~あらすじ~
警視庁の管理官・幸田の乗る車を先導していた白バイが警官ごと消えた――。
幸田は事件を穏便に解決するため「ガラスの探偵」と呼ばれる(自称)名探偵・朝倉に解決を依頼する。
ところが調査のさなかビルの屋上に白バイと、乗っていた警官の射殺体が忽然と現れた。
~感想~
やりすぎミステリでおなじみの作者が「キャラが弱い」という定評に敢然と立ち向かい、キャラ小説をものしてきた。
とりあえず朝倉探偵のキャラは濃い。気がつくと助手の高杉小太郎の方が目立ってしまい、朝倉という名すら忘れかけるが、終盤になって突然「ソードマスターヤマト」に変貌したのには呆然とした。
だが肝心の「ガラスの探偵」ネタを割ってしまったことといい、独特なわりに助手より地味な推理法といい、シリーズ化するには厳しいか。「双孔堂の殺人」にも友情出演していた気がする女刑事というヒロインもいるし、続編も見てみたいのだが。
キャラへの言及はそのくらいとして、消えた白バイの謎はどうかというと、これも厳しい。21世紀にもなって針と糸で細工したような、これこれこうすれば実現できる系のトリックで、驚きがないのは当然として絵面的にもイメージしづらい。物語の展開、魅力的な謎の提示までは良かっただけに、もう少し真相がなんとかならなかったものか。
やりすぎ作家のキャラ小説への初挑戦としては、キャラ7:3トリックの割合でかろうじて及第点。しかし小島正樹ならばもっと上を狙えたろうに。
13.10.12
評価:★★☆ 5
警視庁の管理官・幸田の乗る車を先導していた白バイが警官ごと消えた――。
幸田は事件を穏便に解決するため「ガラスの探偵」と呼ばれる(自称)名探偵・朝倉に解決を依頼する。
ところが調査のさなかビルの屋上に白バイと、乗っていた警官の射殺体が忽然と現れた。
~感想~
やりすぎミステリでおなじみの作者が「キャラが弱い」という定評に敢然と立ち向かい、キャラ小説をものしてきた。
とりあえず朝倉探偵のキャラは濃い。気がつくと助手の高杉小太郎の方が目立ってしまい、朝倉という名すら忘れかけるが、終盤になって突然「ソードマスターヤマト」に変貌したのには呆然とした。
だが肝心の「ガラスの探偵」ネタを割ってしまったことといい、独特なわりに助手より地味な推理法といい、シリーズ化するには厳しいか。「双孔堂の殺人」にも友情出演していた気がする女刑事というヒロインもいるし、続編も見てみたいのだが。
キャラへの言及はそのくらいとして、消えた白バイの謎はどうかというと、これも厳しい。21世紀にもなって針と糸で細工したような、これこれこうすれば実現できる系のトリックで、驚きがないのは当然として絵面的にもイメージしづらい。物語の展開、魅力的な謎の提示までは良かっただけに、もう少し真相がなんとかならなかったものか。
やりすぎ作家のキャラ小説への初挑戦としては、キャラ7:3トリックの割合でかろうじて及第点。しかし小島正樹ならばもっと上を狙えたろうに。
13.10.12
評価:★★☆ 5