~あらすじ~
元カレの妻と娘2人を焼殺した罪で死刑を宣告された田中幸乃。
「覚悟のない十七歳の母のもと―養父からの激しい暴力にさらされて―中学時代には強盗致傷事件を―罪なき過去の交際相手を―その計画性と深い殺意を考えれば―反省の様子はほとんど見られず―証拠の信頼性は極めて高く―」
だが周囲の人々は思う。本当に彼女はそんな人物だったのかと。
2014年日本推理作家協会賞、このミス20位、山本周五郎賞候補
~感想~
文庫版の辻村深月の解説が素晴らしく、他に言うべきことはあまりないので主にミステリ面について。
しかし一番上手いと思った部分もややネタバレ気味なのでぼかして言うが、章ごとのタイトルに絡めた内容が実に秀逸で、構成の妙はもちろんのこと、この展開ならば結末は…と読者の興味を引かせることに成功している。
肝心の解決編とでも言うべき第七章は、ついに表に姿を現した人物が、期待に反して大した新情報を持っていなかったり、失策続きでランニングホームランを許したような煮え切らない話なのはちょっと拍子抜けしたが、そこに至るまでの過程と、物語の結末には文句は無い。ミステリ云々に関わらず、広く読まれるべき作品であろう。
一つどうでもいいことを突っ込ませてもらうと、品薄の携帯ゲーム機を父にアングラ商店で定価の十倍以上で買ってもらう話が出てきて引っくり返った。
年代設定的にDSかPSPだと思うが15万 or 20万以上である。一介のサラリーマンのはずの父は「もう勘弁してよ」で済ませてるけど、一気にリアリティが消えた。
作者はソフトの値段(十倍で5万)と勘違いしたのかなあ。
19.7.24
評価:★★★☆ 7
元カレの妻と娘2人を焼殺した罪で死刑を宣告された田中幸乃。
「覚悟のない十七歳の母のもと―養父からの激しい暴力にさらされて―中学時代には強盗致傷事件を―罪なき過去の交際相手を―その計画性と深い殺意を考えれば―反省の様子はほとんど見られず―証拠の信頼性は極めて高く―」
だが周囲の人々は思う。本当に彼女はそんな人物だったのかと。
2014年日本推理作家協会賞、このミス20位、山本周五郎賞候補
~感想~
文庫版の辻村深月の解説が素晴らしく、他に言うべきことはあまりないので主にミステリ面について。
しかし一番上手いと思った部分もややネタバレ気味なのでぼかして言うが、章ごとのタイトルに絡めた内容が実に秀逸で、構成の妙はもちろんのこと、この展開ならば結末は…と読者の興味を引かせることに成功している。
肝心の解決編とでも言うべき第七章は、ついに表に姿を現した人物が、期待に反して大した新情報を持っていなかったり、失策続きでランニングホームランを許したような煮え切らない話なのはちょっと拍子抜けしたが、そこに至るまでの過程と、物語の結末には文句は無い。ミステリ云々に関わらず、広く読まれるべき作品であろう。
一つどうでもいいことを突っ込ませてもらうと、品薄の携帯ゲーム機を父にアングラ商店で定価の十倍以上で買ってもらう話が出てきて引っくり返った。
年代設定的にDSかPSPだと思うが15万 or 20万以上である。一介のサラリーマンのはずの父は「もう勘弁してよ」で済ませてるけど、一気にリアリティが消えた。
作者はソフトの値段(十倍で5万)と勘違いしたのかなあ。
19.7.24
評価:★★★☆ 7