「ファラオの首飾り」★★★ 6
~あらすじ~
新たな王家の墓を発見したと主張する旧友に呼ばれ、エジプトに飛んだ燈馬と可奈。
その墓を調査する人々はファラオの呪いをなぞるように次々と災禍に見舞われていた。
燈馬は従弟の榊森羅の力も借り、真相へと迫る。
~感想~
作者のもう一つのミステリシリーズである「C.M.B.」とのコラボ作品。だがこちらの森羅は顔見せ程度で、クロスオーバーというほど大袈裟なものではない。
事件の謎解きよりも、燈馬が犯人を黙らせたトドメの一言や、「科学は人の心に届かない」と否定する犯人に対しては何も反論せず、論理的にロマンあふれる物語をひもといてみせる燈馬の姿が心に残る。
それにしてもこの一話での可奈の役目は「Q.E.D.」でも「C.M.B.」でも完全に用心棒扱いだな。
「人間花火」★★★★ 8
~あらすじ~
花火職人だった父が描いたという、死体が腐敗していく様を描いたスケッチ。その父は人に花火をくくりつけ爆殺していた。
同じく花火職人となった息子もまた、スケッチに魅入られたように様子がおかしくなっているという。
ところが友人を案じてスケッチの調査を進める民俗学者もまた、不審な様子を見せるようになった。
~感想~
まるで江戸川乱歩の作品のようなタイトルに見合った、怪奇味あふれる一編。
雰囲気だけではなく、さりげない伏線とちりばめられたヒント、意外な急展開にどんでん返し、事件が終わるまで動こうとしない探偵と、ミステリの魅力がてんこもり。探偵=燈馬にはもうちょっと動いて欲しかったが。
それより気になったのが、作品のテーマとなるある二つの言葉に、乱歩よりも宮部みゆきの気配が漂っていること。漂うどころかこれはそのまんま「名もなき毒」と「模倣犯」である。パクリとか糾弾したいわけではなく、単純に作者がどこまでその二作を意図しているのか興味深い。全く知らなかったらすごいな。
~あらすじ~
新たな王家の墓を発見したと主張する旧友に呼ばれ、エジプトに飛んだ燈馬と可奈。
その墓を調査する人々はファラオの呪いをなぞるように次々と災禍に見舞われていた。
燈馬は従弟の榊森羅の力も借り、真相へと迫る。
~感想~
作者のもう一つのミステリシリーズである「C.M.B.」とのコラボ作品。だがこちらの森羅は顔見せ程度で、クロスオーバーというほど大袈裟なものではない。
事件の謎解きよりも、燈馬が犯人を黙らせたトドメの一言や、「科学は人の心に届かない」と否定する犯人に対しては何も反論せず、論理的にロマンあふれる物語をひもといてみせる燈馬の姿が心に残る。
それにしてもこの一話での可奈の役目は「Q.E.D.」でも「C.M.B.」でも完全に用心棒扱いだな。
「人間花火」★★★★ 8
~あらすじ~
花火職人だった父が描いたという、死体が腐敗していく様を描いたスケッチ。その父は人に花火をくくりつけ爆殺していた。
同じく花火職人となった息子もまた、スケッチに魅入られたように様子がおかしくなっているという。
ところが友人を案じてスケッチの調査を進める民俗学者もまた、不審な様子を見せるようになった。
~感想~
まるで江戸川乱歩の作品のようなタイトルに見合った、怪奇味あふれる一編。
雰囲気だけではなく、さりげない伏線とちりばめられたヒント、意外な急展開にどんでん返し、事件が終わるまで動こうとしない探偵と、ミステリの魅力がてんこもり。探偵=燈馬にはもうちょっと動いて欲しかったが。
それより気になったのが、作品のテーマとなるある二つの言葉に、乱歩よりも宮部みゆきの気配が漂っていること。漂うどころかこれはそのまんま「名もなき毒」と「模倣犯」である。パクリとか糾弾したいわけではなく、単純に作者がどこまでその二作を意図しているのか興味深い。全く知らなかったらすごいな。