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マンガ感想-『C.M.B.森羅博物館の事件目録 4』加藤元浩

2013年09月16日 | マンガ感想
「ユダヤの財宝」★★★★ 8
~あらすじ~
遺跡調査員が「ユダヤの財宝を見つけた」と言い遺しローマで殺された。
第三者の調査員として選ばれた森羅は立樹とともにローマへ飛ぶ。
だが事件にはユダヤ人の歴史に絡んだ様々な思惑が渦巻き、さらには十字軍の騎士の亡霊が森羅に襲いかかる。

~感想~
一介の高校生に過ぎない燈馬が主人公の「Q.E.D.」では容易にできない海外編も、「C.M.B.」ではフットワークが軽くいとも簡単に国境を超えてしまう。
指輪の持ち主でその気になればケタ外れの資金を動かせる森羅はともかく、保護者的な立場で立樹も平然とそれに同行するのが強引だが。出席日数とか親とか平気なのか。
それはともかく、今作は「C.M.B.」ならではの設定を活かしたスケールのでかい大風呂敷を広げる一編で、歴史の闇に埋もれたありえたかもしれないエピソードを掘り起こす秀作である。
犯人の隠し方、特定のロジックもなかなか巧みで、ミステリとしての魅力も十分。「C.M.B.」シリーズでも屈指の出来だろう。
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