~あらすじ~
何人もの人間が夢の中で共有する「不思議の国」。
不思議の国でハンプティ・ダンプティ殺害容疑を掛けられたアリスは、地球では同時に王子玉男が転落死したことを知る。
以降、不思議の国で殺害された人物(?)が地球でも次々と死んでいき……。
13年このミス4位、本ミス6位
~感想~
「不思議の国のアリス」は未読だが、おそらく「アリス」を題材に採ったミステリの中では最も原作を活かしたものの一つ。
目眩を覚えるような堂々巡りや言葉遊びを繰り返す会話にまずは面食らうが、原作の空気を上手く再現していると思われ、読みにくくはあるものの話の流れを見失うことはない。
夢と現実がリンクした世界観は実に面白く、二つの世界を行きつ戻りつしながらの推理や事件の展開は、脱線しがちで型にもはまっているものの、巧みに隠された仕掛けに気づくのは容易ではなく、伏線も極めてフェアに随所に張られており、驚きと満足を同時に与えてくれるだろう。
また作者お得意のグロ描写は巷間言われているほどきつくないどころか控え目な方で、最もグロいシーンはむしろ逆に笑えてくる描写であり、敬遠する必要はない。
作者のファンのみならずミステリマニアも納得の、このミス4位は伊達ではない秀作である。
16.11.22
評価:★★★☆ 7
何人もの人間が夢の中で共有する「不思議の国」。
不思議の国でハンプティ・ダンプティ殺害容疑を掛けられたアリスは、地球では同時に王子玉男が転落死したことを知る。
以降、不思議の国で殺害された人物(?)が地球でも次々と死んでいき……。
13年このミス4位、本ミス6位
~感想~
「不思議の国のアリス」は未読だが、おそらく「アリス」を題材に採ったミステリの中では最も原作を活かしたものの一つ。
目眩を覚えるような堂々巡りや言葉遊びを繰り返す会話にまずは面食らうが、原作の空気を上手く再現していると思われ、読みにくくはあるものの話の流れを見失うことはない。
夢と現実がリンクした世界観は実に面白く、二つの世界を行きつ戻りつしながらの推理や事件の展開は、脱線しがちで型にもはまっているものの、巧みに隠された仕掛けに気づくのは容易ではなく、伏線も極めてフェアに随所に張られており、驚きと満足を同時に与えてくれるだろう。
また作者お得意のグロ描写は巷間言われているほどきつくないどころか控え目な方で、最もグロいシーンはむしろ逆に笑えてくる描写であり、敬遠する必要はない。
作者のファンのみならずミステリマニアも納得の、このミス4位は伊達ではない秀作である。
16.11.22
評価:★★★☆ 7