろう。
とはいえ何を書いてもある程度のミステリ要素が入ってしまう作者だけに、ミステリとしてどうかとケチを付けるのも無粋な話。本作の執筆を機にさらなる番外編の構想に入ったそうで、広がりを見せる「Another」ワールドを単純に歓迎したい。
ところで最後の最後に本編とのちょっとしたリンクを見せるのだが、あれってもったいつけてラスト一ページに記すほどの仕掛けだろうか? それとも次回作の番外編でなんらかの関わりを見せるのか? なにぶん遅筆で知られる作者なので気長に次を待とう。
13.8.28
評価:★★★ 6
夜見山であの事件が起こっていた夏、見崎鳴はもう一人のサカキに出会っていた。
屋敷に一人で住んでいた彼は、階段から転落し命を落とした。しかし死体が見つからず幽霊になったと語る。
鳴とサカキの幽霊の、死体を探すひと夏の探索が始まる。
~感想~
アニメ化、実写映画化もされた大傑作「Another」の番外編。
時系列的には本編の後となり、終盤にはネタバレもあるので必ず本編を先に読むべし。
本格ミステリとホラーの融合にこの上ない形で成功した「Another」の続編的なものが出たことがまずうれしい。
ホラーというよりも、作者の往年のファンならば「囁きシリーズ」を思い出すだろう構成で、現実と幻想の境目に立った語り手が、何かというとよみがえる過去の記憶にさいなまれる様が懐かしい。
だがたるむ場面こそないものの、言ってしまえば中編程度の内容しか無く、トリックも味付け程度に過ぎず簡単に看破できるだろう。
とはいえ何を書いてもある程度のミステリ要素が入ってしまう作者だけに、ミステリとしてどうかとケチを付けるのも無粋な話。本作の執筆を機にさらなる番外編の構想に入ったそうで、広がりを見せる「Another」ワールドを単純に歓迎したい。
ところで最後の最後に本編とのちょっとしたリンクを見せるのだが、あれってもったいつけてラスト一ページに記すほどの仕掛けだろうか? それとも次回作の番外編でなんらかの関わりを見せるのか? なにぶん遅筆で知られる作者なので気長に次を待とう。
13.8.28
評価:★★★ 6